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ニュース - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」 https://scienceportal.jst.go.jp 2021年7月09日 06:52:14 +0000 ja hourly 1 子供の歯ぎしり、睡眠周期の特定時期に多発 阪大が解明 https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210709_n01/ 2021年7月09日 06:52:14 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=32141

睡眠中の子供の歯ぎしりが、睡眠周期の特定の時期に集中して発生することが実験で分かり、脳の活動を受けて起きることを突き止めた、と大阪大学の研究グループが発表した。歯やあごに悪影響を与える歯ぎしりの仕組みの詳しい解明や、診断法の開発などにつながると期待される。

睡眠中の歯ぎしりは、あごの運動に異常があり、上下の歯を擦り合わせたり噛みしめたりする疾患。6歳頃がピークで30%近くに起こり、9〜12歳で20%、20代で10%ほどと加齢とともに減少する。症状の程度により歯が擦り減ったり、あごが痛んだりする。かつては噛み合わせが原因と信じられたが、大脳や自律神経系の特有の働きが関わることが大人では分かっている。

ただ詳しい仕組みは不明で診断法や治療法もなく、対症療法や経過観察しかできていない。特に多発している子供では、夜間の実験への協力を求めにくいことや実施体制などの事情で、研究が遅れていた。そこで研究グループは体制を整え、睡眠に明らかな病気がなく、発達に問題のない6〜15歳の44人の協力を得て、睡眠中の脳や心臓、呼吸、あごの筋肉の活動を記録した。

その結果、27.3%にあたる15人が歯ぎしりをした。この15人と、歯ぎしりしない29人とで、脳波や心拍の変動、寝返りの動きを詳しく調べた。するとまず、睡眠のうち脳の働きが活発な「レム睡眠」と、脳が休息しているとされる「ノンレム睡眠」の時間分布、寝返り時の脳の活性化などには差がなかった。

一方、歯ぎしりする子ではノンレム睡眠の特定の段階で、歯ぎしりが特に多発した。睡眠中は4段階のノンレム睡眠を経てレム睡眠に移るが、このうちレム睡眠の前の浅いノンレム睡眠の段階で、最も多かった。ノンレム睡眠〜レム睡眠の周期を1晩に4〜5回繰り返すが、それぞれでこの現象が起きていた。

実験結果。レム睡眠の前の浅いノンレム睡眠の段階で、歯ぎしりがピークに達していた(大阪大学提供)

歯ぎしりをする子では脳波のうち、寝返りの数や脳の覚醒の指標となる「ベータ波」の値が大きく、また約90%の歯ぎしりが寝返りや短い覚醒とともに起きていた。ベータ波が歯ぎしりの直接の引き金かは分からないが、ベータ波があると脳の覚醒が起こりやすくなっているという。

こうした結果から、健康な子供の歯ぎしりは、睡眠の周期に伴う脳の活動の変化に対し、あごの神経機構が過剰に反応して起こることを突き止めた。大人でも過去の研究で、今回の実験と似た結果が出たという。

今回の成果は診断や治療に向けた研究の進展や、さらに詳しい仕組み、さまざまなタイプの歯ぎしりの仕組みの解明につながると期待される。研究グループの大阪大学大学院歯学研究科の加藤隆史教授(口腔生理学)は「今後はベータ波と歯ぎしりの関係性や、あごで歯ぎしりのスイッチが入る仕組みを解明したい。今回は歯ぎしりの割合のピークである6歳からを対象としたが、4〜5歳児の協力もいただき解明を進めたい。親や子供たちの協力に大変感謝している」と述べている。

成果は米国の睡眠研究の専門誌「スリープ」に6月30日に掲載され、大阪大学が7月5日に発表した。研究は科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」、日本学術振興会科学研究費補助金研究の一環で行われた。

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熱海の大規模土石流の被災状況明らかに 国土地理院が動画や分析図を公開 https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210708_n01/ 2021年7月08日 07:04:56 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=32113

国土地理院が静岡県熱海市伊豆山で今月3日に発生した土石流の跡をドローンで撮影した動画や、写真などを基に被災範囲を分析した図などをホームページで公開している。動画などからは家屋が泥流にのみ込まれた状況が生々しく伝わり、長さが約2キロにも及んだ大規模土石流の全貌が明らかになった。

公開された動画は、土石流が発生から3日経過した6日に国土地理院がドローンを使って上空から撮影した2種類。一つは土石流起点の近くから下る動画で、もう一つはそのさらに海側に下る部分を撮影している。逢初(あいぞめ)川に沿って土石流が激しく流れた跡や、泥流になぎ倒された木やのみ込まれた家屋が映っている(画像1)。

画像1:国土地理院がドローンで撮影した動画のうち一画面。土石流が家屋をのみ込んだ跡が分かる(国土地理院提供)
画像1:国土地理院がドローンで撮影した動画のうち一画面。土石流が家屋をのみ込んだ跡が分かる(国土地理院提供)

国土地理院はまた、6日に撮影した航空写真資料などを基に土石流の被災範囲を推定した図も公開した(画像2の赤い部分)。同院や静岡県や熱海市によると、土砂が流出して山肌が露出したり、土砂に覆われたりした範囲は、長さ約2キロ、幅は最大160メートルにも及んだとみられる。

画像2: 赤い部分が土石流により山肌や土砂が露出した範囲(国土地理院提供)
画像2: 赤い部分が土石流により山肌や土砂が露出した範囲(国土地理院提供)

静岡県や熱海市によると、被災範囲は火山灰などが積もった火山性の地盤で、土石流の起点周囲は標高約400メートルにあり、岩戸山の中腹。静岡県は、起点あたりの盛り土が豪雨による大量の雨水で流れ出たとの見方を示し、盛り土と土石流との因果関係を詳しく調べている。

国土地理院は、今回被災現場となった熱海市伊豆山周辺を1962年と2017年にそれぞれ撮影した2つの航空写真も公開した。比較すると、1962年時点では逢初川中流部は畑作や果樹園などの土地利用が多く、2017年時点では住宅が増えていることが分かる(画像3)。

画像3:熱海市伊豆山の被災現場周辺を1962年(上)と2017年(下)にそれぞれ撮影した2つの航空写真(国土地理院提供)
画像3:熱海市伊豆山の被災現場周辺を1962年(上)と2017年(下)にそれぞれ撮影した2つの航空写真(国土地理院提供)

このほか、土石流の起点になったとされる地点の地形断面を比較した図も公開した。2019年と、盛り土ができる前と見られる2009年にそれぞれ行われた航空機によるレーザー測量データを分析した結果で、標高差から盛り土前後の変化量が判別できる。最大で十数メートルかさ上げされ、埋め立てられた土砂量は推定5万6000立方メートルにも及ぶことが分かるという(画像4)。

画像4:今回発生した土石流の基点付近の2009年と19年の地形断面を比較して標高差を表した図。最大で十数メートルかさ上げされた可能性があることを示している(国土地理院提供)
画像4:今回発生した土石流の基点付近の2009年と19年の地形断面を比較して標高差を表した図。最大で十数メートルかさ上げされた可能性があることを示している(国土地理院提供)
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新タイプの超新星爆発、理論通りに発見 京都大など国際グループ https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210707_n01/ 2021年7月07日 08:12:22 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=32077

質量の大きい恒星が一生の終わりに起こす「超新星爆発」のうち、理論的に考えられてきた新タイプを実際に発見した、と京都大学などの国際研究グループが発表した。「電子捕獲型超新星」と呼ばれ、星の一生や宇宙で起こる突発的な現象の物理を理解する上で、重要な成果となった。

右のひときわ明るい点が、発見した電子捕獲型超新星「2018zd」。左は渦巻き銀河「NGC2146」。ラスクンブレス天文台(LCO)による2018zdの画像とハッブル宇宙望遠鏡の画像の合成(LCO、NASA、米宇宙望遠鏡科学研究所、J.デパスケール氏提供)
右のひときわ明るい点が、発見した電子捕獲型超新星「2018zd」。左は渦巻き銀河「NGC2146」。ラスクンブレス天文台(LCO)による2018zdの画像とハッブル宇宙望遠鏡の画像の合成(LCO、NASA、米宇宙望遠鏡科学研究所、J.デパスケール氏提供)

星は内部の核融合反応により、自らの重さを支え続ける。終末になると、質量の小さい星は「白色矮星(わいせい)」となって核反応をしなくても自重を支えるのに対し、質量が大きいと自重を支えきれなくなって潰れ、超新星爆発を起こす。この2つの現象の分岐点となる星の質量は、太陽の8倍とされている。

これまでの理論研究で、分岐点の質量を持つ星のコア(中心の核)は酸素やネオン、マグネシウムでできていると考えられてきた。電子が出す圧力によりコアを支えるが、終末になると、その電子がマグネシウムやネオンに捕獲されてしまい、コアが潰れて爆発する。

このような仕組みの電子捕獲型超新星は、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構の野本憲一上級科学研究員らにより約40年前から予測されてきたが、観測できていなかった。藤原定家が日記「明月記」に記した1054年の超新星がこのタイプだったとの見方もあるが、はっきりしない。

