(エコドライブ10のすすめ(6))
寒冷地などの特別な環境以外では、現在販売されているガソリン車での暖機運転は必要ありません。走りながらエンジンを暖めるウォームアップ走行で十分対応できます。また、5分間暖機運転すると約160ccの燃料を消費し、NOx、PM、CO2を排出します。エンジンをかけたら、暖機運転をせずにすぐ出発するよう心がけましょう。
エンジン始動後は、すぐに出発!
出発前に暖機運転を行うことで、NOx、PM、CO2の排出量に与える影響を調べました。試験車はガソリン車2台、ディーゼル車2台。いずれも12時間エンジンを停止した後に、暖機運転を行った場合と行わなかった場合を調べたものです(図9)。
走り出してから停止するまでの走行時間と速度での排出量を暖機運転の有無で比べたところ、暖機運転を行わない場合はどの車種においてもNOx、PM、CO2の排出量が低減することがわかりました。
次に、暖機運転の有無で大気汚染物質の排出量がどれくらい低減したかを調べました。ガソリン車のCO2排出量は、約6%低減。ディーゼル車では、NOxが約9%、PMが約8%、CO2の排出量が約14%低減することが確認されました(図10)。
暖機運転有無別の走行イメージ
注) 試験は公定モード(ガソリン車JC08モード※(注記)1、ディーゼル車JE05モード※(注記)2)でそれぞれ1回ずつ実施しました。
※(注記)1 JC08モードは、1リットルの燃料で何km走れるかを測定する燃費測定方法。暖機前にスタートするコールドスタートも測定対象に入っています。
※(注記)2 JE05モードは、最近の都市内走行の平均的走行パターンをもとに、アイドリング、細かな加減速走行を組み合わせたモード。
暖機運転未実施による平均低減率
注1) 試験台数は、ガソリン車2台(軽乗用車、1.5L) 、ディーゼル車2台(2t積、4t積)。
注2) ガソリン車のNOxとPMの排出量は微量であるため、グラフ化していません。
注3) ディーゼル車のグラフの値は、台数に応じた平均値です。
注4) DPF(排気ガスに含まれる粒子状物質を減少させる装置)を装着したディーゼル車1台のPMの排出量は微量であるため、残り1台の結果を表記。
注5) エンジンの冷却状態および外気温・湿度により、試験結果は異なる可能性があります。
注6) 暖機時間はガソリン車で最大7分30秒、ディーゼル車で最大25分程度実施。