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2024年11月25日

みんなで医療を考える。上手な医療のかかり方とリフィル処方箋

ラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子「日曜まなびより」」

今回のテーマは、「みんなで医療を考える。上手な医療のかかり方とリフィル処方箋」。
あなたはふだん、コンビニに出かけるような軽い気持ちで、夜間や休日の時間外に病院を受診していませんか?また、何となく大きい病院のほうが安心という理由で大病院を選んでいませんか?そのような医療機関のかかり方をすると、患者にも医療機関にも様々なデメリットがあります。
番組では、医師の負担を観点に現状をひもときながら、必要なときに必要な医療を安心して受けられるように、私たち一人ひとりができることとして、「かかりつけ医」を持つ大切さを学んでいきます。このほか、通院が大変なかたの負担が軽減!?「リフィル処方箋」をご紹介するほか、救急車を呼んだ方がいいのか?病院へ行った方がいいのか?はたまた、こどもの急な病気やけがの場合など、もしもの場合に知っておいていただきたい相談窓口もご紹介します。

[画像:杉浦太陽さん、村上佳菜子さん、厚生労働省ゲストの3人が、「診る人も、人。その働き方にご協力ください。」のポスターを紹介。]

ゲスト
厚生労働省 保険局 医療課
課長補佐 矢野 好輝

ストリーミング(音声で聴く)

