平成30年北海道胆振東部地震・全道停電
特別支援学級の児童と「トランプしようね」と電話で安心伝える
40代 男性 小学校教員
私は、当時、特別支援学級の担任をしていました。地震の日、先進校の視察出張で東京に来ていましたが、学校へ連絡して状況を確認した後、保護者へ直接、電話をしました。特別支援学級の児童は、不測の事態が起きるとパニックを起こして、学校に来られなくなってしまうこともありますので。
何とか電話が繋がり、「すみません。今出張で東京にいますが、子ども達は心配してないですか?」と聞くと、「夜に揺れたので、ちょっと怖い、怖いと言っているんです」と保護者のお話でした。「ちょっと替わってもらえますか」と言って、児童に「先生だよ。大丈夫だよー。東京から帰ったらトランプしようね」と言葉を交わし、アニメの話などもして安心させるようにしました。
地震翌日の深夜に新千歳空港に帰ってくると、お土産屋さんの天井が崩落していたり、スプリンクラーの破損で水浸しだったりして、北海道を出た時とはまったく違っていて驚きました。
翌週、子ども達と学校で再会し、「怖かったけど大丈夫だったよ」、「ゲームをずっとやっていたんだ」とか、授業の時間を潰して1時間かけて話を聞き、「じゃあ、お勉強しますか」と日常に戻っていった感じです。
東京にいた時、北海道ではスーパーに牛乳やパンなどがないと聞いていたので、学校に帰ってパンなどを配ることができるかもしれないと、食料で旅行鞄をパンパンにして学校に持って行ったのですが、そのまま家に持ち帰って食べることになりました。