このウェブサイトではJavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。正常に表示させるためにはJavaScriptを有効にしてください。ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した過去のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。
ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した2007年8月13日時点のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。収集時のURLは http(s)://suchix.kek.jp/%7Eshoji/topics/lecture.html ですが、このURLは既に存在しない場合や異なるサイトになっている場合があります。
※(注記)このページの著作権について
ヘルプ
保存日:
ヘルプ
保存日:
ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した2007年8月13日時点のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。収集時のURLは http(s)://suchix.kek.jp/%7Eshoji/topics/lecture.html ですが、このURLは既に存在しない場合や異なるサイトになっている場合があります。
※(注記)このページの著作権について
yama4
出張講義
いきさつ
2006年12月19日、20日に、山口県の高校で素粒子と宇宙に関する出張講義をしてきました。昨今、サイエンスの花形はバイオやナノばかりで、実利的な研究ばかりが注目される傾向が強くなっているように感じます。素粒子の研究というと、そもそも何も知られていない、あるいは知っていても、大金を使って役にも立たないことをやっているだけと思われているのではないかという危惧があります。新聞や雑誌でもっと取り上げてほしいという気もしますが、もちろん素粒子の研究者の側で伝える努力が足りないのも事実でしょう。で、自分でもできることはないかと思って、高校生への出張講義を思い立ったわけです。大学の先生による高校への出張講義は最近各地で盛んに行われているようで、その点では新味はありません。でもまあ個別の高校としては素粒子の話を聴く機会がそうそうあるわけでもないし、私個人としても自分でやってみて高校生の皆さんの反応を見てみたいというのもあるので、とにかくまずは試してみようということです。
もちろん、出張講義をやりたいからといってすぐにやらせてもらえるわけではありません。ゆとり教育とやらで学校はスケジュールにゆとりがないようで、時間を割いてもらうのはなかなか大変です。それに有名人ならいざ知らず、私のような無名の一般の研究者がやりたいと急に言っても普通は相手にされないでしょう。なのに今回どうしてやらせてもらえたかというと、そこはやはり人のつながりです。私が大学院生のときに山口県のある高校の物理と親しくさせていただいていて、その先生が現在は山口県内の別の高校で校長先生をされているので、事情をお話ししてお願いしてみたわけです。ありがたいことに、それじゃあうちでやってみたら?と言われて、しかもお知り合いの他の高校でもやらせていただくことになりました。
さて、いざ講義を準備する段になってこれは結構難しそうだということに(今さら)気づいたわけです。お話したい内容は、高校の授業ではその前の前の段階すらも出てきていないはずなので、やはり基本的には何も知識を仮定してはいけない。また、誰でもそうだけどつまんない話を最後まで聞く気にはならないので、誰にでも面白そうな話にしないといけない。で、この講義のコンセプトは、「ぶつけてみる」。それから、「もっとど〜んとぶつけてみる」、そしたら「素粒子がじゃかじゃか」、とかなんとかという直感的な内容にしてみました。これ以上の内容はネタがばれるので内緒にしときます。各ページに絵をいっぱい入れて、しかもおみやげまで持って行ってきました。このおみやげが何かは内緒ですが、秘書さんが2、3週間夜なべして作ってくれたものです。秘書さんに感謝。
山口高校
