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内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 経済財政政策 > 月例経済報告関係資料 > 月例経済報告 > 月例経済報告_過去資料 >月例経済報告(平成16年4月16日)―景気は、企業部門の改善に広がりがみられ、着実な回復を続けている。―
先行きについては、世界経済が回復し、国内企業部門が改善していることから、日本の景気回復が続くと見込まれる。一方、為替レートなどの動向には留意する必要がある。
平成16年4月16日
内閣府
各論
1.消費・投資などの需要動向
個人消費は、持ち直している。
個人消費は、持ち直している。この背景としては、所得がおおむね横ばいとなっていることに加え、消費者マインドの持ち直しが続いていることが挙げられる。需要側統計(家計調査)と供給側統計(鉱工業出荷指数等)を合成した消費総合指数は、2月は前月に比べて減少したが、2ヶ月連続して増加した後の減少であり、基調としては持ち直している。
個別の指標について2月の動きをみると、うるう年による日数増の影響もあって、家計調査では、実質消費支出が前月に比べて増加した。一方、販売側の統計をみると、小売業販売額は、初売りの好調等により1月に大きく増加した反動もあって、前月から減少した。家電販売金額は、DVDや薄型テレビなどの売れ行きが引き続き好調であることから、前年を上回った。新車販売台数は、2月に減少した後、3月は前月を上回った。旅行は、海外旅行が引き続き前年を下回ったものの、国内旅行は前年を上回った。
先行きについては、雇用情勢に持ち直しの動きがみられることから、家計の所得が改善していけば、個人消費の回復が期待される。
設備投資は、増加している。
設備投資は、企業収益の回復や資本ストック調整の進展等を受けて、増加している。これを需要側統計である「法人企業統計季報」でみると、増加基調にある。また、機械設備投資の供給側統計である資本財出荷も増加基調にある。ソフトウェア投資は、おおむね横ばいとなっている。これらの需要側統計、供給側統計を合成した設備投資総合指数は、2月は前月と比べて減少したが、基調としては増加している。
日銀短観によれば製造業の16年度設備投資計画は2年連続で増加となっており、設備投資の動きに先行性がみられる設備過剰感も改善の動きが続いている。また、先行指標をみると、機械受注は増加基調にあり、建築工事予定額は、月々の振れはあるが、均してみれば緩やかに持ち直している。先行きについては、企業収益の改善が続くものと見込まれること等から、当面増加傾向で推移するものと見込まれる。
住宅建設は、このところ増加している。
住宅建設は、このところ増加している。総戸数は、1月に貸家の増加を中心として前月比2.7%増となった後、2月は、持家、貸家、分譲住宅の全てが減少したことから、前月比6.4%減の年率117.3万戸となったが、引き続き底堅い動きを示している。なお、総床面積も、おおむね総戸数と同様の動きをしている。先行きについては、雇用情勢の持ち直しの動きに加え、家計の所得環境などが改善していけば、住宅着工は底堅く推移していくことも期待される。
公共投資は、総じて低調に推移している。
公共投資は、国、地方の予算状況を反映して、総じて低調に推移している。
国の平成15年度補正予算において、公共投資関係費は、国費ベースで0.2兆円程度の災害対策費等を計上する規模であったため、補正後の公共投資は前年度を大きく下回った。また、平成15年度における地方財政計画においては、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比5.5%減となっている。
このような状況を反映して、公共工事受注額、公共工事請負金額及び大手50社受注額は、平成15年10-12月期も、前期に引き続き、前年を下回った。
平成16年1-3月期の公共投資については、1月、2月の公共工事請負金額なども前年を下回っており、国、地方の予算状況を踏まえると、引き続き前年を下回るものと考えられる。
なお、国の平成16年度予算においては、公共投資関係費について、前年度比3.3%減としつつ、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化したほか、各事業の目的・成果に踏み込んできめ細かく重点化している。また、平成16年度地方財政計画においては、投資的経費のうち地方単独事業費について、中期的に計画的な抑制を図る中で前年度比9.5%減としつつ、重点的な配分を行うとしている。
輸出は、増加している。輸入は、横ばいとなっている。貿易・サービス収支の黒字は、やや増加している。
