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ERCA 独立行政法人 環境再生保全機構

コラム

Q ぜん息を持っている子が学校で運動する場合、どのように対応したらいいか、注意する点などを教えていただけますか?

ぜん息児童・生徒に対して、運動時にぜん息症状が起こるかどうかを質問すると、約60%の人が起こると回答します。その程度はまちまちですが、ぜん息症状がコントロールされていない人ほど、運動誘発ぜん息は強く起こります。
運動誘発ぜん息は、ぜん息治療薬を的確に用いることによって誘発される症状を軽くすることができますが、適切な運動を続け、心肺機能を高めることによってさらによい改善が得られます。
運動誘発ぜん息があるぜん息児童、生徒に対して、学校において体育やスポーツの指導をどのように行えばよいかは以下を参考にしてください。

1.事前の情報収集

本人または保護者から次の点を確認。

  1. 1遊びやスポーツで走ったり、激しく運動したときに、せきが出たりゼーゼーすることがあるか否かについて。
  2. 2運動開始前に、運動誘発ぜん息を予防するために薬を使用しているか否かについて。
  3. 3運動誘発ぜん息が起こる児童、生徒の場合、起こったときに腹式呼吸などで自分で対処ができるか否かについて。
1.事前の情報収集のイメージ

2.運動誘発ぜん息を起こしやすい児童、生徒の運動指導

  1. 1当日の発作状況と参加時の症状を確認する。(ふだんからピークフローを測定していると客観的に判断しやすい)
  2. 2運動前に運動誘発ぜん息の予防薬を使用するように指示されている人には、使用の有無を確認。
  3. 3空気が冷たく乾燥している冬季の運動の際には、マスク着用で運動誘発ぜん息予防効果がある。
  4. 4急に本番の運動をしないで、準備運動を十分にする。(準備運動の段階で軽い運動誘発ぜん息を生じさせ、改善させておくと本番の運動で運動誘発ぜん息が起きにくい)
  5. 5速度を控えめにして、競争せずにマイペースで行うよう指導。(他の生徒からサボっていると誤解されないように配慮)
  6. 6緩急をつけたり、運動と休息をくり返す運動方法をとり入れるとよい。
  7. 7症状が出はじめたら、軽いうちに運動を中止して呼吸を整える。(15分ほどで回復するので、回復したら再開可能)
2.運動誘発ぜん息を起こしやすい児童、生徒の運動指導のイメージ

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