商工会議所による災害に強い企業とまちづくりへの取組【東京商工会議所】
特徴
1. 地域経済団体による災害に強い企業とまちづくり等を目指した取組である。
2. 中小企業が多くを占める会員事業者における災害対策の現状の把握ならびにBCP(事業継続計画)策定の啓蒙・普及に努めている。
概要
東京商工会議所では、事業者の立場から地域防災力向上に必要な政策・施策・活動について検討するため、「災害に強いまちづくり専門委員会」を設置し、会員事業者の災害対策に関するアンケートを実施した。その結果を受けて、まずは中小企業における対策の遅れに対処する必要性を重視し、「中小企業のBCP(事業継続計画)策定推進研究会」を設置し、東京版「中小企業BCPステップアップ・ガイド」を取りまとめ、中小企業における災害に対する意識の啓蒙、BCP策定等具体的な対策の推進に向けた取組をおこなっている。
目的
1. 中小企業における災害に対する意識の啓蒙
2. BCPの策定等中小企業における具体的な対策の推進
経緯及び活動状況
1. 東京商工会議所は、東京23区を活動範囲とし、2010年4月現在の会員数は77,247件である。会員事業者は、中小企業が多くを占める。
2. 東京商工会議所では、各種委員会を設置し、様々な政策課題の検討を行っており、その中の1つである「コミュニティ再生委員会」(現・まちづくり委員会)において地域コミュニティの再生等をテーマに検討を行ってきた。
3. 自然災害の多発による防災機運の高まりを受けて、「災害に強いまちづくり専門委員会」を設置し、中小企業の実態を把握するためアンケートを実施(2006年4〜5月)、中小企業の災害に対する認識と実際の取組にギャップがあることから、「中小企業のBCP(事業継続計画)策定推進研究会」を設置し、東京版「中小企業BCPステップアップ・ガイド」(2007年12月)を取りまとめた。※(注記)2009年12月に第2版を発行
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4. 現在、同ステップアップ・ガイドの配布、ホームページでの公開などを通して、広く周知を行うとともに、実務者を対象としたBCP策定研修会を実施するなど、中小企業における取組を推進している。
東京版「中小企業BCPステップアップ・ガイド」
../../../tolink/out585.html 5. 2009年度には東京都産業労働局、(財)東京都中小企業振興公社と連携し、「災害・事故・感染症等対策(BCP)に関するアンケート調査」を実施。
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6. その他、東京商工会議所では、企業における危機管理対策支援の観点から以下のような事業を行っている。
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(1)新型インフルエンザ対策ガイドラインによる事業所対策の啓蒙・普及
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(2)危機管理対応サポートサービス(会員限定)
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<参考1>会員事業者の災害対策に関するアンケート結果概要
(1)調査期間:2006年4〜5月
(2)調査対象:都内会員企業3,110社
(3)回答数:697社(回収率22.4%)
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(4)主な調査結果
地震など自然災害に対する危機意識は約9割と高い。
主要な建物の約5割は旧耐震基準、その6割は耐震補強を行っていない。
約6割の企業が防災用の備蓄を現時点で行っていない。
BCP(事業継続計画)の策定企業はわずか5%。(※(注記)中小企業は1%未満)
地域への支援については約8割の企業が前向き。しかし、具体的な支援活動には必ずしも結びついていない。
<参考2>災害・事故・感染症等対策(BCP)に関するアンケート調査概要
(1)調査期間:2009年7月?9月
(2)調査対象:東京商工会議所及び財団法人東京都中小企業振興公社の会員企業7,000社
(3)回答数:2,025社(回収率29.6%)
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(4)主な調査結果
BCPを策定しているとする企業は「重要業務の選定」で7.9%、「災害・事故発生時の目標復旧時間の設定」で3.6%、「感染症流行時の人員計画」で3.9%と、項目ごとに策定状況に幅がみられた。
計画策定上の課題として「策定に必要な情報の不足」(49.7%)、「人的余裕」、(45.8%)「費用の確保」(33.7%)が挙げられた。
「利害関係者からのBCP策定要請」について「取引先」から要請があると回答した企業が15.4%、一方で半数以上(52.1%)の企業が今後取引先から要請があると認識しており、今後、BCPの策定率上昇が見込まれる。
団体名 | 東京商工会議所 | |
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連絡先 | 住所 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-2-2 |
担当 | 地域振興部 | |
電話番号 | 03-3283-7658 | |
chiiki@tokyo-cci.or.jp | ||
URL | ../../../tolink/out586.html |
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