輸出は、増加している。地域別にみると、アジア向け輸出は、旧正月需要の反動から2月は減少が見られたが、基調として増加している。アメリカ向け輸出は、精密機器を中心として緩やかな増加基調にある。EU向け輸出は、輸送用機器を中心に緩やかに増加している。先行きについては、世界の景気は着実に回復していることに伴って、増加していくものと考えられるものの、為替レートの動向には引き続き留意する必要がある。
輸入は、機械機器等を中心に増加していたものの、足元では鉱物性燃料等が減少しており、基調としては横ばいとなっている。地域別にみると、アジアからの輸入は、繊維製品等を中心に増加していたものの、足元で機械機器等が減少しており、基調としては横ばいとなっている。アメリカからの輸入は、一時的に航空機等の機械機器が減少しているものの、横ばいとなっている。EUからの輸入は、横ばいとなっている。
国際収支を見ると、輸出数量は増加しており、輸入数量は横ばいとなっていることから、貿易・サービス収支の黒字は、やや増加している。
2.企業活動と雇用情勢
生産は、増加している。
鉱工業生産は、2月は減少したものの、基調としては増加している。輸出や設備投資の増加などを受けて、情報化関連生産財や資本財を中心として増加の動きに広がりがみられる。在庫は低水準で推移しており、企業は在庫積み増しに慎重になっている。
先行きについては、世界の景気が着実に回復していることに伴って、輸出を通じた生産の増加が続くものと見込まれる。なお、製造工業生産予測調査においては、3月、4月ともに増加が見込まれている。
また、第3次産業活動は、緩やかに増加している。
企業収益は、改善の動きが広がっている。また、企業の業況判断についても、改善の動きが広がっている。倒産件数は、このところ横ばいとなっている。
企業収益の動向を「法人企業統計季報」でみると、前年同期比では平成14年7-9月期以降、6四半期連続で増益となっている。業種別にみると、製造業ではこれまで大幅な増益が続いてきたが、人件費等のコスト削減の動きが鈍化してきたこと等から改善の動きが緩やかになってきている。一方、非製造業では、売上高の増加等により、改善が続いている。また、「日銀短観」によると、平成15年度下期は非製造業や中小企業においても増益となるなど、幅広い業種で増益となった見込みである。平成16年度についても多くの業種で増益計画が示されており、製造業、非製造業ともに3年連続の増益を見込んでいる。
企業の業況判断について、「日銀短観」をみると、改善の動きが続いている。大企業非製造業は景況感がプラスとなり、中小企業においても多くの業種で景況感が改善するなど、改善の動きに広がりがでてきている。
また、企業倒産は、このところ横ばいとなっている。なお、景気が回復する中でこれまで減少が続いてきており、3月としては5年ぶりの低い水準となっている。
雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる。
企業の人件費抑制姿勢などの労働力需要面の要因や、雇用のミスマッチなどの構造的要因から、完全失業率が高水準で推移するなど、厳しい雇用情勢が続いている。
完全失業率は、2月は前月と同水準の5.0%となった。男性の失業率は上昇した一方で、女性は低下した。
新規求人数は、ここ2ヶ月減少しているが、基調としては増加傾向となっている。有効求人倍率は横ばいとなっている。また、雇用者数は持ち直しており、製造業の残業時間についても、増加傾向となっている。企業の雇用過剰感は低下傾向にある。
賃金の動きをみると、定期給与は基調として横ばいとなっている。
3.物価と金融情勢
国内企業物価は、素材価格の上昇によりわずかながら上昇している。消費者物価は、横ばいとなっている。
国内企業物価は、わずかながら上昇している。最近の動きを類別にみると、農林水産物、電気機器が下落する一方、素材価格の上昇により鉄鋼、非鉄金属、石油・石炭製品などが上昇している。輸入物価(円ベース)は、国際商品市況の上昇を受けて、上昇している。
企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
消費者物価は、平成12年秋以降弱含んでいたが、このところ米類など一部に物価を押し上げる動きもあり、前月比で横ばいとなっている。最近の動きを類別にみると、一般商品は、米類の上昇などにより、前年比下落幅が縮小している。他方、一般サービスは、おおむね横ばいで推移している。また、公共料金は、前年比で上昇している。
なお、国内企業物価はわずかながら上昇しているが、消費者物価には一時的な押し上げ要因も働いていると考えられることから、物価は緩やかなデフレ状況にある。
株価は、年初来高値を更新し12,000円台(日経平均株価)となった。為替レートは、対米ドルで円高となった。
