選ぶ自由を! スマホソフトウェア競争促進法
ラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子「日曜まなびより」」
今回のテーマは「選ぶ自由を! スマホソフトウェア競争促進法」。
今や私たちの生活に欠かせないスマホ。そのスマホでは、日々新しいアプリやサービスが提供されていますが、実は一部の大手事業者が自分たちに有利なルールを設けており、それらの事業者が市場を支配している現状があります。そこで適正な競争が生まれ、私たちユーザーがより良いサービスに出会い、多くの選択肢の中から自由に選べるように「スマホソフトウェア競争促進法」が、今年(2025年)12月までに全面施行されます。すでに一部は施行されており、スマホの利用に欠かせない「モバイルOS」「アプリストア」「ブラウザ」「検索エンジン」の4つを「特定ソフトウェア」と位置づけ、優先的な地位にある事業者に対して明確な禁止事項を設けるなどして競争環境を整備します。
番組では「スマホソフトウェア競争促進法」によって、中小規模のスマホ事業者、そして私達ユーザーにとってどのようなことが変わるのか、知らず知らずのうちに損していたかもしれないことから、これから期待できることまで詳しく学んでいきます。
[画像:杉浦太陽さん、村上佳菜子さん、公正取引委員会ゲストの3人が、「スマートフォンソフトウェア競争促進法」のポスターを紹介。]
- ゲスト
- 公正取引委員会
鈴木 誠也
※(注記)iPhoneは、米国及びその他の国で登録されたApple Inc.の商標です。
※(注記)iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
※(注記)AndroidはGoogle LLCの商標です。
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和7年(2025年)3月23日
- 再生時間
- 16分04秒
- 配信終了予定日
- 令和8年(2026年)3月22日
文字で読む
- 杉浦
- スマホっていうと日本ではiPhoneとAndroidを使ってる人が多いけど、どっち派?佳菜子ちゃん。
- 村上
- 私、iPhoneですね。
- 杉浦
- 僕もiPhoneですね。親はAndroidかな。やっぱ好みだよね。じゃあ電話やSNS以外に、日頃どんなことにスマホを使ってますか?
- 村上
- 完全にマップです。それないと私生きていけないです。どこにも行けない、仕事行けない、家にも帰れない(笑)。移動も最近、新幹線とか「ピッ」ですよね。
- 杉浦
- 俺も一緒!あとは電子マネー。コンビニも全部スマホで「ピッ」。だから財布持ってないもん。
- 村上
- あと動画とか。
- 杉浦
- そうね。移動中に動画も見るし、SNSも。もうスマホがないと生きていけないくらいだよね。
- 村上
- 私は絶対生きていけないです。生活のありとあらゆる場面でスマホを使ってるから。スマホがない生活とか無理ですよね。みんな多分そう思ってますよね。
- 杉浦
- 実際スマホは9割の世帯に普及していまして、インターネットもパソコンよりスマホなどのモバイル端末から利用している人が圧倒的に多いんだって。
- 村上
- メールだって普通に送れるじゃないですか。これもう、水道とか電気と変わらないぐらい重要と言っても過言ではないですよね。
- 杉浦
- まさにだねー。そこで、スマホのソフトウェア市場に適正な「競争」が生まれるようにして、僕らユーザーが今よりもっと良いサービスに出会い、多くの選択肢の中から自由に選べることを目指して、新しい法律が国会で成立したんです。それが「スマホソフトウェア競争促進法」ということで、ここからは今日の講師に教えていただきましょう! 公正取引委員会の鈴木 誠也さんです。
- 村上
- 鈴木さん、改めて「スマホソフトウェア競争促進法」について教えてください。これどういった法律なんでしょうか?
- 鈴木
- 「スマホソフトウェア競争促進法」は、スマホの利用に欠かせない4つのソフトウェアを「特定ソフトウェア」と位置づけ、その市場において優越的な地位にある事業者に対して、明確な禁止事項などを設けることで規制し、適正な競争が生まれるよう環境整備を図るものです。昨年6月に国会で成立し、すでに一部が施行されていて、今年12月までに全面施行されます。
- 村上
- なんかちょっと分かるような分かんないような、難しいなー(笑)。
- 杉浦
- この法律って、みんなが使っているスマホのソフトウェアに関することだから多くの人に知ってもらいたいんだけど、なんとなく難しそうでスルーしがちじゃない。だから今日は基本的なことだけでも学んでいきたいと思います。
- 村上
- 分かりました。じゃあ遠慮なく基本的なことから伺いたいんですけど。先ほどおっしゃった「スマホの利用に欠かせない4つの特定ソフトウェア」って何を指してるんですか?
- 鈴木
- 今回、法律の対象にしている「特定ソフトウェア」は、スマホを動かすための基本的なソフトウェアである「モバイルOS」と「アプリストア」「ブラウザ」「検索エンジン」を指します。
- 杉浦
- なるほど。iPhone派とAndroid派で大体使うものって決まってきますよね。
- 鈴木
- そうですね。こうした特定ソフトウェアについては、現状、一部の大手事業者による寡占状態です。寡占というのはちょっと難しい言い方ですけれども、一部の事業者が市場を支配している状態ということです。
- 杉浦
- そういう状態だと一部の大手事業者にとって有利なルールが設けられて、他の中小規模の事業者が新しいアプリとかサービスを提供しづらいんですよね。
- 村上
- そうか...。適正な競争が行われないってことですね。
- 杉浦
- そういうことだよね。そうすると、バラエティに富んだ革新的なアプリとかサービスが生まれづらくなっちゃうと思わない?それに価格競争も起こりづらいから、僕らユーザー的には、常に一部の大手事業者が提供する値段で商品やサービスを買うしかないわけで、寡占状態はユーザーにとっていい状態とは言えないんですよね。
- 鈴木
- まさにそうですね。そのため「スマホソフトウェア競争促進法」では、寡占状態の環境を整備して、全面施行後は競争を通じて多様な主体によるイノベーションが活性化し、消費者がそれによって生まれる多様なサービスを選択し、その恩恵を受けられることを目指しているんです。
- 村上
- 具体的に「スマホソフトウェア競争促進法」ではどんなことが定められているんですか?
