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第64次日本南極地域観測隊員候補者の公募について
2021年9月17日
南極地域は、その地理的特性に伴う環境モニタリングの重要性の観点から、科学研究や観測を欠かすことができない特別な地域です。我が国は、1955年11月の閣議決定に基づいて、南極地域観測統合推進本部(事務局:文部科学省、以下「南極本部」という)の下で、国際地球観測年(第3回極年)を契機に1956年度から国家事業として南極地域に観測隊を派遣して観測活動を継続的に実施してきました。その観測史上においては、オゾンホールや大量の隕石の発見、オーロラ発生機構や大陸氷床コアによる過去72万年の気候変動の解明など、多くの科学的な成果をあげてきており、2022年度(第64次)からは、南極地域観測第Ⅹ期6か年計画に基づいた観測計画の実施に取り組む予定です(※(注記)現在策定中)。
南極地域観測事業の実施中核機関である大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所(以下、「国立極地研究所」という)では、従来、主に関係機関や大学・研究機関などからの推薦に基づいて隊員候補者の選考を実施してきましたが、2004年度からは、一部の分野において、広く有為な人材を集めるため、公募を実施しています。
この度、2022年秋に日本を出発する第64次南極地域観測隊の編成に当たり、国立極地研究所が担当する設営部門のうち以下に示す特定の分野について、広く観測隊員候補者(国立極地研究所の期限付き職員として雇用)を公募することといたしました。
重要:募集にあたって
公募時点で2022年度予算が成立していないため、この後の予算状況等の変化による計画変更等により公募内容が変更されることもあります。その場合、分野によっては公募開始後であっても募集が中止となる可能性がありますので、予めご承知おき下さい。
また、昭和基地周辺の海氷状況は毎年変化しており、南極観測船「しらせ」の砕氷航行をはじめ物資輸送など観測隊の計画遂行に影響を及ぼしています。加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、各国の南極観測プログラムに影響を及ぼしており、今年出発する第63次隊においても、当初計画の見直しを行っております。南極地域観測事業は、このように観測・設営計画が変更・中止となる可能性を常にはらんでおり、その場合、観測隊員の業務に直接的な影響を及ぼします。応募の際は、このような事情から業務内容が当初計画から変更される可能性があること、昭和基地への派遣期間が変更(中止を含む)となる可能性を含んでいることを、予めご承知おき下さい。
1. 募集要項
2. 選考方法等
3. 選考以降の手続き、スケジュール等
4. 雇用条件等
5. 問い合わせ先等
●くろまる各資料(PDF)の一括ダウンロードはこちらから
●くろまる応募様式(PDF・WORD)の一括ダウンロードはこちらから
※(注記)各資料・様式は本文の青字をクリックしてもご覧になれます。
募集を行う分野は、モニタリング観測(越冬隊:2名)です。南極観測におけるモニタリング観測の位置づけや観測の内容については(資料1-1)をご覧ください。職務内容及び条件(必要な又は望ましい能力、経験、資格等)については(資料1-2)をご覧ください。
南極は極寒、強風、極夜の存在など、自然環境の過酷な場所です。また、南極での行動中は文明圏と隔離された少人数からなる閉鎖社会となり、国内とはかなり異なった条件下で業務に就くことになります。職務に必要な専門的知識・経験を有することはもとより、心身ともに健康で協調性があり、歴史ある国家事業に従事する観測隊員としての自覚と責任を持てることが条件となります。
詳しくは、
①南極地域観測隊員として観測事業に携わることについての説明(資料2)
②南極における医療の現状と限界についての説明(資料3)
をご確認ください。
なお、「南極における医療の現状と限界についての説明」については、本公募で選考され、隊員候補者となった後、改めて説明がなされます。そのうえで、出発前に承諾書(資料4)を提出して頂きますので、予めご承知おき下さい。
応募書類として以下1〜3の書類をご準備ください。様式の指定のあるものは、必ず指定された様式をご利用ください。応募書類に不備があった場合、選考の対象とはなりませんのでご注意下さい。古い様式(過去の隊次)の書類を用いて応募された場合も受理できません。万一、応募書類に虚偽や事実と異なる記載があった場合は、雇用開始後であっても雇用取り消しとなります。
応募用紙の記入は、PC入力可能ですが、氏名欄は自筆または記名押印してください。自筆署名または記名押印の無いものは無効となり、受理できません。
2推薦状(1通)
以下の要領で1通用意してください。
・ 推薦状は、親族関係にある者以外が作成すること。
・ 現在の職場の代表者、所属長もしくは上司が作成したものが望ましい
(現在本人が自営等で代表者の場合は、旧所属の代表者、上司、主な取引先など)。
・ A4サイズ、1枚以内とし、表面のみで書ききれない場合は裏面を利用すること。
・ 応募者の氏名及び推薦状作成者の住所、氏名、電話番号、メールアドレス、作成年月日が必ず明記され、併せて推薦者と応募者との・ 関係が明確に記載されていること。推薦者には、応募者の経歴や職務遂行能力等について担当から問い合わせをする場合があります。
・ 推薦理由には、応募者が「観測隊員に求められる資質(資料5)」及び「担当する観測(共通+各分野)で求められる条件(資料1-2=職務遂行能力)」を満たすことについて分かりやすく記載されていること。
・ 推薦状は必ず推薦者本人が署名し、封印したものに限る。
・ 過去観測隊に参加経験のある方が応募される場合、参加隊次の隊長・副隊長には推薦状を依頼しないで下さい(参加隊次の隊長・副隊長が作成した推薦状は受理できません)。
・ 推薦状の数量は選考に影響しません。推薦状を2通以上同封された場合は、無作為で抽出した1通を採用し、他は開封せず処分します。
3健康状況のわかる書類
下記の書類を準備してください。aとbは必須、cは該当する場合のみです。
a:南極地域観測隊員候補者健康調書(一部抜粋)(様式2)(PDF/WORD)
本調書は、観測隊員候補者となった後に提出いただく健康判定に要する書類の一部抜粋版です。公募時点での健康状態及び既往歴について、正確に漏らさず記載してください。
b:所属先等での直近の健康診断結果(写可)
c:現在かかっている病気等がある場合はその診断書(写可)
上記応募書類1〜3を以下の応募書類送付先まで郵送してください。郵送の際は、送付漏れを防ぐため、応募のためのチェックリスト(PDF/WORD)に記入し、書類の頭に添えてください。郵便事故等による未着についての責任は国立極地研究所では負いかねますので、心配な方は書留にしてください。また、郵送時は封筒に「南極地域観測隊員候補者応募書類在中」と必ず朱書きしてください。応募方法は郵送のみとします。メール送信や直接のご持参等は受け付けません。
2021年11月15日(月)17:00必着(締め切りを過ぎて到着した場合は受理できません)
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所
南極観測センター 企画調整チーム(TEL:042-512-0780)
選考は、下記により実施します。
国立極地研究所南極観測委員会のもとに置く観測隊編成・隊員候補者選考分科会が選考を行います。
第1次選考を書類選考で、第2次選考を面接試験で行います。面接試験は一人当たり最大で一時間程度を目安として、応募書類・推薦書類をもとに動機、経歴や職務遂行能力について詳細なヒアリングを行います。
選考は以下のスケジュールで行う予定です。
1第1次選考(書類選考):11月下旬
2第2次選考(面接実施日):12月20日(月)
第2次選考対象者には、第1次選考終了後直ちに面接時間を通知します。面接は、国立極地研究所で行う予定ですが、場合によってはテレビ会議システムを用いて実施する場合もあります(選択・希望はできません)。なお、面接に要する交通費は、各自でご負担ください。
3結果通知
第1次選考の結果は12月初旬、第2次選考の結果は12月末までに郵送で応募者に通知する予定です。
以下の資質、条件を満たすかの観点から選考を行います。
1観測隊員に求められる資質(資料5)
2担当する観測(共通+各分野)で求められる条件(資料1-2)
選考された候補者がその後の健康判定で不合格になった場合に備え、補欠候補者(交代要員)の選考を行う場合があります。
隊員候補者として選考された者については、選考結果の受諾すなわち観測隊参加の意思を確認した上で「観測隊員候補者」として国立極地研究所への雇用含め諸手続きを開始します。
1身体検査受検:2022年1月中〜2月中旬
2冬期総合訓練:2022年2月28日(月)〜3月4日(金)
3健康判定:2022年4月頃
4雇用手続開始:健康判定合格以降
5夏期総合訓練:2022年6月中旬
6隊員決定(南極地域観測統合推進本部総会):2022年6月下旬
7国立極地研究所に雇用・勤務開始:2022年7月1日
本公募で選考された段階では隊員「候補者」であり、隊員としての正式決定に向けて国立極地研究所が指定する病院(東京都内)で身体検査(資料6)を受検していただきます。特別な検査項目を含むため、最大3日間程度かかることをご承知おきください。
検査日程は国立極地研究所が指定し、第2次選考結果と併せて通知します。なお、身体検査に要する検査費用及び旅費(交通費及び宿泊費等)は、国立極地研究所が負担します。
隊員候補者を対象に冬期総合訓練を実施します。観測隊の全体計画の講義に加え、冬期の寒冷地において登山技術を中心とした各種の実技訓練を実施し、寒冷地での行動技術を習得していただきます。併せて、前述の選考分科会として観測隊員としての適性判断も目的としますが、期間中に実技や学科のさらなる試験はありません。
本公募で募集する隊員候補者は必ず訓練に参加していただく必要がありますので、予めご承知おき下さい。なお、訓練に要する経費及び旅費は国立極地研究所で負担します。
身体検査結果をもとに国立極地研究所の極地観測隊員健康判定委員会において健康判定(判定基準:1年4か月に渡る南極出張に支障のない健康状態であるか?)を実施し、判定に合格した候補者だけを国立極地研究所から正式な隊員候補として南極本部に推薦します。その後、南極地域観測統合推進本部総会での承認を以て観測隊員として正式決定します。
このように、本公募のプロセスにおいて健康判定は、書類選考(一次)、面接選考(二次)、冬期総合訓練(適性判断)に続く実質的な最終選考との位置づけになります。
なお、健康判定の過程で、再検査を求める場合があります。再検査を求められた場合は、指示に従って速やかに受検してください。再検査に要する経費は旅費も含め、国立極地研究所が負担します。
また、同じく判定の過程で出発前までに治療の受診や薬の確保等の条件が付される場合があります。その場合は、条件に従って治療を受け、その結果報告等を以て判定合格となります。なお、治療に要する経費は各人で負担いただく必要がありますので承知おきください。
重要:健康判定で不合格となった場合、観測隊への参加が不可能なため、国立極地研究所における雇用は取り消しとなります。また、南極出張については判定の合格がゴールではなく、そこから帰国までの自己管理が最も重要な要素となります。
隊員として決定した場合、以下の条件で国立極地研究所が雇用します。
「南極地域観測職員」として「情報・システム研究機構国立極地研究所特定有期雇用職員就業規則」(資料7 )適用の下に雇用します。
2022年7月1日 〜 2024年3月31日
重要:冒頭の<重要:募集にあたって>に関連して、計画の変更に伴う派遣期間の変更(中止を含む)が発生した場合、雇用期間については別途相談させて頂きます。また、健康判定で条件付きになった場合、対応に要する期間によっては雇用開始が遅れることもあります。
1)給与は「情報・システム研究機構国立極地研究所特定有期雇用職員就業規則」(資料7 )適用の下、月額基本給を毎月支給します。所謂ボーナスに相当する部分は、月額基本給に含まれています。月額基本給は、健康判定合格後、雇用関連の書類提出を経て年齢・経験等をふまえ個別に算出して雇用開始前に連絡します(一次選考を通過した時点で、目安となる額を示します)。
2)月額基本給のほかに、通勤手当(2km以上の距離を交通機関等を利用して通勤した場合に支給)、時間外手当(所定の勤務時間を超えて勤務を命じられた場合)、極地観測手当(南緯55度以南=南極域での勤務期間が該当)が支給されます。
3)任期満了時、退職手当の支給はありません。
4)雇用に関わる諸手続きについては、冬期・夏期総合訓練で説明会の時間を設けます。
第64次隊に関する日程の概要は、(資料8)のとおりです。今回の募集はすべて越冬隊の募集であり、南極への出張期間は、2022年11月下旬〜2024年3月下旬(約1年4か月間)を予定しています。
・本公募に関連して提出された個人情報については、選考の目的に限って使用します。選考終了後は、採用された方の情報を除き、全ての個人情報は責任を持って廃棄します。
・今回の公募とは別に、現在所属する会社、大学、研究機関等の身分のままで、国立極地研究所が南極本部に隊員候補者として推薦する者を選考しています。
ご不明な点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
国立極地研究所南極観測センター企画調整チーム
TEL:042-512-0780 E-mail:ant-pact@nipr.ac.jp