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[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

2003年度日本経団連規制改革要望

—さらなる規制改革の推進に向けて—

2003年10月21日
(社)日本経済団体連合会

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1.今後の規制改革の進め方

(1) 実需に裏付けられた個別規制改革要望の実現

我が国経済社会の喫緊の課題である構造改革の成果がようやくその萌芽を見せつつある中、この変化の兆しを本格的なパラダイムシフトに繋げていくためには、さらなる環境整備が必要である。経済のグローバル化が急速に進む中で、国際競争力の強化は時間との競争であることを踏まえ、「民間に出来るものは民間に任せる」ことを基本として、大胆かつ速やかに規制改革を推進する必要がある。
日本経団連では、産業競争力の強化や企業の創意工夫の発揮を促すため、毎年、ビジネス現場の実需に基づく具体的な規制改革要望を取りまとめ、政府・与党に強くその実現を働きかけてきた。これらの要望については、総合規制改革会議の精力的な活動などにより、進展が見られるものの、事業活動を取り巻く環境変化のスピードは速く、本年度実施した当会の規制改革アンケートには、会員企業から延べ1,207件もの要望が寄せられている。新規事業の円滑な推進や企業の国際競争力の強化を通じた経済活性化を図るため、実需に基づく個別規制改革要望を着実に実現していくべきである。

(2) 定期的かつ集中的な取組みの制度化

総合規制改革会議は、本年6月に構造改革特別区域推進本部と共に「規制改革集中受付月間」を実施し、原則として提出された全ての要望について、各省庁との折衝過程をホームページ上で公開するという画期的な手法を採用した。この手法は透明性が高く、実施期限を定めている点で実効性もあり、行政が国民からの要望に真摯に対応するシステムとして高く評価できるものであり、今後とも継続して実施すべきである。
去る9月19日に、全国規模の規制改革を行うものとして67項目が閣議報告されたが、これらについてはさらにフォローアップを行って来年3月末に取りまとめられる「規制改革推進3か年計画」に確実に盛り込んでいくと同時に、本年11月に予定されている規制改革集中受付月間第二弾についても、今回の経験や反省を踏まえ、より多くの規制改革について政府決定が行えるよう努めるべきである。

(3) 社会的規制に対する取組みの強化

総合規制改革会議が重点的に取組んできた官製市場の改革・開放については、事業者間の競争を通じて市場の効率性が高まり、消費者の満足度の向上や選択肢の拡大をもたらすと同時に、潜在需要を掘り起こす効果も期待できる。本年6月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」において、改革の一里塚と位置づけられた12のアクションプランについて早期に具体的な措置につなげていくと同時に、更なる官製市場の改革による民需創造の取組みを積極的に行なうことにより、社会的規制分野の改革を加速させていく必要がある。その推進は、経済活性化の重要課題であることから、経済財政諮問会議と総合規制改革会議の連携を強化しつつ、取組みの成果を総合規制改革会議の答申に盛り込むべきである。

2.更なる規制改革推進に向けた基盤整備

(1) ポスト総合規制改革会議設置の必要性

総合規制改革会議は2004年3月にその設置期限を迎えるが、規制改革を引き続き強力に推進していくためには然るべき後継機関の設置が不可欠である。来年4月以降、規制改革推進体制に空白期間を生じさせてはならず、後継機関の在り方について早期に検討を行う必要がある。
その際、後継機関の役割は、経済活性化と競争力の強化を図るための規制改革を強力に推進することであり、そのために、ビジネス現場の実需、消費者の利便性向上など民間ならではの知恵・アイディアを踏まえた検討、提案を行い、その提案に基づき政治が判断・決定するという原則を改めて確認することが重要である。さらに、特区制度は全国規模の規制改革に向けた社会実験的な性格を持ったものであることから、後継機関は少なくとも構造改革特別区域推進本部の所掌分野も併せ持つ規制改革全般を取り扱う機関とすべきである。
加えて、事務局についても、後継機関専任の組織として、意思決定のラインを簡素化・一本化することで、よりスピード感のある規制改革が実現できる体制を構築すべきである。

(2) ポスト総合規制改革会議に期待される役割

後継機関が検討すべき課題としては、本年5月に当会が公表した「『民主導・自律型システム』の確立に向けた規制改革の推進方策について —日本経団連新ビジョンに基づく規制改革プログラム—」で提言したように、(1)民間の創意工夫の最大限発揮による経済活性化と競争力強化を実現するための個別規制改革推進の制度作り、(2)事前規制から事後チェック型行政への転換を徹底するため、民間事業活動に課せられた各種業法の分野横断的な見直し、(3)不要な新設規制の抑制による自由な民間事業活動の確保を図るための審査体制の確立、(4)規制改革の集中的・総合的・計画的な推進のための新たな規制改革推進計画の策定などを着実に実現していくべきである。そして、その法的基盤を整備する観点から、「規制改革基本法(仮称)」の制定について早期に具体的な検討を行うよう求めたい。
加えて、規制改革の必要性やその効果を国民に周知し、改革気運を醸成していくため、従来、総務庁が作成していた規制緩和白書と同様な白書を公表するなど、国民各層に対する定期的なPR活動を積極的に行うことが求められる。

(3) 速やかな全国展開に向けた特区制度の活用

昨年新たに導入された構造改革特区制度は、地方自治体等から広く要望を募ることでボトムアップ型の規制改革を推進するという、地方の自主性や地方分権の推進に資する画期的な制度として、また、地域の活性化を図る起爆剤として着実に成果を得つつある。今後は特区で認められた規制の特例措置を全国に拡大するプロセスが極めて重要になってくることから、特区における措置事項について特に問題がなければ速やかに全国展開すべきである。その意味で、構造改革特別区域推進本部評価委員会の果たす役割は大きく、総合規制改革会議の後継機関はその機能・役割を承継していく必要がある。

(4) 政治のリーダーシップの発揮

規制改革をより一層推進するためには、総理を中心とした政治の強いリーダーシップの発揮が不可欠であることは言を待たない。我が国経済を立て直す切り札として、新規雇用の創出等につながる規制改革に関する期待は内外を問わず高いものがある。民間の活力と地方のやる気を引き出す規制改革を推進するとの小泉第2次改造内閣の基本方針を全閣僚が共有し、思い切った規制改革を断行すべきである。さらに、規制改革には痛みを伴うことが避けられないが、政治には既得権益の擁護につながる規制の新設を厳に慎むことが求められる。

おわりに

規制改革推進のためには何より国民の支援と理解が不可欠である。そのため、経済界としても、これまでに実現した規制改革の成果などについて積極的に広報するなど、国民生活の向上に資する具体的な事例を伝える努力を行っていく必要がある。
また、日本経団連として、従来行ってきた個別の規制改革要望の取りまとめを今後とも継続していくだけでなく、中小企業や地方の企業を含めて、より広範な企業から要望を吸い上げていくための努力を行なう。その際、規制改革の推進のためには企業の一層の自己責任・自己規律が求められることから、経済界自らも企業倫理の確立と自主的な安全性の確保などについて積極的な取組みを行うこととしていきたい。
上記のあらゆる取組みを通じて、官民が一体となって規制改革を推進する好循環を作り出していくことにより、真に自由度の高い市場の形成が可能となり、ひいては経済活性化の実現に資することが期待できる。

以上

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