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より良い教育のために! 変わる先生の働き方

ラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子「日曜まなびより」」

今回のテーマは「より良い教育のために! 変わる先生の働き方」。
学校の先生の仕事は、授業や生活指導だけと思っていませんか? 実際は多種多様な業務を担い、勤務時間外に学校業務のために働くことも多く、その平均時間は他の地方公務員のおよそ3倍となるなど、厳しい勤務実態にあります。そこで、先生が先生でなければできないことに集中し、こどもたちへのより良い教育が実現できるよう、先生の業務量を減らすなどの“学校の働き方改革”が進められています。その実現には、私たち地域住民や保護者の理解と協力が必要です。
番組では、学校運営に保護者と地域のかたが参加している好事例などを紹介し、これまで学校が担ってきた業務のうち、どんなことを学校以外が担えるのかについて学んでいきます。こどもたちのためにできること、一緒に考えてみませんか。

[画像:2025年9月21日3ショット(変わる先生の働き方)]

ゲスト
文部科学省
初等中等教育局 財務課
山田 泰造

ストリーミング(音声で聴く)

放送日
令和7年(2025年)9月21日
再生時間
17分56秒
配信終了予定日
令和9年(2027年)3月31日

文字で読む

杉浦
佳菜子ちゃん、「先生の仕事」って聞くと、どんなこと思い浮かべますか?
村上
やっぱり、一番は授業。あとは、生徒の生活指導とか、部活の指導もありますよね?
杉浦
ざっくり挙げるとそういうことなんだけども、「授業」一つ取り上げても、その準備とか教材作り、テスト問題の作成、採点などね、やらなきゃならないこと、たくさんあるんだよね。それに、直接こどもと関わることだけではなく、会議のための事前準備や事後処理、研修会や校内研究のレポートの作成、国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応などなど。現在先生が担っている仕事って、多種多様なんだよね。
村上
そうですよね。私、お姉ちゃんも高校の物理の先生してたり、同級生が小学校の先生してたりするので分かります。学校の先生は本当に忙しいですよね。
杉浦
忙しいよね。実際、先生の勤務実態を調査したところ、地方公務員である公立の小中学校の先生が、勤務時間外に学校業務のために働いている時間の平均は、同じ地方公務員の事務職のかたと比べますと、およそ3倍なんだって!
村上
多いなとは思ってたけど、3倍もあるんですね。すごい...。
杉浦
中には、健康障害のリスクが高まる、いわゆる過労死ラインまで勤務時間外に働いている先生もいて、先生の勤務実態は厳しい状況なんだって。
村上
やっぱり、「こどものためなら」と思って長時間働いちゃうんですかね?
杉浦
そういう働き方って、先生の使命感から生まれるものだと思うんだけど、ただ、それで先生が疲れてしまうのであれば、巡り巡って、こどものためにならないと思うんだよね。
村上
確かにそうですね。あと、そういう働き方が続いてしまうと、「将来先生になりたい」と思うかたも減ってしまう可能性もありますもんね。
杉浦
そこで、進められているのが「学校における働き方改革」! これまで国がいろんな法律を改正して、国だけでなく、自治体、教育委員会、学校など、様々な立場から「先生が働く環境を良くするための仕組みづくり」が行われているんだけど、この働き方改革を着実に進めるためには、実は、僕たち保護者や地域の方々の理解と協力も必要なんだって! ここからは、今日の講師に教えていただきましょう。 文部科学省 初等中等教育局の山田 泰造さんです。
村上
山田さん、学校における働き方改革を着実に進めるには、保護者や地域の方々の理解と協力も必要ということですが、それはどのようなことなんでしょうか?
山田
はい。学校における働き方改革を推進していくには「十分なマンパワーを確保すること」と、「先生の業務を減らすこと」、この二つをしっかり行う必要があると考えています。