こうした中、2018年3月に山形県のアマチュア天文家、板垣公一さんがきりん座の方向に、爆発直後の超新星「2018zd」を発見。千葉県のアマチュア天文家、野口敏秀さんは明るさの変化を記録した。これを受け、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の大学院生、平松大地さんが中心となって観測チームを結成し、世界各地の望遠鏡や宇宙望遠鏡で詳しく観測した。

分析の結果、超新星の元素の量や爆発エネルギー、星の周りの環境が、理論やシミュレーションで予測された電子捕獲型超新星の特徴とよく一致。ハッブル宇宙望遠鏡が偶然、超新星となった星の爆発前を捉えており、太陽の8倍の質量を持っていたことも分かった。こうしたことから研究グループは、2018zdが電子捕獲型超新星であると結論づけた。

グループの京都大学理学研究科の前田啓一准教授(天体物理学)は「この発見は、星が終末に白色矮星となるか超新星となるかの分岐点の謎に迫る重要な成果だ。このタイプの超新星が今後も見つかり、発生頻度などが分かれば、分岐点が正確に分かってくる。このタイプの超新星が宇宙の元素合成に果たす役割を理解することも大切だ」と述べている。

超新星爆発の後、比較的大きい星は崩壊してブラックホールに、小さい星は高密度の「中性子星」になる。これらの起源を理解するためにも、電子捕獲型超新星の理解が重要だ。また前田准教授は「今回は大規模な望遠鏡が活躍する現代でも、アマチュア天文家が天文学に大きな影響を与えていることを改めて示した」とする。

研究グループは米カリフォルニア大学サンタバーバラ校、京都大学、東京大学、国立天文台などで構成。成果は6月28日付の英天文学誌「ネイチャーアストロノミー」に掲載された。

電子捕獲型超新星となる星の内部で起こると考えられる反応の模式図(ラスクンブレス天文台・S.ウィルキンソン氏提供)
電子捕獲型超新星となる星の内部で起こると考えられる反応の模式図(ラスクンブレス天文台・S.ウィルキンソン氏提供)
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冬眠する小型哺乳類が低温に耐えられるのはビタミンEのおかげだった 北大など https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210706_n01/ 2021年7月06日 05:29:42 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=31994

シリアンハムスターなどの冬眠する小型哺乳類が低体温に耐えることができるのは、肝臓にビタミンEを高濃度で保持しているためだった-。北海道大学などの研究グループがこのような興味深い研究成果を発表した。臓器の低温保存法や低体温に伴う障害予防法の開発にもつながる可能性があるという。

人間をはじめとする多くの哺乳類は体内で炭水化物や脂肪を燃焼させ、寒冷環境下でも体温を37度付近に維持して活動する。エネルギー不足などで体温保持ができずに低体温になった状態が長時間続くと、さまざまな臓器機能障害や細胞死を生じて最終的には死に至る。

これに対し、シリアンハムスターやシマリス、ジリス、ヤマネなど、冬眠する小型哺乳類は冬の数カ月間、体温が10度以下の低温状態で何日間も過ごす。また冬眠から目覚める時は体温を37度近くまで急激に戻すことが知られていた。しかし、冬眠する哺乳類がなぜ低温状態や急激な体温上昇に耐えることができるのかについて、詳しいことは分かっていなかった。

北海道大学低温科学研究所の山口良文教授や東京大学大学院薬学系研究科博士後期課程(当時)の姉川大輔さん、同研究科の三浦正幸教授らの研究グループは、同じ小型哺乳類でも冬眠するシリアンハムスターと冬眠しないマウスとの間で、細胞レベルの低温耐性にどのような違いがあるかを調べた。

実験の結果、マウスの肝細胞は低体温で培養すると1〜2日で死滅したが、シリアンハムスターの肝細胞は低温下でも5日以上生存し、長い期間の低体温状態の後に37度に戻しても生存することが分かった。そしてシリアンハムスターの肝細胞の低温耐性がえさの種類に関係していることも判明した。えさの種類を変えると、低温耐性がなくなったり再び現れたりしたという。

低温下ではマウスの肝細胞(左)は細胞死(赤く着色)したが、シリアンハムスターの肝細胞(右)は生存した(北海道大学などの研究グループ提供)

研究グループは次に、えさのどのような成分がシリアンハムスターの低温耐性に関係があるかを究明する実験と解析を行った。その結果、えさに含まれる脂溶性のビタミンEの一種であるα-トコフェロール(αT)の量が起因していることを突き止めた。

