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民間資金等活用事業推進委員会 第2回合同部会 議事概要
日 時: 平成11年10月19日(火)10:00〜12:00
会 場: 永田町合同庁舎5階第1会議室
出席者: 西野部会長、山内部会長、奥野委員、小幡委員、高橋委員、前田委員、有岡専門委員、植田専門委員、鵜崎専門委員、廣實専門委員、光多専門委員、
美原専門委員、矢野専門委員、山下専門委員
事務当局: 白須民間資金等活用事業推進室長、佐久間参事官、古谷企画官、清水企画官
議事概要
(基本方針について)
事務当局より資料1及び資料2について説明後、基本方針に関する意見交換を行った。
なお、資料1は、審議の途中にあることから基本方針策定までの間非公表の取扱い、また、資料2は、進行中、交渉中の事業に関するものが含まれることから当分の間非公表の取扱いとなった。
意見の概要は次のとおり。
- 第1点は、基本方針の位置づけであるが、法律に定めてあるように、実施方針の策定に関する基本方針ではない。PFI推進のための基本的な方針を定めるものであるということを確認したい。
第2点は、特定事業の選定については、実施方針の策定に先立ち、国等が事業の選定を定量的に評価して行う必要があるのであり、基本方針で各省庁がどういう事業をPFIでやるのかという基本的な評価をすることが必要ではないか。
第3点は、法制上・税制上の措置等であるが、基本方針の中で、国が行うべき施策について謳うべきではないか。どこをどう変えろというのは基本方針の役割ではないが方向性を明らかにすべきではないか。
- PFI法では、対象施設が多様であり、公共が専属的に行ってきたものから民間も整備しているものまでレベルも様々で、政令等で拡がり得ることから、PFI事業の共通項を示すという意味で、基本理念が必要と思う。効率的かつ効果的なサービスの提供は、結果的に国民、住民のためになるということが大前提とのことは明確にしておいた方がよい。
諸法令との関係では、PFI法については、それほど附則での改正はなくて、既存の法律の中で運用していくことになるが、長期的には改正せざるを得ない場合が出てくると思うが、今回の基本方針の段階で何法の何を変えろと書くことは難しい。法律面でいろいろな課題もあると思うが、会計法などは基本だからふれざるを得ないだろう。
民間事業者の発案による場合は、その発案をどう捉えるか、どういう方針で扱うかは基本方針で何か書いた方がいい。
- 基本方針では、PFI事業である判断基準をいかに分かりやすく明確に書くか。公共性、社会性等に適っていることという判断基準が必要ではないか。別途コメンタールのようなもので補足する必要がでてくるのではないか。国の方針ではありながら、これをみた自治体が混乱しないような配慮が必要。会計法、予決令との整合も現行制度の中でどう解釈できるのかということは基本方針の中では明確に書けない要素もあり、別途何らかの補足が必要ではないか。
事業の適正かつ確実な実施の確保に関する基本的事項については、何を記載すべきかという要素と考え方の判断基準を基本方針に書くべき。
将来的な制度上の課題として、国が規制緩和措置を講ずるということを基本方針の理念として位置づけてはどうか。
- 自治体は補助金なり、規制がどうなるのか示してほしいと考えている。誰がイニシアティブをとって変えていくのか。
- 基本方針の理念が非常に重要。この法律が作られた大局的な目的ではなく、法制度あるいは財政上の支援の中で打てる手が目的化してしまうことを恐れるから。細かい法律をここで変えよとするよりも、大局観として国のあり方をいい方向に変えてみようという、そのシグナルを自治体に送ってほしい。
- 公的支援には2つのポイントがある。1つは、VFMが補助後も十分確保されること、2つ目は民間事業者の投資に対する十分なリターンが確保されること。この2つのトレードオフである。
- 基本方針では、PFIを推進するという姿勢を見せる必要があり、規制緩和を引き続き進めるということ、および、民間にできるものは民間に委ねるということを言葉として示すこと。
- この法律では、第1条に目的と第3条に基本理念と、第4条第3項に配慮すべきこと、附則第2条に規制緩和について書かれており、前文的なもので基本的な方向性を示してはどうか。効率性、効果性と言うが、単なる経費の削減にとどまるのではなく民間の資金、経営能力及び技術能力を活用するといった幾つか共通することがある。また、行財政改革とかに寄与するということもあり、ぜひとも進めなさいということを謳っておくべき。
- 基本方針には、基本理念であるVFMなどの推進に障害となりうるような法制度について、できるだけ障害にならないような形にしていかなければならないということと、各省庁がPFIの障害にならないような形での法制度の運用、どういう解釈でできるかということを提示するという作業をやるという基本理念を示すべきである。
- 国の中でPFI案件が出ようとしているのかというと、そうでもない印象。国のレベルで考えると、需要がない状態で法制度の変更とか供給サイドからの施策を考えるというのは不自然なことになるのではないか。したがって基本方針については、まず、理念が重要で、PFIのもっている非常にいいものをここできちっと謳っておけばよい。また、基本方針が地方のPFIの活用を損なうということがあってはいけない。現在PFIの需要があるのは主に地方であるから、自治体としては、国の基本方針を十分勘案しながら実施方針を書くことになる。VFMについて、現時点では、定量的に計ることは困難で、PFIという方式を案件としてとり入れるかどうかというときに定性的な判断も十分考慮するということを書くべき。また、細かい点であるが、PFIと従来型の公共事業との比較においては、税金をはずした形での比較検討がなされるようになってほしい。実際の実施方針の策定や応募の際には必要なことなので税金というもののPFIにおける取扱いについて何らかの表現があるとよい。