放送日
令和6年(2024年)11月24日
再生時間
19分01秒
配信終了予定日
令和7年(2025年)11月23日

文字で読む

杉浦
佳菜子ちゃん、旅先とか、夜中に、急にお腹が痛くなったら、どうする?
村上
えー、まず耐えてみる(笑) 1、まず耐える。2、お薬飲んでみる。3、これはもう無理ってなったら、救急病院とか。最終手段ですよね、もう。旅先だったら不安! 宿のかたに相談してみるかな。
杉浦
そう。日本ではありがたいことに、いつどこにいても必要な医療が受けられると。でもこれって当たり前じゃなくて、病院の先生が長時間働いてくれてるからなんです。
村上
そうですよね。夜間、病院に行くときって、けっこう必死なときじゃないですか。先生のことをちゃんと考えてないけど、こうやって改めて考えてみると、すごくたくさん働いていてくれてるからこそ、できることですよね。実際、どのくらい働いてるんだろう?
杉浦
労働者の労働時間は原則1日8時間、週に40時間って法律で決まってるんだけど、医師の場合は40時間なんて当たり前。週60時間以上働いている割合が、2022年の調査結果によるとおよそ21パーセント。数は少ないけど、中には、週100時間以上働いている医師もいたんだって! 週100時間って言ったらもう、例えば、休みなしで7日間毎日、1日14時間くらい働く計算になるんだよね。これって、どう思う?
村上
私、集中力が1時間しか持たないから、(1日)14時間とか、毎日集中力を保たせるって、すごい難しいことだと思うんですよね。
杉浦
特に医師の場合は、診察とか手術とか、いろいろあるわけじゃん?人の命に関わることが。これだけ働いてくれるのはありがたいけど、心配にはなるよね。それに日本は今後ますます高齢者の数が増えて医療の需要が高まり、医師個人の負担が増えると予想されてるのね。このまま医師に負担をかけ続けると最悪の場合、重大な医療事故につながってしまうかもしれないし、今と同じ医療サービスを受けられない可能性があるとも言われているんだよね。
村上
それはかなり困りますね。どうしていけばいいのか、分かんない自分もいるんですけど。
杉浦
だから近頃は医師の働き方改革が行われていて、医師の残業時間の上限を法律で決めたりしているんだよね。これまでは上限が法律では決められてなかったんだって。
村上
だから週100時間以上も働く場合があったんですね。法律できてよかった!
杉浦
よかったよね。佳菜子ちゃん、法律で決まった医師の残業時間の上限時間、何時間くらいだと思いますか?ちなみに一般的な残業時間の上限は、原則、年に360時間。特別な事情があり、雇用主と労働者の間で合意がある場合に限り年720時間と。
村上
そこは、同じじゃないといけないんじゃないかな。だから、多いかたで年720時間とか?
杉浦
正解は、年960時間。地域医療の確保に必要な業務を行う場合など、特別な事情がある場合はですね、なんと年1,860時間と。
村上
上限決めても、一般の労働者の倍以上ですね!
杉浦
命に関わる仕事だから一般の労働者とは違うっていうのも分かりますけど、でもさ、医師だって人じゃん。できる限り長時間労働しなくてすむようにって思わない?
村上
思います! それに私たちが安心して医療機関を利用するためにも、お医者さんの働き方を改善してもらいたいですよね。
杉浦
そうね。だから「上手な医療のかかり方」、これなんだよね。僕たちが上手に医療機関にかかることができれば、医師の長時間労働の改善にも協力できると。ここからは、今日の講師に伺っていきましょう。厚生労働省保険局医療課課長補佐 矢野 好輝さんです。
村上
矢野さん、医療機関にかかるのに「上手」とかってことがあるんですか?
矢野
はい。一口に医療機関と言っても、その規模や医療設備は様々です。基本的に、診療所やクリニックは日常的な病気やケガの治療、中小病院は手術や入院、救急医療が必要な場合、そして、大学病院などの大病院は重傷の救急患者さんや高度な医療を必要とする患者さんへの医療、このように医療機能に応じた役割分担をし、連携して地域の医療を支えています。
村上
私たち、ちゃんと分かってないですね。
矢野
しかし、中には「大きい病院のほうがなんとなく安心」などの理由で大病院を受診したり、「平日の昼に行く時間がない」、「夜間のほうが空いている」などの理由で、急を要しない軽症にもかかわらず、夜間や休日に地域の病院、地域の大病院の救急外来を受診する人も少なくありません。
杉浦
急病でもないのに、コンビニに行くように軽い気持ちで夜中や休日の時間外に病院を受診することを、コンビニ受診なんて言ったりするそうですね。
矢野
そのような医療機関のかかり方をしますと、患者さんにとっても、医療機関にとっても、デメリットがあるんです。
村上
具体的にどんなデメリットがあるんですか?
矢野
大病院や、夜間や休日の救急外来に患者さんが集中するので、診察までの待ち時間が長くなる場合や、紹介状なしで大病院を受診しますと治療費以外に費用がかかるため、自己負担額が増加する場合があります。
杉浦
そうそう。最近は紹介状なしで大病院にかかると初診の場合は7,000円以上、再診の場合でも3,000円以上の特別料金がかかるんですよね。
矢野
そうですね。デメリットは他にもありまして、患者さんが集中することで一人ひとりの診察時間が短くなり、医師から丁寧な説明が受けられなくなる可能性があります。また、救急外来が軽症の患者さんで混み合ってしまうと、本当に緊急性のある患者さんの受け入れが難しくなってしまう可能性があります。
村上
自分がもしものときに救急外来に受け入れてもらえず治療が遅れたら、と考えるとすごい怖いですよね。
杉浦
そうだよね。それに先ほどから話題にしているように、患者さんが夜間や休日に集中するということは、医師の長時間労働にもつながりますから、疲労によって医療の質や安全が損なわれるおそれがあるということですね。
村上
上手に医療にかかることができないと、自分たちはもちろん、お医者さんたちにも負担をかけちゃうということですね。
