2025年5月12日
一緒に覚えよう! 海の事件・事故は118番
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ラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子「日曜まなびより」」
今回のテーマは、「一緒に覚えよう! 海の事件・事故は118番」。
海上での事件や事故の際の緊急通報用電話番号「118番」をご存じですか? 2000年から運用が始まった「118番」は、通報すると海上保安庁につながり、事件や事故などの対応をしてくれます。その後2019年からは、聴覚に障がいがあるかたや話すことが困難なかたを対象に、インターネットを使用した通報サービス「NET118」の運用開始。さらに今年(2025年1月)からは、現場の状況をスマートフォンで撮影し映像で海上保安庁へ伝えることができる映像通報システム「Live118」の運用を開始しており、その取組は少しずつ進化しています。
番組では、海の事故の実例から「118番」の大切さについて改めて知るとともに、「NET118」「Live118」の実際の使い方についても学んでいきます。
[画像:杉浦太陽さん、村上佳菜子さん、海上保安庁ゲストの3人が、「海の事件・事故は118番」のポスターを紹介。]
- ゲスト
- 海上保安庁 総務部
政務課 政策評価広報室
海上保安報道官 上原 卓
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和7年(2025年)5月11日
- 再生時間
- 15分04秒
- 配信終了予定日
- 令和9年(2027年)3月31日
文字で読む
- 杉浦
- 今日のテーマはこちら「一緒に覚えよう! 海の事件・事故は118番」です。118番は、佳菜子ちゃん知ってる?
- 村上
- はい。警察の110番とか消防の119番の海バージョンですよね。だから海で事件や事故が発生した時に連絡する緊急通報用電話番号ですね。
- 杉浦
- そういうことですね。でも、この118番をめぐっては困った問題があるんだよね。
- 村上
- えっ、何ですか?
- 杉浦
- 実は、かかってくる電話のおよそ99パーセントは海の事件・事故とは関係のないもの。本当に海で発生している事件・事故に関わる通報は、僅か1パーセントほどなんだって。
- 村上
- えっー!?
- 杉浦
- 昨年で言うと、118番にかかってきた39万件中、海の事件・事故に関わる電話は僅か5,000件ほど。
- 村上
- ほとんどが無関係な電話だったということですよね。それって一体どんな内容なんですか?
- 杉浦
- 昨年で言うと、最も多いのが「無言電話」。続いて「間違い電話」「着信時の即断」いわゆる「ワン切り」、そして「いたずら電話」ね。あとは、ポケットの中にスマホを入れといて誤って「118」を押してしまうとか、うっかりなケースがある一方、悪質ないたずら電話もあるみたいなんだよね。
- 村上
- それだけ無効な電話が多いと業務にも影響が出ちゃいますよね?
- 杉浦
- そう、そのとおりです! 無言電話は事件や事故に巻き込まれている可能性も考えられるから、通報を受ける海上保安庁は対応に当たらざるを得ないわけよ。そうこうしてるうちに、他に本当に緊急を要する通報があったら、そちらの初動が遅れてしまう可能性もあるんだよ。
- 村上
- そうですよね...。実際、海では急いで助けが必要な事件・事故、起こりますもんね。泳いでて溺れてしまったりとか、沖に流されてしまったり、ダイビング中の事故だってありますし。
- 杉浦
- そうなんだよ。そういうマリンレジャー中の事故はもちろん、船の衝突や転覆などの事故もあるでしょ。海は僕たちにとって身近な場所だけど、一方で自然が相手だから危険な場所でもあるんだよ。
- 村上
- 実際、海での事件・事故って、どれくらい起こってるんですか?
- 杉浦
- それはですね...。ここからは今日の講師に教えていただきましょうか。海上保安庁の海上保安報道官 上原 卓さんです。
- 村上
- 上原さん、海での事件・事故は年間でどれくらい発生してるんでしょうか?
- 上原
- 昨年の船舶事故は1,838隻。人身事故は2,348人で、亡くなったかたや行方不明になったかたは954人です。
- 村上
- そんなに多いんですね...。どのような事故が多いんですか?
- 上原
- マリンレジャー中の事故で多いのは、漂流などによって浜に戻れなくなってしまう事故や、海への転落、溺水、つまり溺れてしまう事故です。
- 杉浦
- 釣りをしていて海に落ちてしまったり、遊泳中に溺れてしまったりするケースが多いんだって。
- 上原
- はい。例えば2023年には、プレジャーボートで沖に出て6人がダイビングを楽しんでいたところ、いかりを下ろしていたもののボートが風の影響で漂流して、ダイバーがボートに戻れなくなってしまった事故が発生しています。
- 村上
- 海で楽しんで、浮上してきたら船が無いってことですよね。怖い! でも、いかりを下ろしてても、風の勢いでボートが流されることってあるんですね。
- 杉浦
- 幸い、この事故では全員救助されて無事でしたけど、海のレジャーは自然が相手だから、何が起こるか分からない。だからこそ、覚えておいてもらいたいのが「118番」なんですよね。
- 上原
- はい。118番は海での事故に対応するほか、悪質かつ巧妙化する密輸や密航といった犯罪に素早く対応するために、2000年に導入されたものです。
- 杉浦
- 運用から今年で25年が経ちますが、実は、少しずつ進化を遂げてるんですよね。
- 上原
- はい。2019年の11月からは「NET118(ねっと・いちいちはち)」、そして、今年の1月からは「Live118(らいぶ・いちいちはち)」の運用を開始しました。
- 杉浦
- 「NET118」のネットはアルファベットの大文字で「N」「E」「T」。「Live118」のライブはアルファベットで「L」「i」「v」「e」ね。
- 村上
- その「NET118」と「Live118」っていうのは、どういったものなんですか?