yama1
yama2
12月19日にお邪魔したのは山口県立山口高等学校。ここは県下随一の進学校だそうで、普通科と理数科があります。しかも今年度までスーパーサイエンスハイスクールにも選ばれています。ですから生徒さんもどちらかというと科学に興味をもっている子が多いと思われます。聞いてくれた生徒さんは理数科の1、2年生で総勢80名くらい。私も初めてのことで緊張しましたが、生徒さんたちの表情を見ると何となく歓迎されているような気がして落ち着きました。でも、前の晩にずっと考えていたオープニングジョークは場違いな気がしてやめました。講義はみんな大人しく聞いてくれましたが、質問は全然出なくて、やはりちょっと難しすぎたかなあ。でも、全員が感想を書いてくれました。それを読むとちゃんと聞いてくれていたようで少し安心。ここに全部書くのは大変ですが、少し紹介します。ここから講義の内容を想像してください。
- 素粒子という言葉は今までに何度か聞いていたけれど、その中に、奇妙な、かわいいといった言葉がつけられた素粒子や反粒子という定義は初めて聞く言葉だったので、もっと詳しい性質が知りたいと思った。素粒子という分野について理解することは今の段階ではとうてい無理だけど、興味をしっかり持つことができた。(理数科2年男子)
- 今日の講義はとてもわかりやすかった。しかし、たくさんの観点からのお話があったため、全体的なつながりがよく理解できなかった。いつも意識をしていないミクロな世界を、具体的に学ぶことができたことは、自分の世界観を広げるよい機会だったと思う。もう少し事前に学習してから講義を聞けばよかった。(理数科2年男子)
- 講義の内容には理解しづらい点もあったが、未知のものを発見しさらにその根源を探求し続けた偉人や、それを引き継ぐ研究者の方々に対して畏敬の念を抱いた。(理数科2年男子)
- 素粒子というとかなり難しい内容だと思っていたが、わかりやすかったので意外とおもしろかった。反物質が大量にためられたら...? という本はおもしろそうだったので読んでみたいと思った。(理数科2年女子)
- 日々めったに触れることのない内容だっただけに最初は理解できるか不安だった。講義を聞いて完全に理解できたとは言えないが、内容は興味を引かれるものがあった。イラストや写真、動画も多くあり、視聴しやすい講義だった。(理数科2年女子)
- 素粒子や宇宙論を理解したというよりは謎が広がったというか...。とてもおもしろかったです。が、理解はというと... どうだろう。むしろわからないことが増えました(笑)。素粒子って、(イラスト入り、橋本注)パックマンみたいですね。(理数科2年女子)
- 難しかったです...。カミオカンデが何をしているのかも何となく分かったので、実りはあったのでは... と思います。研究者のどん欲な精神にも驚かされました。もうしらないことばっかでした。(理数科2年女子)
- (中略)素粒子物理学とは、多くの学者の人たちが長い年月をかけ、一つ一つの積み重ねによって成り立っているのだと分かりました。(理数科2年女子)
- 素粒子のことから宇宙のことまでとてもスケールの大きいお話で、とても楽しかったです。橋本先生はとてもおもしろい方でした。今も宇宙は広がっていることにもびっくりしました。(理数科2年女子)
- 宇宙については膨張しているということや、一点から始まったということは聞いたことがあったので、そのことについて詳しい知識を得ることができて嬉しく思った。素粒子というとても小さなものから宇宙という大きな世界にまで広がっているということは驚きだった。本来はもう少し難しい話なんだろうけど、いろいろとかいつまんで分かりやすく説明してくださったので聞きやすかった。これからまた宇宙についての謎がとけていくのが楽しみ。(理数科2年女子)
- 素粒子の図を実際に見ることができてよかった。とてもきさくな方で、とても楽しい講義だった。内容はかなり高度だったので、はっきり理解できなかったが、根本的な事は学ぶことができたと思う。(理数科2年男子)
- とても興味の持てる内容だった。素粒子などについての考えがより深まった気がする。宇宙がとても神秘的に感じられた。ビッグバンから今の宇宙にあるすべてのものが構成されたのだと思うと、宇宙の不思議さに興味をそそられる。楽しかった。(理数科2年男子)
