◇23日 大相撲九州場所14日目(福岡国際センター)
目の前で琴桜が1敗を守った。それを見届けた豊昇龍はゆっくりと結びの土俵へと上がった。
「そのへんは特に意識してなかったんで。自分のことにしっかり集中してました」
豊昇龍(左)がつり出しで霧島を下す
霧島とは不戦勝を含めて9勝9敗の五分。全力で集中する。最後の仕切りで眉をつり上げ、気迫の表情で霧島に対峙(たいじ)した。
その気迫をそのままぶつけ、もろ差しから軽々と霧島をつり上げる力強い内容。琴桜に一歩も譲らず千秋楽での相星決戦に持ち込んだ。
今場所は土俵を下りると、一転して淡々と振り返っている。相星決戦に対しても「いいんじゃないですか。ぼくはあまり気にしてないんで。一日一番集中して」。自己最多の13勝目にも「意識してません。まだ場所が終わってないので、しっかり集中していきます」と穏やかに答える。
「優勝を意識して負けた場所がけっこうあるんで」。2年前の九州場所では、11日目を終えて単独トップに立ちながら12日目から3連敗。「何回もそうやって逃してるんで」。これまでの経験を糧として、自然体で千秋楽を迎える。
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