知ろう!記者に発表した最新研究
2009年8月7日発表
中国での大気汚染 物質 が増えている!
人、動物、植物、生活環境などに好ましくない
図1:二酸化窒素が発生するもと
「光化学スモッグが発生しているので、校庭で遊んではいけません」という放送を、夏に学校で聞いたことはありませんか?光化学スモッグは人々の健康に害をあたえるため、発生した時はできるだけ外に出ないようにと言われています。この光化学スモッグの原因の1つが、今回の二酸化窒素です。赤茶色で、人がたくさん吸いこむとぜんそくが出たり
二酸化窒素の量を
図2:風に乗って日本へ運ばれる光化学スモッグ
最近、日本では光化学スモッグの発生する回数が増えています。2007年5月には長崎県、大分県そして新潟県で初めて光化学スモッグの注意報がだされたほどです。この原因として、中国で発生した光化学スモッグが風に乗って日本まで運ばれてきている可能性が考えられてきました(図2)。
けれども、光化学スモッグを発生させる元となる中国の二酸化窒素についてくわしい情報はありませんでした。そこで研究者は、中国における二酸化窒素の濃度は近年どれくらい増えたり減ったりしているのかを明らかにするために、人工衛星が観測したデータを
中国の東側を中心に、広い
図3:地域別に見た二酸化窒素の増えるペース
(図3)のオレンジ色や黄緑色のところが、特に増えている
環境を守りさらに明るい未来を築くために、研究者は今後も二酸化窒素の監視を続けるとともに、大気汚染が減るように社会にうったえかけていきます。
研究者のエピソード
中国の人も大気汚染を
「昔は星がたくさん見えたのに、今は見えなくなってしまった」。研究者が中国に行った時に、現地の学生から聞いた言葉です。星が見えなくなった原因の1つは、今回の二酸化窒素をはじめとした大気汚染物質でしょう。大気汚染をおそれているのは、日本人だけではありません。中国の人も同じです。だからこそジャムステックの研究者は地球環境を守るために、そしてそれをリードするために、今日も中国をはじめ世界中の科学者といっしょに研究にはげんでいます。