- 「素粒子」に関しては、中学生の時に興味があってインターネット等で調べたことがあったが、そのときは何のことかさっぱりわからなかった。しかし、今回の講義は、実際の研究者の方の話ということで、内容がまとまっていてとてもわかりやすかった。おかげで、中学生の時よりも少しよく理解できたように思う。とても有意義が講演だった。(理数科2年男子)
- 素粒子のおみやげをもらって嬉しかった。イラストやアニメーションを取り入れたプレゼンは見ていておもしろかった。素粒子論は何に役立つか => 色々な宇宙の現象を「知られた」ことに価値があるのだ、という考え方はとても賛同できる。(理数科2年男子)
- 素粒子と宇宙という一見反対のもののような分野が互いに深くかかわっているということに驚きました。小さな発見、小さな疑問からどんどん深く研究が進むということが分かり、楽しくなりました。講義の内容自体は難しかったけれど、とても分かりやすい説明で楽しめました。(理数科2年女子)
- 宇宙のはじまりは一点だったとか、原子は素粒子からできているとか、想像もつかない世界だなあと思った。質量がないものが質量をもつようになったとか、宇宙は見えているものでは質量が足りないとか、本当に宇宙は謎だらけだと思う。研究者は大変だなあとつくづく思った。まだまだ謎だらけではあるけれど、ここまで研究が進められたということは確かに誇れることだと思う。(理数科2年女子)
- 素粒子や宇宙については難しいことだけど、今日の講義では分かりやすくおもしろく素粒子や宇宙について教えてもらえて、今まで知らなかったことも分かったり、宇宙に興味が持てた。(理数科2年女子)
- あまり難しい言葉は使わずに分かりやすい比喩などで説明されていたので、親しみやすい内容に感じられた。写真や簡単な動画などが多く、あきない講義だった。(理数科2年男子)
- 今まで素粒子というものについての知識が全くなかったが、説明が分かりやすくてよかった。素粒子の研究が宇宙の研究と関係があるというのはとても興味深いと思った。それに研究施設の規模の大きさが驚きだった。(理数科2年男子)
- 正直いってこのような講義を聞くのは苦手なのだが、おもしろく話してくれたので、楽しくそして身近に感じながら聞けた。宇宙は一つの点から始まった。このような広い宇宙が一つの点だったとは信じられない。その周りには空間はなかったか。(中略)いろいろ不思議なことが頭をよぎった。そのような研究は自分達がこの宇宙にいる限り必要であると思った。(理数科2年男子)
- はっきりいって初めはかなり難しい内容だろうなと思っていたけれど、とってもユーモアがあって、おもしろそうな研究をしているのだなと思った。また、まだ宇宙にも知られていないことがたくさんあるということも知ることができた。(理数科2年男子)
- 素粒子はとても難しい内容だと思っていたけど、説明がおもしろく、分かりやすかったので興味をもてたと思う。これからの科学にもとても大きな関係があって大切な分野だと感じた。(理数科2年男子)
- 私は宇宙に関心があります。宇宙はどこまで続くのか、なぜ宇宙はできたのか、疑問に思っていました。宇宙のはしっこに行くのが私の夢だったけれど、宇宙は膨張していると聞いて少し残念に思いました。(中略)今日は貴重なお話をしてくださり、ありがとうございました。新たに自分でも調べてみようという気持ちがわいてきました。(理数科2年女子)
- 今まで全く知らなかった分野の講義だったので、とても楽しく聞くことができた。特に「反粒子はどこにいった?」という話題では、その結論に達するまでの考えや実験がわかりやすく、興味がわいた。講義の後半では、まだ結論が出ていない考えも多々あったので、その研究がさらに進み、新たな発見が見つかることを期待している。(理数科1年女子)
- 今日の講義を受ける前に予備知識として担任の先生の授業を受けてその時はさっぱり分からなかったので、今日も私では何も理解できないんだろうな、と思っていました。ですが、話の途中でのちょっとした説明や分かりやすい絵で、少しずつですが分かることができました。(理数科1年女子)
- 素粒子なんて最初は本当ちんぷんかんぷんでわかりませんでした。でも、今日の先生のお話は映像を使ったりしていて少しこのことに興味をもつことができました。こんな話を聞く機会はめったにないので、貴重なお話を聞けてよかったです。将来、もっと宇宙についての謎が解けているといいですね。(理数科1年女子)
