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柴岡 弘郎 大阪大学名誉教授
新緑の輝くこの季節に、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第8回みどりの学術賞を賜り、また緑化推進運動功労者として表彰して頂き、誠に有り難うございました。一同を代表してお礼を申し上げます。
私達は、みどりの植物が作った食べ物を食べ、みどりの植物が作った酸素を吸って生きています。知識として十分に知っていましたが、ある時迄は、実感することがなく、食事の時も作ってくれた人には感謝しても、植物に感謝することはなかったように思います。ところが、自分で食事の支度をし、米を研いだり、キュウリを刻んだりしてみて、確かにみどりの命を頂いて生きているのだと実感するようになり、以後、食事の支度をする度に植物に感謝しております。また、みどりの植物がいなくなって、酸素が作られなくなったらどうなるかを考えると、これは大変なことだと、みどりを大切にしなければならないと云うことが、胸にしみてきます。
学術賞受賞者の井手先生は、地域の歴史や文化的背景をも考慮した土地の保全・利用計画についてのご研究を通し、また、緑化推進運動功労者の皆さんは、それぞれの地域で、みどり豊かな自然を守り、また作り出すことに努力なさって来られました。みどりに囲まれた自然の景観の保護、地域の生態系の保護など、みどりが無くなったらどんなことになるのかを心配する気持ちを持ちながらの研究、活動であったのではないかと思います。私自身も、みどりへの感謝を常に心に持ちながら、植物の成長や細胞の形態の研究活動を行ってきました。
私達一同は、今回の栄誉を励みとし、この国の人々が、みどりに感謝し、みどりを大切にし、豊かな自然を守り、そして自然に守られて暮らして行けるよう、今迄にも増して力を尽くして行こうと思います。この度は、私達の研究や活動が栄誉を受けることになりましたが、これは、私達の研究、活動を支えて来て下さった多くの方々のお陰です。この場を借りて、お礼申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。