「商店街のメンバーで帰宅困難者に炊き出し」

東日本大震災(平成23年3月)

商店街のメンバーで帰宅困難者に炊き出し
〜心も温まったフカヒレスープ〜

(東京都豊島区 40代 男性 自営業)

震災の次の日は土曜日で、商店街ではイベントを予定していました。フカヒレスープを販売するというものです。でも、夜7時前には、この状態でイベントをやっている場合じゃないと判断して、炊き出しとして帰宅困難者の方々に提供しようということになりました。

ところが、メンバーを集めようにも携帯電話がつながらない。近所の家に行ってチャイムを鳴らして回って集まった10人ぐらいで炊き出しの準備を始めました。いつもなら、イベントではガスコンロを持っていって現場で作るのですが、それでは時間がかかりすぎる。そこで、和菓子屋さんの厨房を借りて、寸胴鍋2杯分のフカヒレスープを作ったのです。

販売するときには丼で出す予定でしたが、より多くの人に飲んでもらいたいので、紙コップで提供することにしました。商店街の入り口にある広場で、夜の9時から配り始めて11時まで、用意した400杯は2時間でなくなってしまいました。あの日は寒かったから、皆さんとても喜んでいました。

たまたま次の日がイベントだったおかげで、食材があってよかったです。遠くまで歩いて帰る人たちの助けに、少しでもなれてよかったと思います。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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