2014年10月20日更新 カリブ海諸国におけるチクングニア熱の患者の発生状況について (更新14)
チクングニア熱は、死亡することは稀で、蚊によって感染するウイルス性疾患です。チクングニア熱の症状には、発熱、頭痛、強い関節痛(足首や手首)がみられ、関節痛は数週間続くことがあります。感染した蚊に刺されてから4日から7日後に症状が現れます。
10月17日付けで公表された汎米保健機構(PAHO)の情報によりますと、カリブ海諸国でチクングニア熱の患者が増加しています。
カリブ海諸国におけるチクングニア熱の流行は、2013年12月6日にカリブ海のサン・マルタン(セント・マーチン)島のフランス領で報告されました。これは、アメリカ大陸において、初めて地域内感染が確認された事例です。
10月17日時点における患者の発生状況は以下のとおりです。
国・地域 報告週
国内感染例a
輸入例 発生率b 死亡者数
疑い例 確定診断例 確定診断例
北米
バーミューダ 0 0.0 0
カナダ Week32 0 8 0.0 0
メキシコ Week38 6 0.0 0
アメリカ合衆国 Week42 11 1,371 0.0 0
小計 11 1,385 0.0 0
中米
ベリーズ 0 0.0 0
コスタリカ Week39 1 16 0.0 0
エルサルバドル Week36 16,389 54 259.4 0
グアテマラ Week40 424 49 3.1 0
ホンジュラス 0.0 0
ニカラグア Week41 1 24 0.0 0
パナマ Week39 10 17 0.3 0
小計 16,813 115 57 37.6 0
ヒスパニック系カリブ海諸国
キューバ Week42 20 0.0 0
ドミニカ共和国 Week38 486,306 84 4,675.0 6
フランス領ギアナ Week39 4,860 3,753 3,459.0 0
グアドループ Week39 79,810 430 17,218.9 59
ハイチ Week28 64,695 14 627.2 0
マルティニーク Week39 66,440 1,515 52,273.1 69
プエルトリコ Week38 11,853 2,591 26 391.6 3
サン・バルテミー島 Week39 1,025 142 13,112.4 0
セント・マーチン島(フランス領) Week39 4,240 793 1,977.7 3
小計 719,229 9,322 46 140
アンデス地域
ボリビア Week29 0 3 0 0
コロンビア Week42 13,458 168 21 28 0
エクアドル Week40 0 1 0 0
ペルー Week42 0 7 0 0
ベネズエラ Week38 841 328 70 4 0
小計 14,299 496 102 11 0
南米
アルゼンチン Week38 14 0.0 0
ブラジル Week41 173 37 0.1 0
チリ Week22 0 2 0 0
パラグアイ Week27 0 1 0 0
小計 0 173 54 0 0
その他のカリブ地域
アンギラ Week31 38 2 237.5 0
アンティグア・バーブーダ Week38 1,249 18 1,407.80 0
アルバ Week40 104 22 12 115.6 0
バハマ Week37 79 4 21.0 0
バルバドス Week40 445 40 8 167.8 0
ケイマン Week40 20 3 370. 0
キュラソー Week35 607 58 7 452.4 0
ドミニカ国 Week40 3,566 171 5,119.2 0
グレナダ Week37 1,627 26 1,502.7 0
ガイアナ Week31 76 9.5 0
ジャマイカ Week40 325 57 2 13.7 0
モントセラト Week39 2 4 120.0 0
セントクリストファー・ネイビス Week21 31 28 115.7 0
セントルシア Week35 214 120 204.9 0
セントビンセント・グレナディーン Week23 329 67 384.5 0
セント・マーチン島 (オランダ領) Week35 372 930.0 0
スリナム Week39 836 14 155.1 1
トリニダード・トバゴ Week38 93 3 6.9 0
タークス・カイコス諸島 Week28 10 7 20.8 0
ヴァージン諸島 (イギリス) Week19 20 62.5 0
ヴァージン諸島 (米国) Week39 902 55 2 911.4 0
小計 9,401 2,210 64 159.6 1
総計 759,742 12,327 1,708 80.1 141
- a診断の定義はhttp://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_download&Itemid=&gid=23978&lang=enを参照してください。
- b発生率は人口10万人あたりの発生数
カリブ海諸国に渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。
蚊に刺されないための対策
- 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
- 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
- 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
- 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。
心配な場合には早めの受診を
- 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
- また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
- 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。
感染症情報:チクングニア熱
出典
PAHO
Number of Reported Cases of Chikungunya Fever in the Americas,by Country or Territory2013-2014(to week noted), Epidemiological Week/EW42 (update 17 October 2014 )
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_download&Itemid=&gid=27697&lang=en