[フレーム]
このページの本文に移動
2025年5月29日

土砂災害から身を守る3つのポイント あなたも危険な場所にお住まいかもしれません!

[画像:テレビの土砂災害警戒情報を見ている親子三人のイラスト]

POINT

台風や大雨等による「土砂災害」にご注意ください。傾斜が急な山が多い日本は、台風や大雨等が引き金となって、がけ崩れや土石流、地すべりなどによる土砂災害が発生しやすい国土環境にあります。土砂災害は一瞬にして、家屋などを破壊し、尊い生命を奪うなど、甚大な被害をもたらします。土砂災害から尊い生命を守るために、一人ひとりが日頃から備えておくことが重要です。そのために知っておくべき、身を守る3つのポイント を紹介します。

1全国各地で発生している土砂災害

がけ崩れや土石流、地すべりなどによる土砂災害は、すさまじい破壊力をもつ土砂が、一瞬にして多くの人命や住宅などの財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。傾斜が急な山が多く、台風や大雨、地震などの多い日本では、その地形的・気象的な条件によって、土砂災害が発生しやすい国土環境にあります。

土砂災害発生件数をみると、平成26年(2014年)から令和5年(2023年)までの直近10年では平均して1年間におよそ1,499件もの土砂災害が発生しており、平成16年(2004年)から平成25年(2013年)までの10年平均のおよそ1,183件に比べ、約1.3倍となっています。令和6年(2024年)の土砂災害の発生件数は1,433件で、下の地図は各都道府県別の発生件数を示したものです。これを見ても分かるように、ほとんどの都道府県で土砂災害が発生しています。
土砂災害が発生するおそれのある区域は、日本全国で約70万区域にのぼります(令和7年(2025年)3月末時点)。

国土交通省や地方自治体では、土砂災害による被害を防ぐため、砂防えん堤などの施設整備や警戒避難体制の整備などの対策を実施していますが、これらと併せて私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。


令和6年(2024年)の全国各地の土砂災害発生件数

[画像:令和6年(2024年)の各地の土砂災害発生件数を示したイラスト図。資料提供:国土交通省]
資料提供:国土交通省

2土砂災害から身を守るために知っておきたい3つのポイント

土砂災害から身を守るためには、私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。ここでは、土砂災害から身を守るために最低限知っておくべき3つのポイントを紹介します。

(1)住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」かどうか確認

土砂災害のおそれのある区域は「土砂災害警戒区域」等とされています。ふだんから自分の家がこれらの土砂災害のおそれのある区域にあるかどうか、市区町村のホームページや国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などで確認しましょう。
また、避難の際にどこにどのように逃げるのか知っておくことが大事です。市町村が作成する土砂災害ハザードマップを利用して避難場所や避難経路を確認しましょう。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

(注)ただし、土砂災害警戒区域等でない区域でも、土砂災害が発生する場合があります。付近に「がけ地」や「小さな沢」などがあれば注意してください。

1土砂災害警戒区域を指定する目的及びその指定対象

土砂災害警戒区域は「現在人家等が存在する、又は将来人家等の立地が予想される箇所」を対象として指定されます。これは、土砂災害による被害を防止・軽減するため、市町村が警戒避難体制を整備するとともに、ハザードマップ等により居住者等に対し危険の周知を行うために指定されるからです。

2土砂災害警戒区域の指定基準の考え方

これまでに土砂災害が発生したことのないところでも土砂災害が発生する場合があります。これは、土砂災害警戒区域の指定基準は、過去の土砂災害の発生状況を踏まえ、土砂災害の9割以上をカバーするよう、地形の形状・形態から決められているからです。

3土砂災害警戒区域外の土砂災害リスク

現在人家等が存在せず将来も見込みがないのであれば、地形的基準を満たしたところであっても、土砂災害警戒区域は指定されません。
したがって、山あいの道路(山や丘の間を通る道路)等、近辺に人家等がない地域では、ハザードマップに危険性が表示されていなくても、渓流(谷川や沢。平常時には水が流れていないような、山の中の水が集まりやすい浅い谷を含む。)沿いや、がけ地の近辺は、土石流やがけ崩れが発生するおそれがありますので、大雨で避難を行う際には注意が必要です。
また、特に大雨特別警報が発表されるような極端な大雨や大地震の場合には、ハザードマップに表示がある範囲を超えたり、表示がある範囲と範囲に挟まれたりした場所などでも、土石流や地すべり、がけ崩れが発生することがあります。自分の住んでいる家の周辺や避難路をよく確認し、大雨などの際には十分注意してください。

