とにかく明かりがほしかった〜団員で持っていたのは5人だけ〜

東日本大震災(平成23年3月)

とにかく明かりがほしかった〜団員で持っていたのは5人だけ〜

宮古市 50代 男性 消防団員

[画像:とにかく明かりがほしかった〜団員で持っていたのは5人だけ〜のイラスト]
インタビュー日:2012年9月9日

盛岡から田老に戻ってきてから、普通に歩けば10分ぐらいで行ける場所まで、1時間以上はかかって団のみんなのところに向かいました。国道は通れないので、防潮堤の上を歩きました。上には防潮林の松や電柱、漁具があって、とても普通に歩ける状態じゃないので、はったり、越えたり。持っていたポケットライトが命綱でした。

明かりはとにかくほしかったですね。懐中電灯の不足はすごく感じました。夜の救助活動のときも、20数人いる団員のうち、明かりを持っていたのは5人程度ですから。

また、捜索が終わって午後7時から、報告と打ち合わせの会議のために総合庁舎に行くのですが、行き来は電気もない三陸鉄道のトンネルの中を1人で歩くことになる。あの寂しさといったらなかったですね。

ヘルメットに付けられるヘッドライトは良かった。両手の自由がきくから仕事するときは楽。懐中電灯はどうしても持って歩かなきゃならないから。他の人が、流された軽トラックからヘッドライトを見つけて使っていたのはうらやましかったですね。被災した家の中に、常備灯のような懐中電灯の明かりがついていたりしたのですが、さすがによそのうちを持ってくるのは悪いような気して、置いてきました。今にして思えば、持ってくれば良かったなと何回も思うんですが。

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