- 橋本先生は今日が初講義だと聞いたが、説明が非常にわかりやすく、おもしろい人で充実した時間だった。(中略)この講義を終えてなんとなくではあるけれど、素粒子と宇宙のことについてわかってきた。そして少しずつ興味がわいてきた。今まであんなに巨額の資産を投じて施設を作ってどんな意味があるのだろうかと思っていたけれど、大きな意義があること、そしてまだまだ進歩している研究であるということがわかり、自分でも少しずつこのことを学んでいきたいと思った。(理数科1年男子)
- 素粒子と聞いても今まではイメージすらできなかったけれど、今日の講義を聞く中で、イメージが体系化され、自分の中で確立していった気がする。(理数科1年男子)
- 初めは退屈なのかと思ったが、興味を深めることができた。素粒子や宇宙のことを詳しく知るのはおもしろいと思った。(理数科1年女子)
- 疑問の原点を、「物質をできるだけ小さく分けたらどうなるのだろう?」あるいは「できるだけ遠くを見るとどうなっているんだろう」という易しい言葉で示してくださったことが新鮮だった。今まで難しい用語が自分の中で先走りしていたので、このことは少し興味をもってみようという大きな一歩になった。講師の方も、最初の子供でも思いつきそうな疑問を少しずつ難しくする形で説明して下さったので、かなり頭に入りやすかった。(理数科1年男子)
- 講義を聞いているとある疑問が生まれたらそれを研究して実験して確かめ、そうするとまた次の新しい疑問が生まれる、という繰り返しで、よくこんなことが続けられてきたなあと思いました。宇宙がいつどのように始まったか、とか誰も見たことがない出来事や様子がわかるなんて変なことだけれどすごいと思います。(理数科1年女子)
みなさん、よいしょがお上手です。もっといっぱいあったんだけど、全部を書くのはやはり無理でした。他にも紙に小さな字でびっしり書いてくれた生徒さんもいて感激しました。高校生ともなると社交辞令も入ってくるでしょうから割り引いて考えてないといけませんが、それでも言いたいことが伝わっているようでうれしかったです。(2006年12月28日記)
熊毛北高校
kumage1
12月20日は、山口県立熊毛北高等学校にお邪魔しました。熊毛というのは、岸信介の出身地、そしてこの高校は197年にもおよぶ歴史を誇る伝統校だそうです。現在こちらは、ライフデザイン科という被服栄養関連の学科もあり、したがって女子生徒さんが多く全体の9割を占めていると伺いました。こちらでは何と体育館で全校生徒さんにお話するということになりました。理数科の生徒さんとは違って、理系の分野にはなかなか興味をもってもらえないでしょうから、私にとってはかなりのチャレンジでした。
話した内容は同じです。やはり少し難しかったかもしれません。でも皆さん静かに聞いてくれました。途中から寝ちゃった子もいたけど、寒くなかったかな? こちらの生徒さんの感想はまだ届いてないので、また後日。(2006年12月28日記)
さて、当日の様子。全校生徒の皆さんがそれぞれ椅子を持って体育館に集まって来られました。寒い冬の日の体育館は冷えます。女の子は膝掛け持参。キティーちゃんとか、かわいいのを持った子が大勢集まってきて、私はちょっと場違いなところにきてしまったと後悔してきました。何しろライフデザイン科です。こっちはファッションなんて生まれてこのかた一度も気にしたことがない。しかもスーツなんて上手に着れないのでかなり中途半端な服装。戦う前から敗けは明らかでした。
紹介されて話し始めたけど、やはり反応も感じないし表情つまんなそう。やっぱりみんな興味なかったかなぁ。でも、おみやげはワイワイ言って見てくれました。その後はちゃんと聞いてくれた子もいれば、寝ちゃった子もいたみたい。やはり、もっと巧みな話術が必要だったのかも。今後の課題です。何はともあれ、生徒さんが書いてくれた感想はこんな感じ。なにしろ数が多いのでかなり抜粋です。
- 今日の講演を聞く前は題を聞いただけでとっても難しそうな話だと思っていた。内容は思った通り難しかったけど、パワーポイントを使って写真を多く取り入れていてちょっとは興味がもてた。(3年女子)
- 今日は橋本さんの話を聞いてとても為になりました。物理の面白さがわかった気がします。(3年女子)
