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プレスリリース


2012年 5月 25日
独立行政法人海洋研究開発機構

統合国際深海掘削計画(IODP)第342次研究航海の開始について
〜北大西洋ニューファンドランド沖掘削による古環境変動の解明〜

この度、統合国際深海掘削計画(IODP: Integrated Ocean Drilling Program)((注記))の一環として、「北大西洋ニューファンドランド沖掘削による古環境変動の解明」(別紙参照)を実施するため、米国が提供するジョイデス・レゾリューション号の研究航海が6月2日から開始されます。

本研究航海では、ニューファンドランド沖の海底下の堆積物コアを採取し、温暖地球から寒冷地球へ遷移した白亜紀及び古第三紀の北大西洋の海洋環境及び生物の進化を明らかにすることを目的としています。日本から7名が乗船するほか、米国、欧州、中国、ニュージーランド、インドからも含め、計28名が乗船研究者として参加する予定です。

(注記)統合国際深海掘削計画(IODP: Integrated Ocean Drilling Program)

日・米が主導国となり、平成15年(2003年)10月から始動した多国間国際協力プロジェクト。現在、欧州、中国、韓国、豪州、インド、ニュージーランド の25ヶ国が参加。日本が建造・運航する地球深部探査船「ちきゅう」と、米国が運航する掘削船ジョイデス・レゾリューション号を主力掘削船とし、欧州が提供する特定任務掘削船を加えた複数の掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動、地球内部構造、地殻内生命圏等の解明を目的とした研究を行う。

別紙

北大西洋ニューファンドランド沖掘削による古環境変動の解明

1.日程(現地時間)

平成24年6月2日
セント・ジョージ(バミューダ)より出港
ニューファンドランド沖にて掘削を実施
平成24年8月1日
セント・ジョンズ(カナダ・ニューファンドランド島)に入港
(掘削航海終了)

なお、準備状況や調査の進捗状況等によって変更の場合があります。

2.日本から参加する研究者

氏名 所属/役職 乗船中の役割
(担当分野)
金子雅紀 海洋研究開発機構/ポスドク研究員 有機地球化学
高木悠花 早稲田大学/大学院生(修士課程) 堆積学
松井浩紀 東北大学/大学院生(修士課程) 堆積学
守屋和佳 金沢大学/ポスドク研究員 微古生物学(有孔虫)
西 弘嗣 東北大学/教授 微古生物学(有孔虫)
山口龍彦 カリフォルニア大学/客員研究員 物理特性
山本裕二 高知大学/助教 古地磁気学

3.掘削及び研究の概要

本研究航海では、ニューファンドランド沖、水深650〜5000mの7地点で、白亜紀及び古第三紀の堆積物をターゲットとして海底下100〜400mの掘削を行います。

本航海の目的は、約5500万年前の始新世温暖化極大期(過去約6500万年間で最も地球温暖化が進んだ時期)を含む温暖地球から、大陸氷床が出現した漸新世の寒冷地球へ移り変わる時期の古海洋環境の歴史や、気候変動と海洋環境の変動との関連性、生物の進化を明らかにすることです。

図1 掘削地点(赤丸)

お問い合わせ先:

独立行政法人海洋研究開発機構
(IODPおよび本航海について)
地球深部探査センター 企画調整室 倉本真一 TEL:045-778-5811
(報道担当)
経営企画室 報道室 菊地一成 TEL:046-867-9193

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