株価は、景気や企業収益の回復期待から年初来高値を更新し12,000円台(日経平均株価)となった。対米ドル円レートは、為替介入に対する警戒感の後退等から3月中旬以降円高が進んだ後、105円を挟む動きとなっている。短期金利は落ち着いている。長期金利は株価上昇を背景に上昇し、このところ1.5%前後となっている。企業金融については、企業の資金繰り状況は改善しており、民間債と国債との流通利回りスプレッドは低水準で推移している。
マネタリーベースは、日本銀行の潤沢な資金供給などを背景に10%台の高い伸び(日本郵政公社当座預金を除く伸び率は9.4%)が続いている。M2+CDは、1月以降緩やかに上昇している。
4.海外経済
世界の景気は着実に回復している。
アメリカでは、景気は力強く回復している。
生産、企業収益は増加している。これらに加え、景気の先行きに対する明るい見通しを背景に設備投資は引き続き増加しており、先行指標となる資本財受注も増加している。
消費者の雇用の先行きに関する不透明感から消費者マインドはこのところ低下し、これを背景に消費の増加は緩やかなものとなっている。
一方、企業の雇用意欲は改善を続けており、3月の非農業雇用者数は30万人を超える増加となるなど、今後雇用情勢の改善が期待される。
アジアでは、中国、タイ等で景気は拡大が続いており、その他では景気は回復している。
中国では、消費の堅調な増加や輸出の増加から生産が増加するなど、景気は拡大が続いている。一方、一部で景気過熱の懸念もみられる。タイでは、消費や投資を中心に景気は拡大している。マレーシアでは、消費や輸出が増加するなど、景気は拡大している。台湾では、消費や輸出が増加するなど、景気は回復している。シンガポールと韓国では、輸出や生産が増加するなど、景気は回復している。
ユーロ圏では、景気は緩やかに回復しており、イギリスの景気は堅調に回復している。
ユーロ圏では、景気は緩やかに回復している。域外需要に支えられ輸出は緩やかに増加している。一方、消費は横ばいで推移している。ドイツでは、受注が増加するなか、生産は持ち直しており、景気は持ち直している。ただし、このところ、個人消費が引き続き弱いことから、景気の先行きに対する期待が弱まっている。フランスでは、消費は緩やかに増加し、輸出は増加するなど、景気は回復している。
イギリスでは、住宅投資の増加が続くなど、景気は堅調に回復している。
国際金融情勢等
金融情勢をみると、アメリカの株価は3月中旬以降、企業業績に対する明るい見通しなどから上昇している。ヨーロッパ、アジアの株価は3月下旬にかけて下落した後、上昇している。4月上旬以降、アメリカの雇用統計の発表を受け、主要国の長期金利は上昇しており、3月下旬まで減価していたドルも増価している。
原油価格は、3月中旬以降下落していたが、3月末のOPEC総会において4月以降の減産を予定通り行う方針が確認された後、上昇した。
注)
<個人消費>
消費総合指数(内閣府試算値)は、1月季節調整済前月比0.8%増の後、2月(速報値)は同0.5%減となった。なお、2004年4月に消費総合指数を見直し、遡及改訂を行った。
家計調査の全世帯実質消費支出は、1月季節調整済前月比1.5%増の後、2月(速報値)は同2.1%増(前年同月比5.2%増)となった。
家計調査の全世帯実質消費支出(除く自動車、住居、仕送り金等)は、2月(速報値)は季節調整済前月比2.7%減(前年同月比3.3%増)となった。
経済産業省「商業販売統計」の小売業販売額は、1月季節調整済前月比2.4%増の後、2月は同1.9%減(前年同月比1.8%増)となった。また、百貨店販売額は、2月は前年同月比2.3%増(店舗調整後)(季節調整済前月比0.9%減(店舗調整前))となった。
チェーンストア販売額(日本チェーンストア協会調べ)は、1月前年同月比1.8%減(店舗調整後)の後、2月は同1.2%増(店舗調整後)(季節調整済前月比2.5%増(店舗調整前))となった。
乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、2月季節調整済前月比5.3%減の後、3月(速報値)は同2.6%増となった。なお、最新月はナンバーベース(特殊用途車を乗用車や貨物車に配分する)によるが、それ以前の月は登録ナンバーベース(特殊用途車を乗用車や貨物車に配分しない)によるものであり、両者は厳密には一致しない。
家電販売額(日本電気大型店協会調べ)は、1月前年同月比2.5%増の後、2月は同2.8%増となった。
大手旅行業者13社取扱金額は、国内旅行は1月前年同月比同2.7%減の後、2月同0.5%増となった。海外旅行は1月前年同月比同9.9%減の後、2月は同3.2%減となった。
内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数(季節調整済)は、9月前期差2.7ポイント改善の後、12月同0.5ポイント改善となった。内閣府「月次消費動向調査」の消費者態度指数(東京都、原数値)は、2月前月差0.1ポイント改善の後、3月同1.4ポイント改善した。
<設備投資>
