環境庁が、昭和50(1975)年に兵庫県芦屋市・西宮市の国道43号線・阪神高速道路及び川崎市の東名高速道路東京料金所周辺で30歳から60歳までの主婦を対象とした調査で、昭和52(1977)年に公表されました。
調査方法はBMRC方式で実施されたが、同時に自動車騒音や自動車排ガス中の鉛による汚染を考慮した調査項目が追加された。
この調査では道路端からの距離によって地区を50m以内の地区(沿道)と150m以上の地区(後背)に分割し、両者を比較するというデザインで実施された。
また、川崎地区ではさらに東名高速道路の北側と南側の2地区に分けて解析された。
この道路からの距離によってゾーニングして健康影響を調べるという調査デザインは、その後の多くの沿道調査で採用されることとなった。
調査対象者数は、兵庫地区では849名、川崎市では792名であった。
この調査結果については、全体として沿道で有症率が高い傾向がみられるが、川崎地区北側の沿道と後背の差のみが統計的に有意であった。 また、この調査では暖房の種類(排気型・非排気型)による有症率の違いが検討され、室内空気汚染の重要性に対する認識が広まってきていたことを示している。