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SAFでクリーンに! 空のカーボンニュートラル

ラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子「日曜まなびより」」

今回のテーマは「SAFでクリーンに! 空のカーボンニュートラル」。
2050年までに温室効果ガスの排出量を実質的ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指している日本。それは、空の便でも同じです。経済や文化のグローバル化などに伴い、航空需要は今後も伸びると言われていますが、航空機は、1人を運ぶ際のCO2排出量が鉄道などに比べて多く、環境への負荷が大きい現状にあります。そこで、航空機のCO2排出削減のカギとして注目されているのが「SAF(サフ)」。これは、従来の石油由来の燃料に比べ最大80%のCO2削減効果が期待されている新しい航空燃料です。
番組では、「SAF」がどんな燃料で、なぜCO2排出削減につながるのかなどを学びます。私たちが使ったある物で「空のカーボンニュートラル」に協力できる取組もご紹介します!

[画像:2025年9月14日3ショット(空のカーボンニュートラル)]

ゲスト
国土交通省 航空局
カーボンニュートラル推進室
永瀬 智規

ストリーミング(音声で聴く)

放送日
令和7年(2025年)9月14日
再生時間
18分02秒
配信終了予定日
令和9年(2027年)3月31日

文字で読む

杉浦
佳菜子ちゃんは、飛行機移動、結構多いかな?
村上
はい。多いです。やっぱり現役時代からいっぱい外国に行って試合もしてましたし、引退してからも旅行が大好きなので、韓国行ったり、ベトナム行ったり、中国行ったり。
杉浦
海外好きだよね?
村上
海外、だーい好き!(笑)
杉浦
(笑) じゃあ、もう飛行機は必須だね。僕も仕事であちこち行くけど、海外より国内便の方が多いかな。やっぱりね、我ら、世界中の人にとって飛行機は必須ですからね。
村上
そうですね。やっぱり日本は海外と陸でつながってないから、海外に行くんだったら、飛行機に乗らなきゃいけないですからね。
杉浦
空はつながっていますからね。
村上
しかも、貨物の輸送でもお世話になってますよね。
杉浦
そうだね。こうした航空需要は経済や文化のグローバル化など様々な要因もありまして、今後ますます伸びると予想されていますね。
村上
確かに。海外から日本にやってくる旅行者もたくさんいらっしゃいますもんね。
杉浦
ただ、航空需要が伸びる中で心配されているのが環境への負荷なんだよね。この番組でいつも言ってるけど、気候変動問題の解決に向けて、今、世界中でCO2をはじめとする温室効果ガスの排出を減らすために頑張ってるじゃん。
村上
日本は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を目指してるんですよね。
杉浦
そう。でもね、僕たちが日頃利用する乗り物には飛行機や鉄道、バス、自家用車とかあるじゃない。それらで、人、1人を運ぶときに排出するCO2の量を計算してみますと、飛行機って、排出量が自家用車の次に多くて、鉄道やバスに比べると、環境への負荷が大きいんだって。
村上
それって困りますよね。CO2の排出量は減らしていきたいのに、飛行機の出番はますます増えることが予想されてますよね? なんとかしなきゃですよ!
杉浦
なんとかしなきゃなんだよ! そこでですね、ここからは今日の講師に伺っていきましょうか。国土交通省航空局の永瀬 智規さんです。
村上
永瀬さん、なんとかしなくちゃですけど、なんとかなりそうですか?
永瀬
そうですね。そこをなんとかするように世界的なルール作りも行われていて、それに沿った対策が進められているところです。その対策の一つが「飛行機をはじめとする航空機そのものに対する新技術の導入」です。例えば、燃費効率を上げるために、機体やエンジン部品の材料を軽くて強い素材にすることで、燃費のいい、新しい航空機に置き換える取組が進んでいます。
村上
