「網の目フェンスにゴミが詰まって水はけず」

福岡水害(平成15年7月)

網の目フェンスにゴミが詰まって水はけず
〜まるでビーバーのダムみたい〜

(福岡市 60代 男性 消防団員)

御笠川の上流で1時間100ミリの豪雨を記録したということでね。その川が源流から河口まで非常に短いことは承知していたし、上流で大雨が降れば即洪水になるっていう理屈は聞いとったけど、体験したのは初めて。早朝の4時過ぎに川が溢れ出してからは、もう一気に、手のつけどころが無いというか、土のうなんかが全く役に立たないという状況でした。

川の堤防が決壊した地域では、約500戸の住宅に土砂が入り、消防団が現場にかけつけた時には乗用車が何十台も天井が少し見えるか見えないかぐらいに水没していて、車の中に人が入っているかどうかは、高い橋の上から見て確認しました。

その際こまったのは、人が落ちないように水路に沿って張られていた網状のフェンスに、流れてきた発泡スチロールやゴミなどがひっかかり、ビーバーがダムを作ったみたいになってしまったことです。水が全然はけず、フェンスの高さ1メートルぐらいまで水が溜まってしまい、消防団員が命綱をつけてゴミを取り除きました。

で、災害後に区役所と協議して、ゴミが詰まらないようフェンスの網の目部分を柵状のものに替えてもらいました。こういうことって、実際に体験してみて初めてわかることなんですよ。

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