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知ろう!記者に発表した最新研究

2012年2月20日発表
地震(じしん)津波観測監視(つなみかんそくかんそく)システム」(DONET(ドゥーネット))を新たに設置!
南海地震に(そな)える!

地震がくると、震源や震度、津波が心配になりますね。今回とり上げる南海地震は、紀伊半島の紀伊水道沖から四国南方沖を震源域(しんげんいき)として、100年〜150年おきにくり返し発生する巨大地震の1つ(図1)。今後30年以内には、約60%の確率(かくりつ)で発生するといわれています(地震調査研究推進本部(じしんちょうさけんきゅうすいしんほんぶ))。


[画像:南海地震の震源域]

図1:南海地震の震源域

南海地震に備え、ジャムステックは他機関と協力して、地震活動や津波発生などをリアルタイムでとらえる「地震・津波観測監視システム」(DONET)を震源域に設置(せっち)します。このたび、その拠点(きょてん)となる陸上局の建設地が徳島県海部郡海陽町(とくしまけんかいぶぐんかいようちょう)まぜのおかと高知県室戸市 室戸市立室戸東中学校に決まりました。完成すれば、紀伊半島熊野灘沖に続く全国で2例目となります!


四国沖の海底では、フィリピン海プレートのしずみこみによってユーラシアプレートがひきこまれ、ゆがみがためられています(図2)。そのゆがみが限界(げんかい)に達すると、ユーラシアプレートは元にもどろうとはね上がり、地震を起こします。

[画像:南海地震発生のメカニズム]

図2:南海地震発生のメカニズム

避難(ひなん)や防災行動の時間をかせぐには、地震発生をできる限り早く知ることが重要です(参考:2011年8月26日発表)。そこでジャムステックでは、 迅速(じんそく)に地震活動や津波発生をとらえ情報発信するシステムの研究開発を行っています。

DONETは、高精度(こうせいど)な地震計や津波の発生をとらえる水圧計などの観測装置(かんそくそうち)を、震源域の海底に設置し、海底ケーブルでつないだシステムです(図3)。まるで聴診器(ちょうしんき)を震源域にあてるように、観測装置が震源域を24時間ずっと監視(かんし)します。海底は陸より雑音(ざつおん)が少なく静かなので、人間では気づかない小さなゆれや変化も観測できます。

観測データは海底ケーブルを伝って陸上局へ送られ、ジャムステックなどに(とど)けられます。そして、地震の発生時には観測データが地震解析(かいせき)に役立てられます。


[画像:DONET]

図3:DONET

これまでに、東南海地震の震源域(紀伊半島(きいはんとう)熊野灘沖(くまのなだおき))に設置されました。これに続く全国で2例目として、南海地震に備え紀伊水道沖にこのDONETを新たに設置します!

観測装置を設置するのは、紀伊水道沖約190�qまでの約30カ所です(図4)。水深は1,000〜3,500m。観測装置をつなぐ海底ケーブルの全長は約350�qにわたります。電力供給や観測データを送る陸上局は、徳島県海部郡海陽町 まぜのおか、高知県室戸市 室戸市立室戸東中学校に建設する予定です。


[画像:DONETの設置位置(変更する可能性が有ります)]

図4:DONETの設置位置(変更する可能性が有ります)

紀伊水道沖に設置するDONETにより、南海地震の緊急地震速報・津波警報(つなみけいほう)を迅速に高精度に発信できるようになること、そして地震発生予測の研究に役立てられることが期待されます。

地震は防ぐことはできません。しかし、その被害を可能(かのう)な限り減らすために、ジャムステックは全力で研究開発にはげみます。

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