東京大学 大気海洋研究所 資源解析分野:研究テーマ

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ENGLISH


本分野では、海洋生物の個体群を対象として、数理的手法を用いた研究を展開しています。まず、限りある海洋生物資源を合理的かつ持続的に利用するための、資源管理・資源評価の研究を行っています。近年では、日本周辺のマサバとノルウェー等が漁獲しているタイセイヨウサバの資源評価と管理を比較した研究を行うことで、両種の生活史の違いが漁業や資源管理に与える影響の重要性を示すことができました。また、次世代シーケンサーに象徴される昨今の分子生物学的手法の躍進的な技術的革新を資源解析学へと援用するさきがけ的な試みとして、対象種の中立遺伝情報からセンサス個体群サイズを推定するための統計モデルを構築する研究も進めています。これらに加えて、海洋生物の進化動態に焦点をあてた理論研究も進めており、海洋生物の浮遊幼生に関する生活史進化に関する研究や、海洋酸性化に対する円石藻の適応を予測するための研究にも取り組んでいます。利用している数理的手法としては、1VPAや統合モデルに代表される資源評価モデルに加えて、2最尤推定・ブートストラップ・階層ベイズモデル・MCMCといった計算機集約型の統計学的手法があります。さらに、3行列個体群モデル・PDE個体群モデル・個体ベースモデル・最適生活史モデル・量的遺伝モデルといった各種の数理モデルを駆使しています。当分野では、行政のニーズに応じて資源評価のための数値計算を補助したり、他分野の研究者から実証データの統計解析を受託することで、社会やアカデミアへの貢献を日常的に行っています。


海洋生物の資源評価と管理に関する研究
VPAや統合モデルを用いて、断片的で誤差を含んだ漁業統計や試験操業データから、個体数や生態学的パラメータを統計学的に推定するための研究や、環境の上確実性に対して頑健な資源管理を実現するための研究をしています。【詳しい内容を見る】


中立遺伝子情報を用いた個体数推定法の開発
個体群サイズを推定するための新しい手法を開発しています。遺伝情報と齢構造を取り入れた個体群モデルを作り、スパコンを用いることで、階層構造をなすパラメータのベイズ推定を行います。【詳しい内容を見る】


海洋生物の進化生態に関する理論研究
個体群動態を記述するモデルは、進化動態を記述するレプリケーター・ダイナミクスのモデルへと転用可能であるため、海洋生物の生活史進化や繁殖生態に関する理論研究も行っています。【詳しい内容を見る】


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