- 鈴木
- スマホソフトウェア競争促進法では、市場を寡占していた一部の大手事業者を指定事業者として、遵守しなければならないことや行ってはいけない禁止事項を定めています。
- 杉浦
- 佳菜子ちゃんも、スマホにアプリをダウンロードする時はアプリストアにアクセスするよね。
- 村上
- もちろんです!それでサブスク料金を払ったり、アプリ内でたまに課金しちゃったりしますねー。
- 杉浦
- 実は、アプリを開発する事業者はそうした料金の一部を、アプリストアに手数料として支払ってるんだって。大抵の場合30パーセントくらい払ってるって。
- 村上
- えっ、30パーセントってなかなか厳しい割合ですね。
- 杉浦
- 1億円儲けたら3千万円払うんだよ。
- 村上
- 大きい!!
- 杉浦
- 大きいよね。だからこの手数料の割合をもう少し下げられたら、その分を開発費用に回せるじゃん。そうすると、もっと革新的なアプリを開発できるかもしれない。でも現状は、手数料が高止まりしちゃってイノベーションの足かせになっているんですよね。
- 鈴木
- はい。そのためスマホソフトウェア競争促進法では、指定事業者に対して、自社のアプリストアに限定するなどの、他の事業者によるアプリストアの提供を妨げるようなことを禁じています。これにより中小事業者がアプリストア市場に参入しやすくなります。
- 杉浦
- より多くの事業者がアプリストアを展開するようになれば、適正な競争が起こって手数料が引き下げられる可能性がありますよね。そうすればアプリ事業者は今よりもっといいアプリを開発できるようになるかもしれないし、僕たちもよりリーズナブルな料金でアプリをダウンロードすることができるかもしれない、っていうことですね。
- 鈴木
- はい。また、こども向けやより安全性の高いストアなど、アプリストアのバリエーションが増えることも予想されますから、ユーザーの選択肢が広がります。
- 村上
- なるほど。アプリ事業者にとってもユーザーにとってもメリットのある状況になるっていうことですね。他にスマホソフトウェア競争促進法ではどんなことが定められていますか?
- 鈴木
- 「アプリにおいて、ウェブサイトで販売するアイテム等の価格やウェブサイトに誘導するリンクを表示することを、制限してはならない」という禁止事項があります。
- 村上
- それってどういうことですか?
- 杉浦
- 実は、アプリに関連するアイテムやコンテンツって、アプリ内で課金するよりもウェブサイトからだったらリーズナブルな価格で販売されていることがあるそうなんです。
- 村上
- えっ! そうなんですか? 全然知らなかった!
- 杉浦
- そうなんです。この事実に気付いてないかた、結構多いんですよね、鈴木さん。
- 鈴木
- はい。その理由は、アプリ内でウェブサイト側の価格を表示することやウェブサイト側に誘導することを、指定事業者が禁じているからなんです。そのためユーザーは、より安く購入する他の選択肢があることに気付けず、アプリ内で手数料分が上乗せされた値段でアイテムやコンテンツを購入している場合があるんです。
- 村上
- えー、知らず知らずに損していたかもしれないってことですよね。なるほど、だから今回法律で規制したというわけなんですね。
- 鈴木
- はい。これにより今後は、アプリ内にウェブサイトへの誘導リンクを貼るなどして、ユーザーに分かりやすく情報が提供され、ユーザーはアイテムやコンテンツなどをリーズナブルに購入することが可能になります。
- 杉浦
- ゲームのアイテムの場合、料金がリーズナブルだったらユーザーはより多く購入するかもしれないから、アプリ事業者にとってもユーザーにとってもウィンウィン(win-win)やん。
- 鈴木
- はい、その通りです。スマホソフトウェア競争促進法では「ウェブサイトにおけるアイテム等の販売を妨げてはならない」という禁止事項も設けていますので、今後は選択肢が増えることが期待されています。
- 村上
- スマホを有効に活用するなら、私たちユーザーも自分から積極的に情報を集めていったほうがいいですね。
- 杉浦
- 鈴木さん、僕が一つ気になったのはセキュリティ面なんですよね。アプリストアが増えたり革新的なアプリが開発されるのはうれしいことですけども、いろいろな事業者が参入することで、安全性に問題のあるアプリが紛れ込んだりとか粗悪品が出回るようなことはないですか?
- 鈴木
- そういった心配をされるかたも少なからずいらっしゃいますが、スマホソフトウェア競争促進法では、セキュリティ、プライバシー、青少年の保護については遵守されるように定めています。そのうえで、多様な主体によるイノベーションが活性化し、ユーザーがそれによって生まれる多様なサービスを選択でき、その恩恵を享受できることを目指しています。全面施行は今年12月とまだ少し先ですが、これから徐々に変わっていきますので、スマホユーザーのかたはこれからのスマホの世界に理解を深めていただければと思います。
- 村上
- 私が今日の話を聞いて特に注目したのは、「スマホソフトウェア競争促進法」という法律があるよ!ということです。
- 杉浦
- 大事ね! 僕は「アプリ事業者もユーザーもwin-win(ウィンウィン)」です。
ラジオCM
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