村上
「マンパワーを確保する」というのは、「先生を増やす」ということですか?
山田
単に先生を増やすだけでなく、高い専門性を持つスクールカウンセラーやソーシャルワーカーなどの支援スタッフ、さらに、教材の印刷など先生の仕事をサポートする支援員さんを増やして、先生の負担を軽くすることが必要だと考えているんです。特に、支援員さんとしては、保護者や地域の方々にご参加、ご協力をお願いして、先生の負担を軽くすることを目指せればと考えています。
村上
人を増やせば、必然的に一人の先生が負担する仕事の量を減らすことができますもんね。
山田
そうですね。ただ、先ほどお二人も話されていましたが、現在、先生が担っている仕事は非常に幅広いもので、その中には「デジタル化を進めて先生の負担を軽くできるもの」もありますけれども、「先生以外の方が対応して先生の業務自体を減らすことができるもの」もあると考えています。
村上
それって、具体的にどういうものですか?
山田
例えば、放課後から夜間における見回りです。先生が生活指導の一環として、放課後に学校の周辺などを見回りすることがありますけれども、これは、先生でなくてもできるものだと考えています。
村上
確かに。当時、学校の先生が見回っていた印象ありますけど、これは保護者や地域の方々にもできそうですよね。でも、なんで先生がやってるんだろう? やっぱりこれも使命感からなんですかね?
山田
それもそうですが、時代が進む中で学校に対する社会からの期待が高まったことが、要因の一つだと考えています。でも今は、いじめや不登校など、学校が丁寧に対応すべき課題が増えてきています。こうした中で、こどもへのより良い教育を実現するためには、「先生が先生でなくてはできないことに専念できる環境」が必要です。そのためには、保護者や地域の皆さんにも学校にご理解・ご協力いただき、地域全体でこどもを育てていく必要があると考えています。
杉浦
熱血教師が活躍するドラマとかを観ちゃうと、先生への期待がどんどん高まっちゃって、こどもに関係することなら何でも学校や先生がしてくれるものだって、社会全体で思い込み過ぎているところがあるのかもしれないですね。
村上
確かにそうですね。でも、よくよく考えてみると夜の見回りだけじゃなくて、先生以外が対応する方がよい仕事って、他にもいっぱいありそうですよね。
杉浦
そうだよね。でも、何が先生の仕事で、何が先生でなくてもできる仕事なのかを判断して、それを教職員や保護者、地域の方々に理解してもらうのも、時間と労力を使うよね。そこで、文部科学省では、学校が先生の仕事を積極的に見直せるように、先生以外が対応する方がよいと考えられる業務の代表例を示してるんですよね、山田さん。
山田
はい。先生が先生でなければできないことに集中して、より良い教育を実現できるように、これまで学校や先生が担ってきた業務を、「学校以外が担うべき業務」「先生以外に積極的に参画してほしい業務」「先生の仕事だけれども負担を軽くすることができる業務」、この三つに分けて、学校が働き方改革を進める際に活用できるようにしています。
村上
山田さん、学校の先生の仕事を減らすために「学校以外が担うべき業務」には、どんなことがありますか?
山田
いくつかありますが、一つは、通学路における日常的な見守り活動です。例えば、登下校の際に、大人が通学路に立ってこどもを見守るといったケースですが、これは先生でなくてもできることですよね。
杉浦
そうですよね。これは、よく「緑のおばさん、おじさん」が、うちの子の学校も、毎日立ってくれてるんで、挨拶してますね。
村上
確かに、私がこどもの頃は先生がやってたけど、最近、家の近所は、近所のおじいちゃん、おばあちゃんがやってくれてたりすることが多い印象ですね。
杉浦
そうだよね。「学校以外が担うべき業務」、他には何がありますか?
山田
先ほど少しお話させていただきました、放課後から夜間などにおける見回りや、児童生徒が警察などに補導された時の対応です。
杉浦
