新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO) 2021年9月28日
世界の概況
2021年9月26日時点で、直近1週間(9月20日〜26日)の新規感染者数は330万人以上が報告され、前週に引き続いて減少しました(図1)。全ての地域で減少し、世界全体では前週から10%減少しました。減少幅が最も大きかったのは、東地中海地域の17%で、ヨーロッパ地域を除く他の地域も10%以上の減少となりました。
新規死亡者数は約5万5,000人が報告され、こちらも前週に引き続いて減少しました。アフリカ地域を除く5地域で減少し、世界全体では前週から10%減少しました。減少した5地域のうち、ヨーロッパ地域を除く4地域(アメリカ地域、東地中海地域、東南アジア地域、西太平洋地域)は、15%以上の大幅な減少となりました。減少幅が最も大きかったのは、西太平洋地域の24%でした。
現時点で報告されている全世界の累積感染者数は2億3,100万人を超え、累積死亡者数は470万人を超えています。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、アメリカ地域(124.6人)とヨーロッパ地域(117.6人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、アメリカ地域(2.3人)とヨーロッパ地域(1.6人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(765,827人:31%減少)、ブラジル(247,397人:135%増加)、イギリス(230,494人:14%増加)、インド(204,582人:同程度)、トルコ(192,778人:同程度)、でした。
直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(14,842人:17%減少)、ロシア連邦(5,469人:同程度)、メキシコ(3,689人:13%増加)、ブラジル(3,727人:10%増加)、イラン・イスラム共和国(2,967人:23%減少)、でした。
9月28日時点で、懸念すべき変異株(VOC)が確認されている国・地域の数は、アルファ株193(同前週)、ベータ株142の(同前週)、ガンマ株96(同前週)、デルタ株187(前週比+2)で、それぞれ報告されています。
図1 2021年9月26日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2021年9月26日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数
新規死亡者数は約5万5,000人が報告され、こちらも前週に引き続いて減少しました。アフリカ地域を除く5地域で減少し、世界全体では前週から10%減少しました。減少した5地域のうち、ヨーロッパ地域を除く4地域(アメリカ地域、東地中海地域、東南アジア地域、西太平洋地域)は、15%以上の大幅な減少となりました。減少幅が最も大きかったのは、西太平洋地域の24%でした。
現時点で報告されている全世界の累積感染者数は2億3,100万人を超え、累積死亡者数は470万人を超えています。
人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは、アメリカ地域(124.6人)とヨーロッパ地域(117.6人)で、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは、アメリカ地域(2.3人)とヨーロッパ地域(1.6人)でした。いずれも、前週と同地域でした。
直近1週間における新規感染者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(765,827人:31%減少)、ブラジル(247,397人:135%増加)、イギリス(230,494人:14%増加)、インド(204,582人:同程度)、トルコ(192,778人:同程度)、でした。
直近1週間における新規死亡者数が多い上位5か国は、アメリカ合衆国(14,842人:17%減少)、ロシア連邦(5,469人:同程度)、メキシコ(3,689人:13%増加)、ブラジル(3,727人:10%増加)、イラン・イスラム共和国(2,967人:23%減少)、でした。
9月28日時点で、懸念すべき変異株(VOC)が確認されている国・地域の数は、アルファ株193(同前週)、ベータ株142の(同前週)、ガンマ株96(同前週)、デルタ株187(前週比+2)で、それぞれ報告されています。
図1 2021年9月26日時点の週別・WHO管轄地域別のCOVID-19感染者数及び世界の死亡者数の推移
表1 2021年9月26日時点のWHO管轄地域別の新規・累積COVID-19確定症例数及び死亡者数
WHO管轄地域別の概況
アフリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は87,135人、新規死亡者数は2,536人でした。前週と比較して、新規感染者数は12%減少し、新規死亡者数は5%増加しました。感染者数は7月初旬にピークを迎えた後、3か月連続して減少していますが、死亡者数は依然として増加しています。この地域の約3分の1(14国・地域:29%)が感染者の増加を報告しており、その範囲は17〜61%となっています。この地域の特異性が強調されています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名
新規感染者数
人口10万人当たりの
新規感染者数 前週との比較
新規感染者数 前週との比較
タンザニア連合共和国
24,307人
記載なし
記載なし
南アフリカ共和国
15,627人
26.3人
40%減少