設備投資総合指数(内閣府試算値)は、1月(速報値)季節調整済前月比0.3%増の後、2月(速報値)は同2.3%減となった。設備投資総合指数の作成方法については、ディスカッションペーパーを参照(http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)。
平成15年10-12月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業、ソフトウェアを除く)でみると、季節調整済前期比4.5%増(前年同期比5.1%増)となっており、うち製造業では同7.5%増(同15.0%増)、非製造業では同3.1%増(同1.1%増)となっている。
平成15年10-12月期の大中堅企業の設備投資を内閣府「法人企業動向調査」(実績見込)でみると、季節調整済前期比で2.1%増(前年同期比1.6%増)となっており、うち製造業では同0.8%減(同9.8%増)、非製造業では同2.6%増(同1.4%減)となっている。
経済産業省「鉱工業指数」により資本財出荷(除く輸送機械)をみると、1月(確報値)は季節調整済前月比8.4%増(前年同月比12.2%増)の後、2月(速報値)は同3.8%減(同15.8%増)となっている。
日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)により設備投資の動向をみると、大企業の平成16年度設備投資計画は、製造業で前年度比7.4%増、非製造業で同4.1%減となっており、全産業では同0.6%減となっている。また、中小企業では製造業で同10.7%減、非製造業で同20.5%減となっており、全産業では同18.1%減となっている。
経済産業省「特定サービス産業動態統計」でみると、受注ソフトウェア売上高は、1月(確報値)は前年同月比2.7%増の後、2月(速報値)は同1.3%増となっている。
機械受注(船舶・電力除く民需)は、1月は季節調整済前月比12.2%減(前年同月比3.0%減)の後、2月は同4.9%増(同9.3%増)となっている。なお、平成16年1-3月期(見通し、12月調査時点)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比0.2%減(前年同期比11.4%増)と見込まれている。
国土交通省「建築着工統計」により非居住用建築物(民間)の工事予定額をみると、1月は季節調整済前月比14.2%増(前年同月比29.3%増)の後、2月は同17.5%減(同20.8%増)となっている。
<住宅建設>
国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前期比)は、平成15年1-3月期は1.9%増、4-6月期は3.4%増、7-9月期は4.8%減、10-12月期は3.0%増、12月は8.3%増、平成16年1月は2.7%増、2月は6.4%減となっており、うち共同建分譲住宅の着工(同)は、平成15年1-3月期は2.5%増、4-6月期は0.0%増、7-9月期は0.1%増、10-12月期は7.9%増、12月は14.5%増、平成16年1月は12.3%減、2月は9.2%減となった。また、新設住宅着工床面積(同)は、平成15年1-3月期は0.3%減、4-6月期は4.3%増、7-9月期は2.5%減、10-12月期は0.5%増、12月は7.1%増、平成16年1月は0.1%減、2月は4.7%減となった。
<公共投資>
平成15年度の国の一般会計予算(補正後)を前年度補正後予算と比較すると、公共投資関係費は、前年度比18.8%減となっている。なお、平成16年度一般会計予算では、公共投資関係費について、前年度比3.3%減と削減しつつ、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化している。
地方の予算をみると、総務省がまとめた都道府県、政令指定都市の普通会計予算額(9月補正後)では、普通建設事業費は前年度比7.7%減、普通建設事業費のうち補助事業費、単独事業費は、それぞれ前年度比6.4%減、10.7%減となっている。なお、平成16年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比9.5%減と、「経済財政運営の構造改革に関する基本方針2003」の縮減目標を前倒ししている。
公共機関からの1件500万円以上の建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年同月比で1月12.1%減の後、2月は7.8%減となった。同じく大手50社の建設工事受注額は、前年同月比で1月5.5%増の後、2月は14.1%減となった。公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で1月16.6%減の後、2月は10.5%減となった。公共工事出来高(建設総合統計)は、前年同月比で12月14.4%減の後、1月は13.0%減となり、内閣府にて季節調整を実施した結果によると、前月比で12月1.1%減の後、1月は0.3%増となった。
<輸出・輸入・国際収支>
通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で平成16年1月0.2%増の後、平成16年2月0.7%減(前年同月比12.0%増)となった。また、前期比で7-9月期は0.0%減の後、10-12月期は6.8%増(前年同期比7.3%増)となっている。
通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で1月3.2%増の後、2月7.4%減(前年同月比3.1%増)となった。また、前期比で7-9月期は0.6%増の後、10-12月期は2.8%増(前年同期比7.1%増)となっている。
貿易・サービス収支(季節調整値)の黒字は、1月は8,671億円の後、2月は8,943億円、通関収支差(季節調整値)は、1月は10,913億円の後、2月は12,478億円となった。
<生産・出荷・在庫>
2月の鉱工業生産指数(季節調整値、速報)は、輸送機械、電子部品・デバイス等が減少したことから、前月比3.7%減となった。
製造工業生産予測調査によると、前月比で、3月は電子部品・デバイスや電気機械等の増加により0.5%増の後、4月は一般機械や輸送機械等の増加により4.2%増になると見込まれている。
2月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値、速報)は、前月比0.4%増となった。また、2月の鉱工業生産者製品在庫率指数(季節調整値、速報)は94.8となっている。
第3次産業活動指数(季節調整値)は、1月(速報)前月比2.6%増となった。また、11-1月の平均(3カ月移動平均値)による対3ヶ月前比(同8-10月平均対比)をみると横ばいとなっている。
<企業>
財務省「法人企業統計季報」によると、10-12月期の経常利益は全産業で前年同期比16.9%増、製造業は2.4%増、非製造業は29.4%増となった。
日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、平成16年度の経常利益は、全規模・全産業で、上期は前年同期比10.4%の増益、下期は同10.6%の増益、通期では前年比10.5%の増益を見込んでいる。
一方、業況判断について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査、業況水準について「良い」-「悪い」)をみると、大企業は5%ポイント改善して9%ポイント、中小企業は6%ポイント改善して△しろさんかく13%ポイント、全規模合計では6%ポイント改善して△しろさんかく5%ポイントとなった。
<倒産>
企業の倒産については、東京商工リサーチ「倒産月報」によると、3月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,329件(前年同月比14.8%減)、負債総額は10,094億円(同10.6%減)となっており、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,343件(同14.3%減)、負債総額は13,084億円(同10.7%増)となっている。また、大型倒産(負債額10億円以上)は、89件(同3.2%減)となっており、主な大型倒産としては、ジャパンデベロプメント(不動産開発、負債900億円)、大木建設(総合建設、負債766億円)、恒和興業(不動産賃貸、負債482億円)など(東京商工リサーチ調べ)。
<雇用情勢>
総務省「労働力調査」によると、2月の完全失業率(季節調整値)は、男女計で前月と同水準の5.0%となった。完全失業者数(季節調整値)は、男女計で前月差5万人増の335万人となった。
労働力調査により内閣府にて季節調整を実施した結果によると、求職理由別完全失業者数(季節調整値)は、2月の非自発的な離職による者は、前月差3万人減の124万人、自発的な離職による者は、前月差14万人増の118万人となった。
厚生労働省「職業安定業務統計」の新規求人数は、1月季節調整済前月比1.1%減の後、2月は同2.7%減(前年同月比13.0%増)となった。有効求人数は、1月同0.2%増の後、2月は同0.0%増(同17.5%増)となった。新規求職件数は、1月同2.2%減の後、2月は同1.3%増(同4.4%減)となった。有効求職者数は、1月同0.5%減の後、2月は同0.7%増(同8.8%減)となった。新規求人倍率(季節調整値)は1月1.23倍の後、2月1.18倍となった。有効求人倍率(季節調整値)は、1月0.77倍の後、2月0.77倍となった。
労働力調査によると、雇用者数(季節調整値)は、男女計で1月前月比0.2%減の後、2月は同0.1%減の5,345万人となった。
毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では1月季節調整済前月比2.5%増(前年同月比9.5%増)の後、2月は同0.7%減(同9.9%増)(速報値)となった。
日本銀行「全国企業短期経済観測調査」によると、企業の雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は、全産業では、12月調査の7%ポイントから、3月調査では4%ポイントとなった。製造業では、12月調査の10%ポイントから、3月調査では5%ポイントとなった。非製造業では、12月調査の4%ポイントから、3月調査では3%ポイントとなった。
毎月勤労統計調査によると、きまって支給する給与は、事業所規模5人以上では1月季節調整済前月比0.7%増(前年同月比0.1%減)の後、2月は同0.3%減(同0.3%減)(速報値)となった。現金給与総額は、事業所規模5人以上では2月前年同月比0.1%減(速報値)となった。
<物価>
日本銀行「企業物価指数」の輸出物価(円ベース)は、平成16年3月(速報値)は前月比1.3%の上昇(前年同月比2.7%の下落)、3ヶ月前比は2.9%の上昇となった。輸入物価(円ベース)は、3月(速報値)は前月比2.3%の上昇(前年同月比2.1%の下落)、3ヶ月前比は4.1%の上昇となった。また、国内企業物価は、3月(速報値)は前月比0.2%の上昇(前年同月比0.2%の上昇)、3ヶ月前比は0.6%の上昇となった。
日本銀行「企業向けサービス価格指数」の2月の企業向けサービス価格は前年同月比0.7%の下落(前月比0.3%の上昇)となった。
総務省「消費者物価指数(全国)」の生鮮食品を除く総合は、2月は前年同月比保合い(季節調整済前月比0.1%の上昇)、12-2月平均の前年同期比は0.1%の下落となった。一般サービスは、2月は前年同月比0.1%の下落、12-2月平均の前年同期比は0.1%の下落となった。一般商品は、2月は前年同月比0.4%の下落、12-2月平均の前年同期比は0.5%の下落となった。公共料金は、2月は前年同月比1.0%の上昇、12-2月平均の前年同期比は1.1%の上昇となった。また、「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の生鮮食品を除く総合は、3月は前年同月比0.1%の下落(季節調整済前月比0.1%の上昇)、1-3月平均の前年同期比は0.2%の下落となった。
<金融>
無担保コールオーバーナイトレートは、3月月中は、▲さんかく0.002〜0.005%で推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、3月は、0.07%台〜0.08%台で推移した。10年物国債流通利回りは、3月は、1.2%台〜1.4%台で推移した。
東証株価指数(TOPIX)は、3月末は1,179ポイントとなった。日経平均株価は、3月末は11,715円となった。
対米ドル円レート(インターバンク直物中心レート)は、3月末は104.30円となった。対ユーロ円レート(インターバンク17時時点)は、3月末は127.23円となった。
マネタリーベース(月中平均残高)は、3月(速報)は前年同月比11.9%増となった。3月の日銀当座預金平均残高は33.0兆円となった。M2+CD(月中平均残高)は、前年同月比1.9%増となった(3月速報)。広義流動性は、3月(速報)は前年同月比0.7%増(簡易保険福祉事業団保有金融資産の日本郵政公社への承継による影響を除くと2.8%増)となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、3月(速報)は前年同月比4.8%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後1.6%減)となった。3月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債型新株予約権付社債の発行はなかった。また、国内公募事業債の起債実績は、4,920億円(銀行起債の普通社債は500億円)となった。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、2月は前月比で短期は0.209%ポイント低下し、長期も0.208%ポイント下落したことから、総合では0.205%ポイント低下し1.443%となった。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、資金繰り判断、金融機関の貸出態度はともに改善している。
<景気ウォッチャー調査>
内閣府「景気ウォッチャー調査」の3月の現状判断DIは、前月を3.6ポイント上回り、53.7となった。先行き判断DIは、前月と変わらず、53.6であった。