- 今日の講演を聞いて少し難しかったなと思いました。授業で習っていたところのもっと小さな素粒子についての説明を聞いて頭がこんがらがってしまいました。(3年女子)
- 今日の話はすごく難しくてよく分からないことが多かった。けど、少し宇宙のことに興味を持ちました。宇宙の成り立ちなんかはおもしろかったです。わからないことが多かったけど、この研究はものすごい時間と根気、集中力が必要だなとおもいました。すっごい物理が好きでないとここまでできないと思います。けど、発見する喜びなどはすばらしいものだと思います。(3年女子)
- 宇宙がどうやってできたのかずっと疑問だったけど、ビッグバンの爆発が始まりだったことがわかってすっきりしました。でもビッグバンがあった空間は何でできたのかがまたきになります。もっといろんなことを知りたくなりました。今日はとてもおもしろかったです。(3年女子)
- いまいち理解できず、あまり興味が持てなかった。興味があって好きだったら楽しいのだろうなと思った。橋本先生がずっと笑顔で楽しそうに講演していたのが一番印象に残った。(3年女子)
- 今日の講演は今までの中で一番楽しかった。宇宙のことにはすごく興味があるので、とても良い勉強だった。宇宙の誕生が137億年前のビッグバンによるものだということなど、いろんな発見ができて良かった。また機会があったらたくさん話を聞きたい。(3年女子)
- 素粒子がどんなに難しいものか分かった!(3年女子)
- よくいろんなことがわかったのでとてもためになりました。とても感動しました。とてもいろいろ学びました。興味がわいてきました。(3年女子)
- 宇宙って調べてもきりがないから調べないほうがいいじゃんと思った。(3年女子)
- 私は一番前だったのですが、橋本さんが私の前をうろちょろして、いつか質問されるのではないかとビクビクしました。宇宙のことはむつかしくてわからなかった。先生方はとても楽しそうにしていたよ。(3年女子)
ここら辺にしときましょう。やはり厳しかったみたいですね。2年生、1年生はもっと難しかったという子が多いようです。私が一番受けたのはこれ!
- 話が難しくてよく分かりませんでした。いろんな図などを見ても理解できず、目をおおうだけでした。おみやげはいばらぎから来られたということで食べ物だと思ったけど、XXX(ネタばれするので伏せ字。橋本)だったのでちょっとショックでした。でも先生はとても楽しそうに話していました。(1年女子)
はい。ありがとうございます。私はとっても楽しかった。おみやげが食べ物じゃなくてごめんね。次回は水戸納豆にしようかなぁ。
以下、まじめな話。難しすぎたのは生徒さんのせいではなく、ひとえに私の力不足です。普段は理科に興味をもたない方に興味を持ってもらうにはどうすればいいのか。今回の出張講義は成功した部分もありましたが、反省すべきことも多かったように思います。伝えたかったことは、「人類はこんなに素粒子と宇宙のことを知っている。すばらしいじゃないか!」ということだったのですが、できるだけ全体像を把握してもらえるようにと考えたせいでいろんな話題がたくさん出てくることになってしまい、それが退屈だという面はあるのかもしれません。むしろ楽しいエピソードや苦労話、人間ドラマのような話にすべきだったのかも。
寒い中、一時間以上も熱心に聞いてくれた生徒の皆さん、本当にありがとうございました。いただいた感想の中に、「先生は自分のやりたいことを仕事にできて楽しそう。私も自分のやりたいことを見つけたい」という意味のことを書いてくれた子が何人もいました。熱中できるものが見つかるといいね。おじさんからのアドバイスを一つ。「どんな仕事でもいいから真剣にやってみてはどうでしょう。最初からうまくできることなんてありません。必ず改善すべきことがいくつも見つかります。毎日が試行錯誤、一年もすれば確かに去年よりも進歩したと思えるようになります。どんな仕事でも日々、研究の連続なんです。そして、研究するって楽しいですよ」。
日刊新周南新聞という地方紙で紹介していただいたそうです。12月22日版の一面左下。残念ながらウェブページには載っていませんでした。(2007年01月11日記)
まだまだ修行中です。こんな話でもいいからうちの高校でも話をさせてやるか、という先生がいらっしゃいましたら、メールでご連絡いただけましたらうれしいです。
橋本省二 shoji.hashimoto@kek.jp