民間事業者の募集、選定では、例えば、住民とか地元企業とかが、プロポーザルの後の会社設立の後に入ってくるとか、当初入っていた事業者が、途中、役割を終えた時点で撤退するということも可能な契約的枠組みとなるよう、民間事業者の構成について幅広い解釈ができるような形にしてほしい。
事業の適正かつ確実な実施においては、維持管理及び会計的監視及びサービス水準の監視が必要。運営段階の監視は、第三セクターの場合もあったが、会計的に決算報告が正しくできているかという監視であって、経営監査になっていなかった点が問題。民間の第三者機関の活用もとりいれてほしい。
- 現段階で、PSCの算定の仕方、あるいはVFMの評価の仕方を示したほうがよい。
大都市はともかく、地方の一市町村ではPFIが成り立たないということがでてくる。いくつかの自治体にまたがる事業の立ち上げへの国の関与が必要ではないか。
また、公募書類ではないのだから実施方針に何をどこまで書くかの議論が必要ではないか。
手続きをフローチャートのようなもので具体的な流れを示すことも現場では有効ではないか。
- 民間事業者から例えば10年先に返ってきた時の自治体の財政状況が気になる。起債の場合は制限があるが、債務負担行為には明確な歯止め尺度がないので、安易に流れる気がする。
従来の一般単独事業のようなものは、仕事によっては元利償還金が交付税措置されているものがあるが、PFIとの比較考量では、どちらが得か決めかねるものもあり、交付税との関係が課題になると思う。
契約の点ではPFI事業が外国企業をどのような形で受け入れることになるのかが問題である。PFIは、建設から運営まで一括でやるのがメリットだと思うが、必ずしも事業者がすべての分野が得意というわけではない。個々の分野が得意な企業のJV方式もありうるのではないか。選定に際し何もかも一般競争入札ではなく、専門性の高いものは公募型の競争入札のようなものも認めていいのではないか。
- リスクについては、その所在の明確化と官民の負担の明確化が重要であることは全くそのとおりだと思う。リスクへの対応としては、まずできるだけ事前にリスクを軽減することが重要であり、次いでリスクの官民分担があって、最後に、軽減しきれなかったリスクについて民でリスクヘッジを行うこととなる。その際、リスクの軽減ないしは防止に官民が努力することとリスクヘッジを行う場合にヘッジのコストを十分に勘案することが必要。また、リスク分担について、PFI事業が超長期であることを考えれば、原理原則とは別に、異常な金利、物価上昇については、官がある程度分担するという考え方があっても、民間の参画意欲を促す意味から、よいのではないか。
- VFMといったときは同じ条件で比べるというのが当然だと考えている。当然のことが心配であるなら、書いておく必要があるが。
- リスクはコストの期待値であると考えるが、VFMやPSCを考えるときに、どう計測していいか分からないとか、個々のデータがあるか、ということがあり、基本的な考え方は明示する必要があるのではないか。それはPSCとイコールフッティングで考えるべきだということだと思う。リスクヘッジのプレミアムを誰が負担するのか等についても決めていかないといけないが、基本方針には盛りきれない。したがって、具体的なことを落としていく、その部分は変更もあるし、いろいろなことが後で取り入れられるガイドラインといったようなものを検討していくということでいかがか。
- 設計段階からPFIを導入する場合、PSCの試算に際して詳細が確定していないため積算が困難との声があるが、世界的には詳細設計がなくともちゃんとやっている。
価格のみによらず、価格及びその他の条件により選定を行うことを許容する際も、現実には比較のためには全部価格なみにして換算しているのではないか。また、現実の入札のとき、全てを価格なみに換算して一番安い者と交渉するのかどうかは、細かいことだが現実には重要なことである。
(事務当局)現在の会計法の大原則はすべて価格でやるとなっており、また、一部総合評価方式という場合でも、どの程度までできるのかなど、検討してもらっているところである。
- イギリスの刑務所の例などをみると、価格はもちろん大きな要素になるが、その外にも施設の維持管理まで全部含めて、非常に細かくポイント制にして積算して、総得点のポイントで選ぶ、まさに総合評価になっている。
- ポイント制にして最終的に価格におきかえていけばクリアできるのかなと思う。
- 原則はそうであろうが、現実の世界では、民間からの提案は、表面価格は安いけれども、ネットプレゼントバリューを比較してみると高くなっている場合も考えられるので、よく評価しないといけない。
- 価格については、現実の議論では、特に地方は、イニシャルコストというイメージだと思うが、私は、設計、建設、維持管理、運営の組み合わせで、前の二つだけの組み合わせは原則としてPFIではないと理解しているし、それを明解にした方がよいと思う。
- 初めてやってみる人に対しては、先程のVFMも同じ土俵で考えるということは、確認の意味で基本方針に書いておくことが必要だろう。
- 透明性とか公開性は、具体的には、はっきりとは書けないので、行動でとっていくという性格がある。評価についても多少そういう性格があるという気がする。細かいものは、他の国でも多分書いていないのではと思う。
○しろまる次回の民間資金等活用事業推進委員会について
11月16日(火)13時から、総理府3階特別会議室にて開催予定。
以上
(速報のため事後修正の可能性があります)
[問合せ先]
内閣総理大臣官房内政審議室民間資金等活用事業推進室
TEL 03-3502-7319, 03-3502-7346