エチオピア
8,842人
7.7人
5%減少
新規死亡者が多い上位3か国
国名
新規死亡者数
人口10万人当たりの
新規死亡者数 前週との比較
新規死亡者数 前週との比較
南アフリカ共和国
885人
1.5人
35%減少
タンザニア連合共和国
664人
記載なし
記載なし
エチオピア
254人
1.0人未満
22%増加
アメリカ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は1,273,971人、新規死亡者数は23,890人でした。前週と比較して、新規感染者数は14%減少し、新規死亡者数は10%減少しました。感染者数と死亡者数は減少傾向にあるものの、地域全体の疫学的状況は7月中旬の急増以降、大きく改善していません。地域全体の患者発生率は減少傾向を示している一方で、ドミニカや仏領ギアナなどの一部の国々では、感染者数と人口10万人当たりの患者発生率が増加しています。特に、ドミニカでは、前週は人口10万人当たりの新規感染者数は361人でしたが、今週は610人と大幅に増加しました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名
新規感染者数
人口10万人当たりの
新規感染者数 前週との比較
新規感染者数 前週との比較
アメリカ合衆国
765,827人
231.4人
31%減少
ブラジル
247,397人
116.4人
135%増加
メキシコ
66,132人
51.3人
13%増加
新規死亡者が多い上位3か国
国名
新規死亡者数
人口10万人当たりの
新規死亡者数 前週との比較
新規死亡者数 前週との比較
アメリカ合衆国
12,312人
3.7人
17%減少
メキシコ
4,165人
3.2人
13%増加
ブラジル
4,090人
1.9人
10%増加
東地中海地域
直近1週間で確認された新規感染者数は209,329人、新規死亡者数は4,284人でした。前週と比較して、新規感染者数は17%減少し、新規死亡者数は16%減少しました。地域全体の患者発生率は1か月以上減少を続けており、新規感染者数が多い上位3か国の大幅な減少傾向が反映されています。この上位3か国が、地域全体の新規感染者数の69%を占めています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名
新規感染者数
人口10万人当たりの
新規感染者数 前週との比較
新規感染者数 前週との比較
イラン・イスラム共和国
110,868人
132.0人
17%減少
イラク
18,923人
47.0人
26%減少
パキスタン
15,627人
7.1人
21%減少
新規死亡者が多い上位3か国
国名
新規死亡者数
人口10万人当たりの
新規死亡者数 前週との比較
新規死亡者数 前週との比較
イラン・イスラム共和国
2,281人
2.7人
23%減少
パキスタン
389人
0.2人
18%減少
モロッコ
302人
0.8人
12%減少
ヨーロッパ地域
直近1週間で確認された新規感染者数は1,097,735人、新規死亡者数は14,638人でした。前週と比較して、新規感染者数は1%減少し、新規死亡者数は1%減少しました。地域全体の新規感染者数は、2か月以上5%未満の変化の範囲内で変動していますが、各国の状況は安定しておらず、異なる傾向が報告されています。例えば、ルーマニアとセルビアでは感染者が急激に増加しており、イスラエルでは感染者の減少が1か月間続いています。死亡者数は、7月中旬から8月下旬にかけて徐々に増加していましたが、この1か月間は横ばい状態が続いています。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名
新規感染者数
人口10万人当たりの
新規感染者数 前週との比較
新規感染者数 前週との比較
イギリス
230,494人
339.5人
14%増加
トルコ
192,778人
228.6人
5%増加
ロシア連邦
145,985人
100.0人
8%増加
新規死亡者が多い上位3か国
国名
新規死亡者数
人口10万人当たりの
新規死亡者数 前週との比較
新規死亡者数 前週との比較
ロシア連邦
5,682人
3.9人
4%増加
トルコ
1,577人
1.9人
8%減少
イギリス
958人
1.4人
4%減少
東南アジア地域
直近1週間で確認された新規感染者数は344,305人、新規死亡者数は5,249人でした。前週と比較して、新規感染者数は10%減少し、新規死亡者数は20%減少しました。地域内10か国のうち8か国において、感染者の減少が数週間続いています。また、地域内7か国において、死亡者数の減少が報告されており、特にネパールとインドネシアは、それぞれ38%、37%と顕著な減少を示しました。前週に増加傾向を示したモルディブと東ティモールは、いずれも同程度の死亡者数を報告しており、さらなる増加傾向には至りませんでした。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名
新規感染者数
人口10万人当たりの
新規感染者数 前週との比較
新規感染者数 前週との比較
インド
204,582人
14.8人
同程度
タイ
85,143人
122.0人
10%減少
インドネシア
17,250人
6.3人
25%減少
新規死亡者が多い上位3か国
国名
新規死亡者数
人口10万人当たりの
新規死亡者数 前週との比較
新規死亡者数 前週との比較
インド
2,080人
1.0人未満
同程度
インドネシア
999人
1.0人未満
37%減少
タイ
905人
1.3人
10%減少
西太平洋地域