山あいの道路にある渓流のイラスト

山あいの道路にある渓流

山あいの道路にあるがけ地のイラスト

山あいの道路にあるがけ地

資料提供:国土交通省

(2)雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意

雨が降り出したら、「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。土砂災害警戒情報は、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったときに、市町村長が避難指示を発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報です。これは、警戒レベル4相当情報であり、市町村が警戒レベル4避難指示を発令する目安となる情報で、災害の切迫度が高まっていることを示しています。(警戒レベルについては、内閣府「防災情報のページ」をご覧ください。)
土砂災害警戒情報は、気象庁ホームページや各都道府県の砂防課などのホームページで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報でも発表されます。大雨による電波障害や停電などいざというときのために携帯ラジオを持っておくとよいでしょう。都道府県や市町村によっては、携帯電話などに自動的に土砂災害警戒情報を教えてくれるサービスもあります。さらに、キキクル(危険度分布)では、1kmから5kmのメッシュ単位の危険度が気象庁や都道府県のホームページで確認できます。

(3)警戒レベル4までに全員避難

お住まいの地域に土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表されたら、地方自治体からの避難指示の発令(警戒レベル4)に留意するとともに、避難指示が発令されていなくても、キキクル(危険度分布)などを参考にし、家族・親戚や地域内の方々に声をかけあい、早めに近くの避難場所など、安全な場所に避難しましょう。特に、お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人は、地方自治体からの高齢者等避難の発令(警戒レベル3)に留意し、移動時間を考えて早めに避難させることが大事です。夜中に大雨が予想される場合には、暗くなる前に避難することがより安全です。また、強い雨や長雨のときなどは、市町村の防災行政無線や広報車による呼びかけや緊急速報メールなどにも注意してください。土砂災害の多くでは木造家屋や建物の1階で被災しています。どうしても避難場所への避難が困難なときは、次善の策として、土石流が想定される区域においては、土砂災害警戒区域等から離れた堅牢な建物のできるだけ高層階に避難し、がけ崩れが想定される区域においては、自宅の斜面とは反対側のできるだけ高層階に避難しましょう。
夜間の豪雨時などには避難をためらってしまいますが、ふだんから避難訓練に参加し避難に慣れていれば避難行動を起こしやすくなります。市町村などが行う土砂災害の避難訓練に参加しましょう。

[画像:雨の中、土砂災害で避難する親子3人のイラスト]

3土砂災害の前兆現象にも注意

土砂災害を発生させる現象には、主に「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、何らかの前兆現象が現れることがあります。下に挙げたものは主な前兆現象です。こうした前兆現象に気付いたら、周囲の人に声をかけあい、いち早く安全な場所に避難することが大事です。

土砂災害の種類と主な前兆現象

(1)がけ崩れ

  • 特徴

急な斜面に、雨水や雪解け水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。

住宅地で起きるがけ崩れ
  • 主な前兆現象

がけにひび割れができる
小石がパラパラと落ちてくる
がけから水が湧き出る
湧き水が止まる・濁る
地鳴りがする

がけから小石が落ちてくるがけから水が湧き出る

(2)地すべり

  • 特徴

斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生。

地すべり
  • 主な前兆現象

地面がひび割れ・陥没
がけや斜面から水が噴き出す
井戸や沢の水が濁る
地鳴り・山鳴りがする
樹木が傾く
亀裂や段差が発生

水が噴き出す井戸の水が濁る

(3)土石流

  • 特徴

大雨によって山の斜面が崩れ、その土砂が谷にあった土砂と水に混じって、麓へ流される現象。20km/hから40km/hという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうことも。

土石流
  • 主な前兆現象

山鳴りがする
急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
腐った土の匂いがする
降雨が続くのに川の水位が下がる
立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる

山鳴りがする川の水が濁り、流木が流される

46月は「土砂災害防止月間」

毎年、6月1日から30日は「土砂災害防止月間」です。
月間中は、「みんなで防ごう土砂災害」を運動のテーマとして、土砂災害警戒区域等や砂防設備などの点検や情報伝達訓練、防災意識を高めるための啓発活動などが実施されます。
土砂災害防止月間を機に、皆さんも自分の地域の危険な場所を確認したり、避難場所までの経路を歩いてみたりするなど、万が一の事態に備えておきましょう。

令和7年度土砂災害防止月間ポスター

(取材協力:国土交通省 文責:内閣府政府広報室)

関連リンク

このコンテンツは役に立ちましたか?
このコンテンツは分かりやすかったですか?
このコンテンツで取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?

ご意見・ご感想

送信中です

ランキング

関連サイト

外部のウェブサイトに移動しますが、よろしいですか。
よろしければ以下をクリックしてください。

Link
ご注意
  • リンク先のウェブサイトは、内閣府政府広報室のサイトではありません。
  • この告知で掲載しているウェブサイトのURLについては、2023年11月21日時点のものです。
  • ウェブサイトのURLについては廃止や変更されることがあります。最新のURLについては、ご自身でご確認ください。
Top

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /