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2007年2月7日
日本のプレート沈み込み帯とケニアの拡大系大陸縁辺部 赤道域において大陸東岸と大洋西側が接する場所は世界に2つあります。一つは南アメリカのアマゾン河口域、もう一つはアフリカのソマリアからケニア海岸域です。しかし、両者の自然環境は著しく異なります。ソマリアからケニアでは、乾燥環境(サバンナと砂漠)が顕著であるのに対して、アマゾンでは熱帯雨林とデルタ環境が卓越しています。
ケニアでは、内陸、海岸(サンゴ礁海岸)、沖合の環境がリフト地形の発達、モンスーン気候、インド洋ダイポールモード(IOD)現象の相互作用によって影響を受けています。その環境システムは比較的シンプルであり、全球規模の現象と密接に関連しています。また、過去300万年、人類の祖先は東アフリカのリフト帯で進化してきました。
ケニアとその沖合は、地球テクトニクスと環境変動、そして人類進化の関係を理解する上で極めて重要な場所です。JAMSTECでは、地球環境フロンティア研究センター、地球環境観測研究センターを中心に、地球規模の気候変動をもたらすエルニーニョ・アジアンモンスーン等の解明を目指してインド洋などでの観測・研究を展開しています。
今回、地球深部探査船「ちきゅう」がケニア沖で海外試験掘削を実施しているのを機会として、海洋地球科学に関する日本とケニアの交流を図ることを目的として、在ケニア日本国大使館・広報文化センターにおいて「ケニアと日本の海洋科学交流セミナー」を2007年1月16日に開催いたしました。
開会の挨拶として、宮村日本国大使、Prof. Mogohaナイロビ大学副学長から、今回のセミナーは日・ケ両国の科学分野では初めての交流の機会であり、今後の展開への期待のお言葉を頂きました。また、講演においては、日本側、ケニア側ともにインド洋西側及びアフリカ大陸東側のおける海洋・地球科学的状況・現象について、研究活動の紹介と今後の協力に係る展望について述べられ、大変意義深いものとなりました。
今回の交流セミナーでは、日本の海洋研究、地球環境変動研究および地球深部探査船「ちきゅう」について紹介するとともに、ケニアおよびインド洋の環境変動、テクトニクス研究についての意見交換を行い、両国協力の可能性について打ち合わせを行うことを大きなミッションとしましたが、セミナー開催、分野別協議、ナイロビ大学や研究機関との交流を通じて、その目的は十分に達成され、今後の展開につながる成果を得ることができました。同時に、開催に当たっては、在ケニア日本大使館・広報文化センター、ナイロビ大学、ケニア海洋水産研究所などから多大なご協力をいただきました。