直近1週間で確認された新規感染者数は378,919人、新規死亡者数は5,233人でした。前週と比較して、新規感染者数は15%減少し、新規死亡者数は24%減少しました。地域全体の感染者は1か月減少を続けていますが、シンガポール(63%増)、ラオス人民民主共和国(62%増)など、地域内26か国中5か国(19%)において、患者発生率が増加しています。地域全体の死亡者は顕著に減少しましたが、シンガポール、ニューカレドニア、モンゴル、中国では、前週と比較して100%以上増加しました。
新規感染者が多い上位3か国
新規死亡者が多い上位3か国
新規感染者が多い上位3か国
国名
新規感染者数
人口10万人当たりの
新規感染者数 前週との比較
新規感染者数 前週との比較
フィリピン
122,625人
111.9人
13%減少
マレーシア
102,255人
315.9人
16%減少
ベトナム
69,655人
71.6人
8%減少
新規死亡者が多い上位3か国
国名
新規死亡者数
人口10万人当たりの
新規死亡者数 前週との比較
新規死亡者数 前週との比較
マレーシア
2,092人
6.5人
21%減少
ベトナム
1,543人
1.6人
16%減少
フィリピン
822人
1.0人未満
49%減少
変異株の状況
2021年5月31日、WHOは、新型コロナウイルスの変異株に関する一般の人々の議論を促進するために、懸念すべき変異株(VOC)及び注目すべき変異株(VOI)の言いやすい・覚えやすい新たな呼称を発表しました(表2・表3)。
9月21日、VOIの イータ株(B.1.525)、イオタ株(B.1.526)、カッパ株(B.1.617.1)は、国や地域の関係者との協議、および9月13日のウイルス変異ワーキンググループとの協議を経て、最新の評価に基づき「旧VOI」に再分類されました。今後、これら3つの変異株は、監視を継続する変異株として評価は続きますが、いずれも世界的に検出報告数は減少しています。現時点では、他のVOCやVOIと比較して、公衆衛生上のリスクが減少していると評価されました。
VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(5月12日VOIから変更)
【VOIの呼称】
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(8月30日追加)
【監視を継続する変異株(旧VOI)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株(9月21日変更)
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株(9月21日変更)
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株(9月21日変更
表2 2021年9月28日時点の懸念すべき変異株(VOC)
表3 2021年9月28日時点の注目すべき変異株(VOI)
図2 2021年9月28日時点の懸念すべき変異株(VOC)の流行状況
9月21日、VOIの イータ株(B.1.525)、イオタ株(B.1.526)、カッパ株(B.1.617.1)は、国や地域の関係者との協議、および9月13日のウイルス変異ワーキンググループとの協議を経て、最新の評価に基づき「旧VOI」に再分類されました。今後、これら3つの変異株は、監視を継続する変異株として評価は続きますが、いずれも世界的に検出報告数は減少しています。現時点では、他のVOCやVOIと比較して、公衆衛生上のリスクが減少していると評価されました。
VOCやVOIの影響についての理解が進み、サーベイランスや対応の必要性が高まっていることから、WHOは定義を定期的に見直し、調整しています。変異株の最新の状況については、以下のページを新たに設けてとりまとめています。
SARS-CoV-2変異株の追跡
https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/
【VOCの呼称】
・イギリス由来の変異株(B.1.1.7)→ アルファ株
・南アフリカ由来の変異株(B.1.351)→ ベータ株
・ブラジル由来の変異株(P.1)→ ガンマ株
・インド由来の変異株(B.1.617.2)→ デルタ株(5月12日VOIから変更)
【VOIの呼称】
・ペルー由来の変異株(C.37)→ ラムダ株(6月14日追加)
・コロンビア由来の変異株(B.1.621)→ ミュー株(8月30日追加)
【監視を継続する変異株(旧VOI)】
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.427/B.1.429)→ イプシロン株(7月6日変更)
・ブラジル由来の変異株(P.2)→ ゼータ株(7月6日変更)
・フィリピン由来の変異株(P.3)→ シータ株(7月6日変更)
・複数国由来の変異株(B.1.525) → イータ株(9月21日変更)
・アメリカ合衆国由来の変異株(B.1.526)→ イオタ株(9月21日変更)
・インド由来の変異株(B.1.617.1)→ カッパ株(9月21日変更
表2 2021年9月28日時点の懸念すべき変異株(VOC)
表3 2021年9月28日時点の注目すべき変異株(VOI)
図2 2021年9月28日時点の懸念すべき変異株(VOC)の流行状況
出典
COVID-19 Situation reports
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 28 September 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---28-september-2021
COVID-19 Weekly Epidemiological Update: 28 September 2021
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---28-september-2021