まずは、低燃費に向けた取組を進めているんですね。自動車では、電気で動くEVや水素自動車が開発されてますけど、航空機でも似たような開発は進んでるんですか?
永瀬
はい。そういった取組を航空機に置き換えた場合、空を飛ぶためにバッテリーを軽くする、水素燃料タンクを小さくするといった技術的な課題に挑戦しながら、電動航空機や水素航空機といった次世代航空機の開発も進められていて、将来的には大きな期待を寄せているところです。
村上
電気や水素で飛ぶ次世代航空機、早く実現してほしいですね!
杉浦
永瀬さん、航空機への新技術の導入とは別に「運航の改善」も進められているんですよね。
永瀬
そうなんです。航空機は空港や空の道を安全でスムーズに進むように、航空管制で調整・指示されています。ですから、空港や空の道の交通整理をより細かく正確に行えるよう様々な取組を進めています。例えば、より最適な交通整理を行うことで、上空での迂回や待機時間を減らせれば燃料の消費を抑えることができます。また、静止衛星の活用により、視界が悪いときであっても安全に着陸できる機会を増やすなど、「運航の改善」に取り組んでいるんです。
村上
へー、航空機の運航に衛星が使われることもあるんですね! 知らなかったです。
永瀬
ただですね、例に挙げた「航空機への新技術導入」は、実用化し普及させるまでにまだまだ時間が必要ですし、「運航の改善」は、想定している取組を行っても、CO2の削減効果は限定的な状況です。
村上
取組は進められているけれど、今すぐに大きな効果が見込まれる状況ではないっていうことですね。
杉浦
そこで、今、めちゃくちゃ注目されてるのが「SAF(サフ)」なんだって!
村上
サフ? 永瀬さん、サフっていったい何ですか?
永瀬
はい。SAF(サフ)とは、持続可能な航空燃料、Sustainable Aviation Fuelの頭文字、「S」「A」「F」の3文字を取ってサフと言います。従来の石油を原料とした航空燃料に代わる環境にやさしい航空機の燃料です。
村上
そういう新しい燃料があるんですね。
永瀬
はい。既に海外ではいくつか大規模な生産が始まっていますし、日本でも今年から大阪府堺市にある製造プラントで、国産SAFの生産が始まりました。
村上
実際にSAFは使われているんですか?
永瀬
はい。日本の航空会社はすでに海外産のSAFを使い始めていまして、国産のSAFを使用した運航も開始されたところです。そして今後も、多くの航空会社がSAFの利用拡大を目指してるんです。
杉浦
なんと、SAFはですね、石油由来のジェット燃料と比較して、およそ60パーセントから80パーセントのCO2削減効果があるんだって!
村上
えー、すごい! ちなみに、そのSAFって、なんで環境にやさしいんですか?
杉浦
それはSAFの原料に関わっていることですね。僕たちも協力できることがある物なので、詳しく伺っていきましょう。
村上
永瀬さん、CO2削減効果が高いというSAFはどういったものなんでしょうか?
永瀬
SAFは家庭やレストランなどから出る使用済みの食用油や、農作業で出る藁などの農業残渣、海の植物プランクトンなどの微細藻類、サトウキビやトウモロコシ、他にも都市ごみなどの廃棄物や木くず、間伐された木材など、様々な原料から作ることができます。その作り方はいろいろあるんですが、使い終わった食用油からSAFを製造する技術は、すでに実用化されていて、大阪(堺市)のプラントの国産SAFも食用油から作られているんです。
村上
CO2削減効果が高いというのはどうしてなんですか?
永瀬
簡単に説明しますと、ジェット燃料もSAFも燃やせばCO2自体は発生します。しかしSAFの原料は、全てではありませんが、主に植物由来です。植物は成長するときにCO2を吸収しますよね。そのためSAFは、ジェット燃料のライフサイクル全体としてみると、石油から作られるジェット燃料よりも、最終的に大気中に放出されるCO2の量が少なくなって、CO2の増加を大幅に減らせる効果があるということなんです。
杉浦
だから、排出と吸収でCO2の量が相殺されるっていう、カーボンニュートラルの考え方ってことですよね?
永瀬
はい、そうです。しかも、SAFはジェット燃料と混ぜて使うことができるので、今、使われている航空機と空港の設備をそのまま使えますし、その性能もジェット燃料と変わらないので、現状ではCO2の削減に最も効果的な対策なんです。
