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2012年 5月 17日
独立行政法人海洋研究開発機構
地球深部探査船「ちきゅう」は、巨大地震と津波を引き起こしたプレート境界断層の摩擦特性(断層が滑ったときの摩擦熱等)の分析を目的に、本年4月1日より約2ヶ月間の予定で「東北地方太平洋沖地震調査掘削」を実施しております。
今回の調査掘削においては、荒天による待機や船上装置の不具合が生じたことに対応を行いながら予定された調査作業に取り組んでおり、これまでに掘削同時検層(※(注記)1)において地層物性のデータを取得し、現在はプレート境界面からの岩石コア試料の採取を進めているところです。
しかしながら、プレート境界面の摩擦熱を計測するために掘削孔内に設置予定であった温度計については、同作業に不可欠な水中テレビカメラシステム(※(注記)2)のケーブルに不具合が生じ、対応を検討した結果、設置を今夏に延期することにしましたので、お知らせします。
また、今回の調査掘削の科学的成果概要については、本研究航海の共同首席研究者から報告を行う機会を設ける予定です。日時、場所等の詳細については現在調整しておりますので、決まり次第、追ってご連絡します。
※(注記)1:地質の特性や断層を把握するため、ドリルパイプの先端近くにセンサーを搭載し、掘削と同時に孔内で各種計測を行うこと。なお、この掘削同時検層において、科学掘削としては世界最長の総ドリルパイプ長(7740m:水深6883.5m、海底下856.5m)を達成。
※(注記)2:光電気複合ケーブルを介して船上でリアルタイムモニタリングが可能な、海底およびドリルパイプ監視用の水中テレビカメラ。