そうね。児童生徒が問題行動を起こして先生が呼び出されるシーン、ドラマとかであるじゃん? なんで学校の先生が呼ばれるんだろうね? 親に言ってほしくないとか?
村上
それもありそうですね。あとは、保護者が仕事で連絡が付かないとか、今コメントにありましたけど、お子さんが保護者よりも先生を頼るとか、理由はいろいろありそうですけど、これは連絡する方が意識を変えていく必要がありそうですね。
杉浦
そうだよね。先生ではなく、保護者がきちんとこどもの対応をするという意識をみんなが持たないと。先生も連絡が来たら対応せざるを得ないもんね。では山田さん、学校以外が担うべきものとして、他には何でしょう?
山田
地域の方々との連絡調整です。先生の業務を減らすためには「児童生徒の休み時間中の見守り対応」「校内清掃」など、様々な仕事を地域の方々に、お願いすることが考えられるんですが、そうすると今度は、協力してくれる方々への連絡やスケジュール調整を、先生がしなければならないことになりかねません。これはこれで骨の折れる作業ですよね。このため、そうした連絡調整役についても、地域住民など学校以外の方々に担っていただきたいと考えています。
村上
確かに。保護者や地域の方々に主体的に動いてもらうことが求められてるんですね。
杉浦
実はですね、まさに、保護者や地域の方々が主体的に学校における働き方改革を行い、成果が出ている学校があるんですよね、山田さん。
山田
はい。学校の運営に保護者や地域の方々などが参加する「学校運営協議会」という仕組みがあります。埼玉県のある小学校では、この学校運営協議会と学校が一緒になって、様々な取組を進めています。そのポイントになるのが「情報の提供」です。学校と学校運営協議会、どちらも積極的に情報を提供し合うことで、お互いの状況を理解して連携を深めているんです。
村上
例えば、どのような情報を提供し合ってたんですか?
山田
学校は、学校運営協議会に参加している地域の方々に、こどもたちの学習の成果や成長を直接見てもらう機会を設けたり、登下校の見守りなど、地域の方々の支援を受けている様子をSNSで発信したりしました。一方、協議会は、校内に地域の掲示板を設置して、地域住民で作られる町会やこども会などの地域の情報を、学校やこどもたちに発信しています。こうした情報発信によりお互いの理解が深まったことから、保護者や地域の方々に、学校における働き方改革への理解と協力が得られやすくなったんです。
村上
なるほど。それで、実際、先生の業務は減ったんですか?
山田
はい。この学校では、入学間もない小学1年生の見守りや、給食の準備、清掃などを地域の方々に担っていただき、先生の「定時退勤week」も実現できました。
杉浦
「定時退勤week」っていうのは、「今週1週間は毎日定時で帰ろう!」といったことですね。こういう期間が設けられると、定時で帰る雰囲気っていうのができていくから、先生も計画的な仕事の進め方を習慣付けるきっかけになりますよね。
山田
成果が見えたのは学校や先生側だけではありません。校内に地域の掲示板を設置したことで、多くの児童がこども会の活動に参加し、地域の活動が活発になるなど、地域の方々がいきいきと活動する場を増やすことにもつながりました。
杉浦
保護者や地域の方々が学校に関わった結果、「学校と地域が共に活性化していった」ということですね。やっぱり、町全体で、保護者プラス地域の方々を巻き込んで、学校の負担を減らすというのが大事かもしれないですね。
山田
より良い教育のためには、学校・先生方と保護者・地域の方々が連携・協働して、お互いに魅力を感じる学校づくりを進めていく必要があります。保護者や地域の皆さんには、是非、学校づくりに積極的に参加していただき、学校をサポートしていただきたいと思います。文部科学省も取り組んでまいりますので、こどもたちのために一緒に力を合わせていきましょう!
村上
今日の話を聞いて特に注目したのは、「みんなの意識で変わる!! 先生の働き方」です。
杉浦
僕は「学校、先生方、保護者、地域の方々 みんなで学校づくり!!」です。

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