村上
それでSAFが注目されてるんですね!
永瀬
ただし、SAFの利用を拡大していくためには、大きく二つの課題があります。一つは価格です。SAFの製造には、従来のジェット燃料と比べると数倍のコストがかかると言われています。そのため、今後は製造技術を高めたり、生産量を増やしたりすることで、価格を下げることが求められています。
村上
なるほど。もう一つの課題は何ですか?
永瀬
それは原料の確保です。日本だけでなく世界的にも、持続可能な形での原料の確保には苦慮しているところでして、今、めどが立っているものだけでは全く足りない状況です。今後、使用済みの食用油など、SAFの原料をいかに多く、無駄なく効率的に回収していくかを考えていかなければなりません。
杉浦
こうした背景もありまして、「SAFの供給は進んでいない」というね。2050年に世界全体で必要とされるSAFの量に対して、まだ1パーセントも生産されていないそうです。
村上
えー、せっかくCO2削減に効果的な策があるのに、もどかしいですね。もったいない。でも、先ほど、太陽さんが「私たちにも協力できることがある」って、言ってましたよね?
永瀬
そうですね、身近なところでこの番組をお聴きの皆さんに協力をお願いしたいことと言えば、「ご家庭で使用した後の食用油を固めて捨てるのではなく、回収スポットへ持って行っていただく」ことです。
村上
そういう所があるんですね。
永瀬
はい。例えば、全国各地で企業や自治体、団体が協力して進めている「FRY to FLY Project(フライトゥフライプロジェクト)」という取組があります。油で揚げる「FRY(フライ)」と、空を飛ぶ「FLY(フライ)」とをかけて、「捨てる油で空を飛ぶ」を合言葉に、全国の家庭やレストランなどから使用済みの食用油を回収してSAFの原料にしているんです。
杉浦
僕もこのプロジェクトのホームページを見たんだけども、ホテルや百貨店、鉄道会社、大手のスーパーマーケット、飲食店など、いろんな企業が参加しているんですよね。
永瀬
そうなんですよ。プロジェクトに参加する企業や自治体がそれぞれ主体となって、周知イベントを開催したり、使用済みの食用油の回収活動を行ったり、出前授業などを行っています。私たち国土交通省航空局も国の機関として初めてメンバーになりました!
杉浦
今日の放送を聞いて、協力してみたいと思ったかたは、身の回りでSAFの原料として使用済みの食用油を回収している所がないか調べてみてほしいですね。大手スーパーの一部店舗では回収BOXを常設している所もありますので、探してみると、身近に見つけることができるかもしれませんよ。
村上
毎週のゴミ捨ての日があるじゃないですか、そこに「油の日」とかもあったら、より皆さんも身近に感じて、協力しやすいかもしれないですよね。
杉浦
集めやすいし、協力しやすいし。
永瀬
そうですね。先ほども少しお話ししましたが、今年から国産のSAFの生産が始まりましたから、今後は、環境のため、そして、エネルギーの安定的な確保のため、国産のSAFの供給量を増やしていきたいところです。
杉浦
このまま空のカーボンニュートラルが進んでいかないと、今のような全国各地や世界との航空ネットワークが維持できないおそれもありまして、そうなると、飛行機の運航数が減っちゃったり、直行便が無くなる国や地域だって出てくるかもしれないです。
村上
困ります!!
永瀬
そうならないために、国や航空会社、民間の企業などが一丸となって「CO2削減」「空のカーボンニュートラル」の取組を進めています。皆さんには、こうした取組に理解を深めていただき、「CO2削減のために自分たちには何ができるんだろう」と考えて行動していただければと思います。
村上
今日の話を聞いて特に注目したのは「SAFで地球をクリーンに! 使った油を回収BOXへ」です。
杉浦
回収BOX、皆さんで協力していきましょう。僕は、覚えてもらいましょう。「持続可能な航空燃料 SAF」。「S」「A」「F」!

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