杉浦
そう。だから、いきなり大病院にかかることや不要不急な時間外診療を控えて、上手な医療のかかり方を心掛けてほしいんです。
村上
矢野さん、上手に医療機関にかかるには、具体的にどのようにしたらいいんでしょうか?
矢野
おすすめは、身近な「かかりつけ医」を持つことです。健康診断や予防接種の際に、通いやすい診療所やクリニックを探してみてください。自分がコミュニケーションをとりやすく、信頼できると思った医師を「かかりつけ医」として持っていれば、体調が悪いときなど、相談できて安心できると思います。
杉浦
「かかりつけ医」がいるメリットってそれだけじゃないですよね。
矢野
はい。日頃の状態をよく知っている「かかりつけ医」であれば、ちょっとした体調の変化にも気付きやすいため、病気の予防や早期発見、早期治療が可能になります。また、病気や症状、治療法などについて的確な診断をしてくれますし、症状に応じた専門家や専門病院を紹介してくれます。
村上
でも、夜間や休日だと、ふだんなら「かかりつけ医」に相談する状況でも、「かかりつけ医」が開いていないこともありますよね。そうなると、やはり救急外来に行くべきか、救急車を呼んだほうがいいのか、という選択で、迷ってしまうこともあると思うんですよね。
矢野
確かにそうですね。そういうときは、電話で相談できる「#7119」の利用をお勧めします。「#7119」は現在、一部の都府県や市町村での運用に限られていますが、医師や看護師、相談員が電話で急な病気やけがに関わる相談に乗ってくれます。
杉浦
「#7119」が設置されていない地域にお住まいの場合でも、地域に相談窓口がある場合もあるんですよね。もしものときのために、あらかじめ地方自治体に問い合わせて電話番号を控えておくと安心ですよね。
矢野
はい。また、休日や夜間のこどもの症状に困ったとき、病院を受診したほうがよいのか、どのように対処したらよいのかなど相談できる全国共通の電話番号「#8000」もあります。「#8000」に電話すると、お住まいの都道府県の相談窓口に転送され、小児科の医師や看護師がこどもの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する医療機関についてアドバイスをしてくれます。
杉浦
この「#8000」は、僕も使用しています。夜間とか、すごく役に立つんだよね。特にこどもは突然体調を崩したりするから、子育て中のご家庭は「#8000」をメモして、冷蔵庫とかに貼り付けておくといいんじゃないですかね。
村上
確かに! 慌てた時にパッと目に付く場所にメモを置いとくことは大事ですよね。
杉浦
けっこう、慌てちゃうからね。「どこに電話したらいい?どうする?あっ#8000だ!」ってなるからね。
村上
ところで、今日のテーマは「みんなで医療を考える。上手な医療のかかり方とリフィル処方箋」ですよね。「リフィル処方箋」って、矢野さん、何ですか?
矢野
「リフィル処方箋」はですね、1回の処方で、処方箋の有効期限内であれば、医師の診察を受けることなく、最大で3回まで繰り返し使用して、薬局で薬を受け取ることができる処方箋です。
杉浦
医師の診察を受けなくても、薬を受け取ることができるってことは、患者さんは通院にかかる時間や診察代の負担を軽減することができますよね。通院が大変なご高齢のかたとか、忙しい現役世代のかたにとっても、めちゃくちゃ便利ですよね。
矢野
そうですね。患者さんにとって便利なだけでなく、医療機関の混雑の緩和や、先ほども話になっていた医師の労働時間を軽減することにもつながります。ただし、リフィル処方箋は、誰にでも処方されるものではなく、症状が安定しているかたが対象になります。例えば、高血圧や糖尿病、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などで定期的に通院している場合などが挙げられます。
村上
そうなんですね。じゃぁ、リフィル処方箋を出してもらったら、まず、どうしたらいいんでしょうか?
矢野
1回目は通常の処方箋と同様に、交付日を含めて4日以内に薬局で薬を受け取ります。薬がなくなる予定の日を次の調剤予定日として、次からは原則、その前後7日以内に薬局で薬を受け取ります。
村上
ちなみに、もしも、お薬を服用中に気になることが出てきてしまったら、どうすればいいんですか?
矢野
そういう場合は、リフィル処方箋による投薬期間中であっても病院を受診できますし、2回目、3回目に薬局でお薬を受け取る時に、薬剤師に相談することもできます。場合によっては、薬剤師が医師の受診を勧めることもあります。
村上
それなら安心ですね。では、リフィル処方箋を発行してもらいたい場合はどうしたらいいんでしょう?
矢野
リフィル処方箋は、症状が安定している患者さんに対して医師が可能と判断した場合に発行されるものなので、まずは、医師に相談してみてください。医師の長時間労働など、医療現場の現状はひっ迫しています。今後もずっと地域に必要とされる医療を提供するために、皆さんのご協力が必要です。お一人おひとりが「かかりつけ医」を持っていただくことでも、医師の働き方の改善につながります。また、「リフィル処方箋」について是非知っていただき、気になるかたは医師に相談してみてください。
村上
今日の話の中で特に私が注目したことは、やっぱり「かかりつけ医を持とう!」です。最近よく、「かかりつけ医」っていうのを聞くんですけど、やっぱりちゃんと意識して持つことは大事かなと思いました。
杉浦
僕は「リフィル処方箋あります」。この「リフィル処方箋」という存在を知らないかたがまだ多いと思うので。全員にこのリフィル処方箋が発行されるわけではないけども、是非知っておいてほしいです。

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詳しくは、「警察庁 犯罪被害者週間」で検索ください。

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