・199801:1998年(平成10年) 福島県豪雨
【概要】
(1)被害の概要
北日本から東日本にかけてほぼ同じ位置に停滞した梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れこみ、平成10年8月26日午前から中通り中・南部で強い雨が断続的に降り出し、一時弱まりを見せたが、27日1時ごろから南部を中心に激しい雨が断続的に28日4時頃まで降り続いた。その後小康状態に入ったが、29日7時頃から30日にかけて再び強い雨が断続的に降り続いた。このようにこの降雨は2つのピークを持っており、このため災害は長期間にわたった。
気象台の観測では、長沼で日降水量324ミリ(8/27)を記録し、また同地点での総降水量は688ミリ(8/26〜9/1)で平年の年降水量の53%に達した。
被害は中通り地方がほとんどを占め、人的被害は県南地方に、住家被害は県南及び県北地方に集中している。分野別の被害で見ると、いずれも中通り地方特に県南・県中地区に集中している。
また福祉施設で多数の犠牲者が出ており、福島県では前例のない災害となった。
太陽の国の5名を含め、死者11名のうち9名が土砂災害の犠牲者であった。
1人的・住家被害の状況
表1 被害状況
[単位:人的被害(人)、住家被害(棟)]
2分野別被害額
表2 被害額 [単位:千円]
【参考文献】
1) 福島県『平成10年8月末豪雨による災害の記録』平成11年3月。
図1 平成10年8月末豪雨 被害箇所図
(出典)福島県『平成10年8月末豪雨による災害の記録』平成11年3月
(2)災害後の主な経過
表3 災害後の主な経過(福島県の取組状況)
【参考文献】
1) 福島県『平成10年8月末豪雨による災害の記録』平成11年3月。
・災害対策本部は、復旧事業を行う上で庁内各部局による体制をとり対応にあたった。
表 主な災害復旧事業と担当部署(福島県)
【参考文献】
1) 福島県『平成10年8月末豪雨による災害の記録』平成11年3月。
○しろまる本災害では、事業全体を統括した復旧・復興計画は立案されていない。
○しろまる本災害における主な復旧事業は、【19980101】を参照。
○しろまる白河・公設地方卸売市場は、平成10年8月の豪雨により被害を受けた。このため、農林水産省の地方卸売市場施設整備事業と県の園芸蚕糸振興事業(卸売市場施設整備)による補助を受けて、約2億7,600万円をかけて卸売市場の復旧・復興工事が行われた。
写真 堀川が氾濫し浸水した公設市場(白河市)
(出典)福島県『平成10年8月末豪雨による災害の記録』平成11年3月