東日本大震災(平成23年3月)
従業員は解雇せず 〜あきらめないで会社再開〜
気仙沼市 50代 男性 電装会社社長
[画像:従業員は解雇せず 〜あきらめないで会社再開〜のイラスト]
インタビュー日:2012年9月24日
私は、電装会社を経営しています。震災後はがれきで道路が遮断されて、自衛隊以外は立入禁止という状態だったので、会社には4日後に行くことができました。
この仕事は一人前になるのにだいたい10年はかかります。従業員は解雇という形をとり、失業保険をもらってもらうということも考えましたが、一度解雇してしまったら次の採用は大変です。一人娘を亡くした人、母親を亡くした人と被災した従業員はおりましたが、幸い従業員は全員無事でしたので、当座の資金として10万円を支給して、会社を再開する決心をしました。
当面は、電気が通じなかったので、10時から12時までの営業です。発電機を知り合いから借りて川から水のくみだしをして、会社の泥かきから始めました。
4月に入り、モーターを直してほしいという依頼があちこちから入るようになりました。モーターを直すには、分解した部品を真水で煮沸しなくてはなりません。ヒーターも必要になります。そんなとき、横浜の同業者から無期限で非常用発電機の貸出しの話が飛び込み、4tトラックで運んでいただきました。水産庁からも補助金が出て、運転資金はかなり助かりました。
とにかくあきらめずにやっていけば、何とかなるものだと思いました。
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