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プレスリリース


ジュニア向け解説

このプレスリリースには、ジュニア向け解説ページがあります。

[画像:プレスリリース]

2009年5月25日
独立行政法人海洋研究開発機構

海洋生物の生態特性、分布データや画像等の統合データベースサイトを公開
〜生物多様性研究への貢献を目指して〜

1.
概要

独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、調査等で得られた海洋生物に関する情報を、国内外における研究や教育などの用途に、広く、継続的に提供するための基盤システム「海洋生命情報バンク」((注記)1)の整備を進めています。

その基幹Webシステムである海洋生物の多様性・分布情報などを扱う統合データベースサイト「BISMaL (Biological Information System for Marine Life)」を5月26日正午から公開いたしますので、お知らせします。

これまでインターネットによる公開・提供を行っていた深海映像・画像情報に加え、今回新たに生物分類情報などの海洋生物情報が公開されることになり、わが国の海洋生命に関わる情報を総合的に提供するための基盤が整ったことになります。

今後は登録データの充実、水温や塩分など環境情報の統合機能の追加に取り組むとともに、国際的なデータベースとの連携を推進することで、地球規模での環境変動が海洋の生物多様性に与える影響の評価・研究に貢献することが期待されます。

BISMaL URL: http://www.godac.jp/bismal/j/

2.
BISMaLの機能

「BISMaL」には、異なる種類のデータを統合的に表示するという特徴があります。利用者は生物の名前(学名・和名)、出現位置などによって各種の海洋生物を検索し、その分類学的情報、生態・生理学特性の概要、分布情報、文献情報、サンプル情報、潜水調査船等で撮影された画像、映像など様々な情報を容易に把握することができます(参考図)。

現時点では、ハオリムシ類((注記)2)やシロウリガイ類((注記)3)のように熱水活動域や湧水域周辺でみられる化学合成生態系((注記)4)の構成種、あるいは中深層に出現するクラゲ類など、当機構の調査・研究によって確認されている約400 種の深海生物の学名および和名が登録されており、関連する映像(約1,600件)、パノラマ写真(約1,000件)、採取記録と標本情報(約900件)などが閲覧可能です。

現在、地球規模での生物多様性の低下が指摘され、海洋生物資源の減少も危惧されています。こうした状況下で、当機構で収集・蓄積した海洋生物に関わる情報を人類共通の財産と捉え、広く提供することを目的としています。

3.
今後の展望

今後、国際海洋環境情報センター(GODAC)((注記)5)において当機構の生物関連データの整理と「BISMaL」を介した公開作業をさらに進めるとともに、わが国周辺の海洋生物種に関する情報を広く収集・整理し、継続的に提供していく予定です。

また、将来的には、関連する環境情報等も統合し、海洋生物多様性の現状把握やそれに関わる将来予測、海洋生物資源の保全に関する研究等に貢献することを目指しています。

(注記)1 海洋生命情報バンク

当機構の深海調査研究及び日本に集積された海洋生物研究成果としての画像データや生物サンプル情報並びに、系統、生態、生理等の関連研究情報を体系的に整理する目的で、平成19年度から整備を始めた。

これらを総合的に閲覧可能な統合データベースシステムとして構築し、わが国における海洋生命体に関する情報発信拠点化を行うもの。これにより、海洋生物の多様性に関する国際的な取り組みとも連携し、国際的な生物多様性研究、生態系変動研究への貢献を目指す。

(注記)2 ハオリムシ類

環形動物多毛類に属し、その体内に硫化水素をエネルギー源として有機物を生産する硫黄酸化細菌を共生させている。ハオリムシ類は口、消化管、肛門をもたず、体内の共生細菌が作り出した有機物に依存して生育する。硫化水素が豊富に存在する熱水噴出域等に特徴的な生物。

(注記)3 シロウリガイ類

オトヒメハマグリ科に属する二枚貝の仲間で、ハオリムシ類と同様に、体内の共生細菌が硫化水素をエネルギー源として生産した有機物を得て生育するため、消化管は退化している。メタンを含む冷水が湧出する湧水域周辺や熱水噴出域周辺に多産する。

(注記)4 化学合成生態系

陸上や浅海域の生態系にとっては、光合成生物が光エネルギーによって生産した有機物が重要ですが、深海には光合成由来の生産物に依存しない化学合成生態系が存在する。 化学合成生態系においては、硫化水素や水素などの酸化エネルギーによって有機物を生産する細菌類や、単純な有機物であるメタンをエネルギーや炭素源として利用するメタン酸化細菌が生産者的な役割を果たし、それらの細菌の生産物に依存した大型動物が湧水域や熱水噴出域の周辺にしばしば高密度で生息することが知られている。

(注記)5 国際海洋環境情報センター(GODAC)

沖縄県名護市にある国際海洋環境情報センター(GODAC)は、当機構の海洋・地球環境情報の収集・公開拠点として、当機構がこれまでに行った調査・研究の成果として保有する貴重な深海生物などのビデオ映像や、それらに基づいて公表された論文・資料等のデジタル化処理を行い、インターネットを介して提供している。

URL: http://www.godac.jp

【参考図】BISMaL 検索結果画面

お問い合わせ先:

独立行政法人海洋研究開発機構
(BISMaL登録データ内容について)
地球情報研究センター 国際海洋環境情報センター
研究情報公開グループ
技術研究主任 田中 克彦 TEL:0980-50-0114
(本システム構築について)
地球情報研究センター データ技術開発運用部
データ統合・解析グループ
グループリーダー 園田 朗 TEL:045-778-5412
(報道担当)
経営企画室 報道室長 村田 範之 TEL:046-867-9193

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