公害健康被害補償・予防の手引

問22 特定賦課金

特定賦課金とはどういうものですか。

特定賦課金とは、水俣病やイタイイタイ病のような特異的な疾病にかかっている者に対する補償給付に必要とされる費用に充てるために、疾病の原因となる物質を排出した事業者から賦課徴収するものをいいます。
水俣病やイタイイタイ病は、大気汚染による疾病と異なり、個々の疾病と原因物質との因果関係は相当明らかなものですので、その費用については、指定疾病に影響を与える水質汚濁等の原因をなした事業者に個々に賦課していくこととなっています。

特定賦課金については、次の3つの要件を満たす事業者が納付することとなります(この者を「特定施設等設置者」と呼んでいます。)。

  1. 当該疾病に影響を与える大気の汚染又は水質の汚濁の原因である物質を排出したこと。
  2. 排出した物質が指定地域の大気の汚染又は水質の汚濁の原因となっていること。
  3. 大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設や特定施設、水質汚濁防止法に規定する特定施設を設置していること(過去に施設を設置していて、現在はその施設を設置していないものも含まれます。)。

この要件を満たす特定施設等設置者が複数存在するような場合は、補償給付に必要な額をそれぞれの汚染の原因の程度に応じて分割した額を納付することとなります。
特定賦課金については、申告納付の方法式はとられておらず、環境再生保全機構において、個々の指定地域ごとの事情を調査した上、納付義務者を特定しその賦課金の額を決定して、納入告知書によって通知を行うこととなっています。

このページの先頭へ

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /