このウェブサイトではJavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。正常に表示させるためにはJavaScriptを有効にしてください。ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した過去のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。
日本の飲酒量は戦後から最近まで増大し続け、それに伴い様々な飲酒問題が生じてきました。今後は女性の飲酒習慣に伴う女性の飲酒問題や内科等に潜在する問題飲酒者に対する対策、ならびに「健康日本21」等における予防対策が重要と考えられます。
健康日本21は健康寿命の延伸及び生活の質の向上を目指した国民的健康運動です。健康日本21《第1次》は2000年に始まり2012年に終了しました。2013年度からは健康日本21《第2次》が始まり、アルコールについて達成されるべき3つの目標が設定されています。それは2010年の基準値に比べて2022年までに生活習慣病のリスクを高める量(純アルコール換算で男性40g/日以上、女性20g/日以上)を飲酒している者の割合を15%削減すること、未成年者の飲酒と妊娠中の飲酒を2022年までにゼロにすることです。
アルコールに関係した問題の全てはアルコール関連問題と呼ばれています。ここでは関連問題を飲酒量や依存のレベルを基準に分類しました。すなわち多量飲酒・有害な使用・プレアルコホリズム・アルコール乱用・アルコール依存症です。各レベルはおおよそ依存の重症度を表わしており、問題に対する指導や治療目標もこの分類に従うことが多いものです。
飲酒・酩酊により「交通事故」「転倒・転落」「溺水」「凍死」「吐物吸引」などの様々な事故が引き起こされます。飲酒に関連した事故を防止するためには、その原因となっている飲酒を控えることがなにより大切です。また飲酒事故の背景にアルコール乱用やアルコール依存症が存在する場合には、それらに対する適切な治療が必要です。
アルハラ・家庭内暴力・児童や高齢者への虐待・犯罪など、飲酒に関連した暴力はいろいろな場面で起こっており、社会的にも大変重要な問題です。飲酒に関連した暴力を防止するためには、その原因となっている飲酒を控えることが大切です。またアルコール乱用・依存症が背景にある場合には、それらに対する適切な治療が必要です。
アルコールは運転に必要な技術や行動に対して極めて低い血中濃度から影響を与え、血中濃度が高くなればその分影響も強くなることが知られています。例えば集中力・多方面への注意・反応時間などは、日本の道路交通法により検挙される濃度(血中濃度0.03%)より低い濃度から障害されます。当然のことながら素面(しらふ)の状態よりアルコールの存在下の方が技術が向上するという証拠は全くありません。