広島・黒原 来季は勝利の方程式に 3年目初昇給で年俸3400万円「母親に『ほしいものないか』と連絡」
広島・黒原拓未投手(24)が26日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2000万増の年俸3400万円でサインした。春先は先発だったが、中継ぎ陣の一角を担って自己最多の53試合に登板。4勝3敗3ホールド、防御率2・11と安定感が光った。来季に向けて、勝利の方程式入りを描いた。(金額は推定)
全力で戦い抜いたシーズンは、当初描いた形ではなかった。それでもチームに欠かせぬ存在になれた事実は変わらない。プロ3年目で初の昇給を勝ち取った黒原は「中継ぎでシーズンを終えるなんて想像もしていなかった。ひとまず1年間1軍に帯同できたことは、今後の糧になる。この経験を成長につなげたい」と向上心を燃やした。
森下の代役として、開幕2戦目の先発を託された今季。4月12日から中継ぎに回ると、試合を重ねるごとにたくましくなった。ビハインドの場面や接戦時で安定感を発揮。来季はさらにタフな展開で腕を振ることに意欲を示す。「そこ(勝利の方程式)を目指したい。今年は何度か、そういう展開で投げさせてもらったけど失敗している。来年は自分で奪い取れるように」と鼻息は荒い。
今季は59回2/3を投げて67奪三振で、奪三振率は10・11。「走者をかえしたくない場面や、犠飛も嫌な場面で三振を取れるのは強み。そこは今後も伸ばしていきたい」。勝利の方程式の一員となるべく、自らのストロングポイントを押し出す。
増額分の使い道には「本当に両親にもお世話になった。先日、母親に『家でほしいもの、困っているものはないか』と連絡した。何か家族に恩返しできたら」と孝行息子としての顔をのぞかせた。「一人一人がライバル。自分のポジションを勝ち取っていきたい」と黒原。名前の通り、その左腕で未来を切り開く。