APUでは、剽窃や不適切な引用、データ等の捏造は不正行為であると位置づけています。試験での不正行為と同様、厳しい処分の対象となりますので、以下について正しく理解し、不正行為とならないよう注意してください。
剽窃とは
剽窃とは、他人の考えや言葉、著作権で保護された作品を、そのことを適切に示さずにあたかも自分のものであるかのように使用する行為です。これは、学術的誠実性の面や倫理的にも重大な違反であり、法的にも違法とされ罰金や懲役などの罰則を受ける可能性があります。(APUライティング・マニュアルを参照)
剽窃には、意図的なものと、過失により資料の元の出典を示さなかったものとがあり、以下のものを含みます:
- 本や雑誌、論文などの紙媒体
- ウェブサイト、電子メールの添付ファイル、電子ジャーナルなどのソフトコピーまたはデジタル資料
- その他、オーディオビジュアルなどのデジタル形式の資料(例:MP3、ビデオ)
- 講義やスピーチを含む対面/口頭のプレゼンテーション
剽窃となりうる例:
- 出典を正しく示さずに、考え、フレーズ、段落、数式、方法、論拠、プログラミングコード、図表、画像、作品、楽譜を模倣した場合
- 他の学生の作成したものを、出典を明記せずに模倣した場合
- 参考文献に出典を記載しているが、成果物の本文では内容を適切に参照していないため、客観的にどの部分を本人が作成したのか分からない場合
- 適切に出典を記載せずに、他の資料から引用した単語の順序を変えるだけで、元のアイデアや概念をそのまま用いている場合
- 講演者を明記せずにスピーチや講義を引用した場合
- 一次資料を明記せずに二次資料から引用した場合
他の学生の考えや文章を試験やポートにおいて使用した場合は、明らかに剽窃であり、大学では重大な事案として対処します。同様に、自分の考えや文章を他の学生に提供し、その提供を受けた学生の考えや文章とさせることも剽窃となります。剽窃は一種の窃盗行為ともいえます。これは学業上の不正行為かつ個人の誠実性の欠如であり、成績だけでなく、担当教員があなたの学業への取り組みをどう受け止めるかについても影響を与える可能性があります。
なぜ剽窃に注意する必要があるのか
学びにおいては、先行研究への敬意と自らの行動や判断に対する責任を持ち、倫理的に正しい方法で学習を進めることが「学問的誠実性」として求められており、それは学ぶ者の努力と成果が公正に評価されるための基盤となります。
適切な表示をせずに他の人の考えや言葉を模倣すること、あるいはそれらの言葉を自分の言葉として提示することは、単に不正行為の対象となるだけでなく、以下のような点で、学修者自身の不利益につながる重大な問題といえます。
- 剽窃は学習における学問的誠実性に反し、自分自身で考えて学ぶ機会を自ら放棄することであるため
- 剽窃とならないよう、文章に使用した出典を正しく示すことにより、成果物の内容が補強され主張もより説得力のあるものとなるが、剽窃をすることでその行為を放棄することになるため
- 将来の職業上のキャリアにおいて、剽窃をすれば職を失う可能性があり、さらには、卒業後に論文や学問上の成果物に剽窃が含まれることが発覚すれば、学位を剥奪されることもあるため
学業における不正行為とは
データの改ざん、他者の成果物を自分のものと偽ること、試験、レポート、小テストの不正行為、オンラインで素材を購入すること、他人の成果物の盗用、不適切な引用、データの捏造、許可なく別の科目において実質的に同一の成果物を提出することは、学業上の不正行為であり、重大な違反行為です。他の学生の不正行為や剽窃を認識しながら手助けすることも、学業上の不正行為とみなされます。
本学では、「立命館アジア太平洋大学教務規程」第72条において、学術的誠実性を維持し、公平・公正な学習環境で学ぶ環境を整えるため、試験等における不正行為を定めています。
不正行為が発覚した場合、以下を含む複数の処分を受ける可能性があります。
- 当該科目 F 評価
- 立命館アジア太平洋大学学生懲戒規程に基づく学生処分
生成AI利用と剽窃について
生成AI (例: OpenAI、ChatGPT、Google の Gemini、DeepSeek などのツールからのもの) が作成したものを、適切な引用や出典なしに使用することは剽窃とみなされます。また、生成AIのアウトプットそのものが著作権などの権利侵害に該当してしまう可能性があるため、生成されたコンテンツの信憑性や著作権侵害の有無について十分に確認することが重要です。
生成AI が他のソースから直接コピーしていない場合でも、生成AI の役割を認識せず、または 生成AI の使用を明示せずに完全に自身が作成したものとして提示することは、事実上、その出所を偽っていることになります。
AIツールは非常に便利で学習の手助けとなる一方で、学術的または専門的な成果物の作成において、そのようなツールがいつ、どのように使用されたかを明確に認識し、情報を確認することが、倫理的かつ責任ある利用をするために求められます。
剽窃とみなされないためには
以下の場合は剽窃とはみなされません:
- 考えや言葉が一般的に使われているものであり、それを表現する他の方法がない場合
- 実験や分析を通じて自分自身で発見した場合
- 自分自身の結論に到達するために、他の人の成果物や考えを組み合わせ、本文でそれらの情報源を示している場合
- 課題作成について生成AIの利用が認められており、引用表示が求められていない場合にその指示に従う場合。課題や科目によって、求められることや制限事項が異なる場合があるので、必ず担当教員の指示に従うこと
剽窃を防ぐには
基本的なルールは、他の人の言葉や考えをそのままもしくは要約して使用する場合は、常に著者と日付の引用と書籍の参照などを記載し、情報元の著者を示す必要があります。
- 引用と参照に関する国際的なガイドラインに従うこと ※(注記)アメリカ心理学会(APA)の形式に関する書籍(「Publication Manual of the American Psychological Association」など)は、APU デジタルライブラリーから入手が可能
- 他の人の言葉をそのまま使用する場合は、常に引用符で囲み、著者名と日付の引用(本文中)と出典を記載すること(参考文献リスト内)
- 他の人の言葉を自分の言葉で言い換えたり要約したりする場合は、必ず著者名と日付の引用(本文中)と出典を記載すること(参考文献リスト内)
- 他の人の考えに言及する場合は、必ず著者名と日付の引用(本文中)と出典を明記すること(参考文献リスト内)
- わからないことがあれば、担当教員に確認すること
剽窃を行った場合の大学の対応
剽窃は不正行為であり、剽窃に対しては不正行為に対する当該科目の処分に加えて「立命館アジア太平洋大学学生懲戒規程」に基づき、退学・停学・戒告などの学生処分が行われます。