盛土強靭化技術(透水性地盤改良)

近年、豪雨や地震などの自然災害の頻発化・激甚化により、河川堤防やため池などの堤体盛土の被害が増加しています。本技術は、堤体盛土を対象に止水性改良体と透水性改良体を組み合わせて配置することにより、豪雨と地震が概ね同時期に発生するような複合的な災害に対応できる技術です。

技術紹介動画

本技術は、河川堤防などの堤体盛土を対象に川表側法尻部に止水性改良体、川裏側法尻部に透水性改良体^※(注記)を配置することで、以下の効果により豪雨・地震に伴う不安定化を抑制します。

止水性改良体:堤体内への河川水の浸入や堤体法尻部の侵食を防ぎます。
透水性改良体:堤体内の浸透水を効率的に排水します。越水などによる堤体法尻部の侵食を防ぎます。

両側改良体:基礎地盤および堤体盛土の変形を抑制します。

盛土強靭化技術概要図

透水性改良体

※(注記)透水性改良体とは、透水性の高い砕石や砂などに水中不分離材と少量のセメントスラリーを混合して造成する優れた透水性とせん断強度を有する地盤改良体です。

遠心模型実験と数値解析により効果の検証を行っており、水位上昇時の堤体内水位の低下効果や地震時の変形抑制効果が確認できています。

模型概要図

加振後の変形形状

加振時の堤体天端沈下量

解析概要図

浸透流解析終了時の飽和度分布

動的解析終了時の変形形状

動的解析時の堤体天端沈下量