このウェブサイトではJavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。正常に表示させるためにはJavaScriptを有効にしてください。ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した過去のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。
宮地 重遠 東京大学名誉教授、クリーンアース環境研究所所長
新緑の美しいこの季節に、天皇陛下ご臨席のもと、第7回みどりの学術賞を授与していただき、また、緑化推進運動功労者として表彰していただきましたことを、一同を代表してお礼のご挨拶を申し上げます。
私どもは、永年にわたって研鑽を積み重ね、「みどり」に関わる知識を豊かにするとともに、それぞれが専門とする分野において国土の緑化に取り組んできました。
現在、世界の人口は70億人を超えたと言われておりますが、私たちが生きていく上で欠かすことのできない食料や、呼吸に必要な酸素は、「みどり」が行う光合成によって供給されております。一般的に、私どもは、光合成を行う植物といいますと野原や山など陸上に生息する植物を考えがちですが、海中に住む藻類などの植物も陸上の植物と同じくらい高い生産性を有していることを忘れてはなりません。特に周囲を豊かな海に囲まれた日本では、こうした藻類の生産性を重視していく必要があると 思います。
また、地球上のあらゆる生物の生存を支えている「みどり」は、昆虫などの動物によって授粉しその個体数を増やしており、植物に限らず動物も含めた生物の多様性を自然の原点として考えながら、豊かな「みどり」を将来に引き継いでいくことが重要な課題です。
私たち一同は、本日頂いた栄誉を励みとし、なお一層の精進を重ね、国民が一層「みどり」に親しみ、「みどり」と共生する心豊かな国家として更に発展していくよう、微力ながら引き続き尽力して参る決意であります。
この度は私たちの研究や活動が栄誉を受けることになりましたが、これは多くの共に励んできた仲間や関係者のご支持とご協力があってのことであり、この場をおかりして、皆様に心よりお礼を申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。