- 杉浦
- ここからは進化している「118番」。「NET118」と「Live118」を学んでいきます。
- 村上
- 上原さん、まずは「NET118」から教えてください。
- 上原
- はい。「NET118」は聴覚に障がいのあるかたや、話すことが困難なかたを対象にした118番です。これは、2017年に聴覚に障がいのあるかたのみが乗り込んだプレジャーボートが転覆した事故をきっかけに始まった通報サービスです。スマートフォンなどから、電話ではなくインターネットを使用して、素早く海上保安庁に通報することができます。
- 村上
- 実際どのように利用すればいいんですか?
- 上原
- 利用には事前登録が必要です。海上保安庁のホームページ内にある「海の事件・事故は118番」のページをご覧いただくと、「NET118」の登録方法が紹介されています。指定されているメールアドレスに空メールを送信すると、登録用のメールが返ってきますので、案内手順に従い事前登録をお願いします。
- 杉浦
- 登録しておけば、もしものとき入力操作だけで緊急通報が可能になり、GPSで位置を確認してもらえたり、チャット形式で会話することができるそうです。
- 上原
- スマートフォンなどの通信料は必要となりますが、それ以外は無料なので、海へ行かれる場合は事前に登録しておくことをお勧めします。
- 村上
- 便利ですね! では次に「Live118」はどういったものか教えていただけますか?
- 上原
- はい。「Live118」は音声で伝えることが難しい現場の状況をスマートフォンで撮影し、映像で海上保安庁へ伝えることができる映像通報システムです。音声に加え映像で通報を行うことで正確に状況を伝達することが可能になり、海上保安庁は迅速かつ的確に対応することができます。
- 村上
- こちらも事前登録が必要なんですか?
- 上原
- いえ。「Live118」は118番の通報を受けた海上保安庁が、必要と判断した場合に「Live118」による撮影を通報者に依頼します。
- 杉浦
- 実際の手順を説明しますね。まず、通報者は「118番」に電話して、海上保安庁に状況を音声で説明します。
- 村上
- 最初は通常の118番と同じなんですね。
- 杉浦
- そうです。そして海上保安庁が映像による状況確認が必要だと判断した場合、スマホに「Live118」による撮影依頼がショートメッセージで届きます。通報者はその本文に記載されているURLにアクセスし、画面の案内に従い操作してください。
- 上原
- この時、通報者には「通話料」「映像の著作権」「プライバシー」、この三つに関する留意事項が案内されます。
- 杉浦
- トラブルを避けるために、撮影前に各種のお願いに同意する必要があるんですよね。
- 上原
- はい。具体的には「「Live118」撮影中の通話料は通報者の負担になること」「映像の著作権を放棄していただくこと」「撮影する際は第三者のプライバシーを不当に侵害することがないようにすること」です。
- 杉浦
- これらに同意すると、画面中央に赤色のボタンが現れて、これをタップすることで映像通報が開始するというわけですね。スピーカー機能を使って、ビデオ通話をしているような感じで撮影することになりますので、状況が正確に伝わりますよね。
- 上原
- はい。「Live118」は今年1月に運用が始まったばかりですが、実はすでにこのシステムが非常に役立ったケースがありました。「プレジャーボートの機関室に浸水が発生した」という118番通報だったのですが、電話では新潟県上越市・有間川のマリーナから出港したという情報しか得られず、正確な場所を特定することができませんでした。
- 杉浦
- これは怖いですね。この事故はニュースにもなりましたよね。1月で海水温度も低い時期でしたから、迅速な救助が必要だったんですよね。
- 上原
- はい。そのため「Live118」で、今いる場所の景色を映してもらったところ、海上保安官の感覚で有間川の北側およそ3から5キロメートルの所にいると把握でき、速やかに救助することができました。また浸水の度合いを映像で確認できたことで、危険度を予測し、排水できるかどうかの判断にもつながりました。
- 村上
- 映像で通報できるメリットは大きいですね。
- 杉浦
- 佳菜子ちゃん「Live118」のメリットはこうしたことだけじゃないんだよね。急病人やけが人がいる時、心臓マッサージなど、その処置に関する動画の提供を海上保安庁側から受けることもできるんだって。
- 村上
- すごい! 見たままできるってことですね。
- 上原
- さらに、処置している様子を映していただくことで、的確な指示を出すこともできます。
- 村上
- やっぱり慌てていると正確な処置ができない場合もあると思うので、冷静に指示を出してもらえるのは心強いですね。
- 杉浦
- 間違いない!
- 上原
- これからレジャーシーズンを迎えますし、海へ行かれるかたも増えるかと思います。是非、「海の事件・事故は118番」を覚えておいてください。
- 村上
- 今日の話を聞いて特に注目したのは、意外と知られてないんだなと思ったので「海の事件・事故は118番」。
- 杉浦
- まずは「118番」を覚えていただいて。僕が注目したのは「海に行くなら「NET118」と「Live118」を覚えよう!」。海の事件・事故は怖いですからね。
- 村上
- セットで覚えて欲しいですね!
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