◇22日 大相撲九州場所13日目(福岡国際センター)
大関琴桜(27)=佐渡ケ嶽=が平幕隆の勝(30)=常盤山=を上手投げで下し、豊昇龍(25)=立浪=は大の里との大関対決をとったりで制し、1敗を守った。隆の勝は3敗に後退し、2敗が消えた。優勝争いは、千秋楽で琴桜と豊昇龍の対戦が予想されるため、事実上2大関に絞られた。
豊昇龍(左)が取ったりで大の里を破る
札止めの館内から「大の里コール」が湧き起こった。完全アウェー。そんな状況が豊昇龍の闘争心に火をつけた。
鋭く踏み込み前に出たが、馬力に勝る新大関に押し返される。俵に足がかかった。万事休すかと思われたが、上体をそらしながら大の里の腕をつかむ。決まり手は「とったり」。負けた大の里が思わず苦笑いの逆転劇だった。
「押して、押して、押して相撲を取りたかったんですけどね。とにかく勝ててよかったです。しっかり集中してやりました。体が反応できてよかった」
思い通りとはいかなかったが大きな白星。これで優勝争いは事実上、琴桜と2人に絞られた。
「相変わらず大の里のコールが多かったね。きのうの正代戦(ご当所の熊本県出身)もそうだったし」
アウェーには慣れっことばかり、豊昇龍はそれを「まったく気にしてない」と言い切った。ただ、大の里コールに交じって聞こえてきた自分への声援を、しっかり力に変えていた。
「『豊昇龍!』って聞こえてきたから。やってやるぞってなりましたよね」
12勝は大関昇進を決めた昨年名古屋場所に並ぶ自己最多。残り2日。大関初優勝で、最後は館内の歓声を独り占めしてみせる。
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