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東京大学 -日本財団FSI 海洋ゴミ対策プロジェクト(2019-2021)

Columns & Reportsコラム・レポート

2021年11月15日
出版物の紹介 『プラスチックのうみ』(ミシェル・ロード 作,ジュリア・ブラットマン 絵)
2021年11月10日
プラスチック汚染防止には拘束力ある国際協定が不可欠〜欧米などの専門家が指摘し,試案を提示
2021年10月18日
出版物の紹介 『海の歴史』(ジャック・アタリ著)
2021年10月08日
ギンザケの急性死は自動車タイヤ由来の化学物質が引き起こしている?〜アメリカの研究者らが高い可能性を指摘
2021年09月22日
プラスチックのアップサイクル〜高付加価値と資源循環への挑戦
2021年09月03日
使い捨てプラスチック製品の12品目の削減に具体策,2022年4月から施行
2021年09月01日
環境問題をプラスチックから考えてみる4:国外の情勢 3 「地球環境サミット」から「ミレニアム開発目標」「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言」
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About this project本プロジェクトについて

海洋に流出するプラスチックの量は世界のGDPと相応じて増え続け、環境汚染が顕在化しています。プラスチックはプランクトンや小魚、さらには海鳥によって摂餌され、プラスチックそのものに含まれたり環境中から吸着した有害な化学物質を生体内に運んだり、太陽光を浴びるうちに劣化してメタンガスのような二酸化炭素よりも強い温室効果を持つガスを放出することが知られるようになりました。世界中の多くの研究者から次々と報告されるプラスチックの問題は、もはや経済活動に影響を及ぼすまでになってきています。
しかし、多くの懸念が示され、予防的なリスク管理が必要とされている中で、具体的な政策に結びつく、根拠といえる実態を私たちはどのくらい知っているのでしょうか。残念ながらあまりよくわかっていないというのが実情なのです。例えば、海を漂う多量のプラスチックごみはいったいどこに行ってしまうのでしょう?
そこで東京大学は、日本財団から未来社会協創基金(FSI基金)に助成を受け、2019年から3年間、大気海洋研究所に「海洋プラスチック研究事務局」を設置し、「FSI海洋ごみ対策プロジェクト」を立ち上げて、海洋のプラスチックごみ対策にむけた研究、情報発信を、国内外の研究機関と連携して行なっています。

Our missionミッション

ActI海洋プラスチックごみ問題に対する科学的知見充実

海洋プラスチックごみの問題を考えるときに基礎となる科学的な知見を充実させ、信頼できる科学的根拠に基づいて問題を捉えることが大切です。このため、東京大学を中心に、様々な大学や研究機関が連携した取り組みを実施しています。

  • テーマ01海洋マイクロプラスチックに関わる実態把握
  • テーマ02マイクロプラスチックの生態影響評価
  • テーマ03プラスチックごみ削減方策に関する総合的研究

ActII国際的ラウンドテーブル等の開催による情報発信

国内外の研究者や専門家の対話集会・シンポジウムの開催、国連機関をはじめとした国際的な研究集会などへの参画、アジア地域内の能力開発、市民に向けたアウトリーチ活動を行なっています。

From Project Leaderごあいさつ

東京大学大気海洋研究所
東京大学大気海洋研究所
教授 道田 豊 / MICHIDA Yutaka
「科学に基づくリスク評価情報の提供を目指して」

ここ数年、海洋プラスチックごみ問題が国際的にも重要な課題と認識されてきています。とくに2015年のドイツ・エルマウサミット以降は国際政治の場で各国首脳が直接言及するようになり、2019年のG20サミットでは「大阪ブルーオーシャンビジョン」を共有し、2030年までに海洋プラスチックの追加的汚染をゼロにすることとしました。この課題自体は急に生じてきたものではなく、すでに1970年代には、海洋におけるプラスチック汚染に警鐘を鳴らす研究が報告されていました。
過去10年ほどの間、国内外の多くの研究者が海洋プラスチックに関する研究に取り組み、次々と成果が挙げられています。しかし、依然として未解明の部分が極めて多く、効果的な対策を講じるためには、リスク評価も含めた幅広い研究を進める必要があります。東京大学でも、2019年度から日本財団との協力により、いくつかの大学や研究機関等の参加も得て3年計画で関係の研究を開始しました。本研究プロジェクトでは、特に実態がよくわかっていない1mm以下の小さなプラスチックに焦点を当て、その分布や輸送の実態解明、生体および生態系への影響評価を目指します。これら自然科学的課題に加え、プラスチックごみの全体量を削減するための方策についても検討を進めることとしています。
きわめて複雑で、実態のよく分かっていないこの課題に対して、こうした学際的な研究を強力に進めることにより、できる限り確かな科学に基づくリスク評価に関する情報を社会に提供することを目指します。重い課題であることは十分承知していますが、多くの方々と意見や情報の交換を行い、協力することでこの課題に取り組んでいきたいと思います。

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