αTは細胞膜や細胞内に存在する不飽和脂肪酸の脂質過酸化反応を防ぐ作用があり、細胞死を阻害することが知られている。αTが少ないえさで飼育されたハムスターの肝細胞は細胞死したが、αT 量を多くしたえさで飼育された場合の肝細胞は低温耐性が保持されることも確認したという。

これらの結果から研究グループは、シリアンハムスターが肝細胞に高濃度のビタミンE(αT)を保持することにより、冬眠期間中でも低温に耐えることができると結論付けた。冬眠する小型哺乳類が夏から秋にかけ、ビタミンEを多く含む果実や木の実を大量に摂取したり、巣穴に取り込んだりする習慣を理解できるとしている。

シリアンハムスターの肝臓はえさ由来のビタミンEを高濃度で含有することで細胞死などを阻止する(北海道大学などの研究グループ提供)

研究グループによると、今後シリアンハムスターが肝臓や血中にαTを高濃度で保持する仕組みを詳しく解明する予定で、移植医療の際に生じる低温による臓器傷害の軽減などに有用な手段が見つかる可能性があるという。研究成果は6月25日付の生物専門誌「コミュケーション・バイオロジー」電子版に掲載された。

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テレワーク要注意、座る時間が長いほど死亡率上昇 日本人大規模調査で判明 https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210705_n01/ 2021年7月05日 06:33:53 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=31981

座っている時間が長いほど死亡率が高まることが、日本人6万人超の大規模調査で分かった、と京都府立医科大学などの研究グループが発表した。余暇、つまり休日や時間のある時に体を動かしても、悪影響は十分には抑えられないという。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けてテレワークが普及し座る時間が長くなる中、健康管理の課題が改めて浮かび上がった。

座る時間が長いと血行不良や代謝の低下が起き、死亡率や循環器疾患の発症に影響することが国内外の研究で報告されている。日本でこうした研究の大規模なものは、仕事中の座っている時間と死亡率、テレビ視聴時間と循環器疾患による死亡の関係の調査があるものの、限られていた。

そこで研究グループは、日本人の健康状態の大規模追跡調査「日本多施設共同コーホート研究(J-MICC study)」の参加者のうち男女6万4456人の、平均約7年8カ月にわたるデータを分析した。日中の座っている時間とあらゆる原因を含む死亡との関係を、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の有無に分けて調べた。

その結果、まず全体では、日中の座る時間が2時間増えるごとに、死亡率の割合が15%高まっていた(例えば年齢など、ある属性の100人のうち1人が調査期間中に死亡すれば死亡率は1%で、その割合が15%高まると死亡率は1.15%となる。16%になるのではない)。生活習慣病を抱える人では脂質異常症で18%、高血圧で20%、糖尿病で27%高まった。

日中に座る時間が2時間増えるごとに高まる死亡率の割合(京都府立医科大学提供)

脂質異常症、高血圧、糖尿病を多く抱えるほど、座る時間と死亡率の関係は大きくなった。生活習慣病のない人の死亡率の割合は2時間長く座るごとに13%上がったのに対し、3つ全てを抱える人は42%も上がった。

日中に座る時間が2時間増えるごとに高まる死亡率の割合。脂質異常症、高血圧、糖尿病を抱える数ごと(京都府立医科大学提供)

また、余暇に身体を動かすことは健康のため大切だが、座る時間の悪影響をカバーする効果はわずかであることも分かった。

身体活動量(Q1〜4)と死亡率の割合の関係。Q1〜4ごとに人数が異なるため、データを集約してグラフ化すると効果が突出して見える部分もあるが、ばらつきが大きく明瞭ではないという(京都府立医科大学提供)

研究グループは昨年、座る時間と生活習慣病の関係もまとめた。今回と合わせ、座る時間が生活習慣病の発症や死亡に関係することがうかがえる。座る時間の健康への悪影響の研究例は多く、海外ではガイドラインを作成するなどの動きがある。日本人は平日に座る時間が世界一長いとするデータもあるという。

研究グループの京都府立医科大学大学院医学研究科の小山晃英講師(公衆衛生学)は「コロナ禍でテレワークが普及しており、今後も在宅のデスクワークが増えるだろう。通勤しないことが、身体活動の低下や座る時間の延長につながる。連続して座り続けないことが重要ともいわれており、こまめに動くよう心がけたい」と述べている。

研究グループは京都府立医科大学、佐賀大学、名古屋大学、愛知県がんセンター研究所、千葉県がんセンター研究所、鹿児島大学、名古屋市立大学、静岡県立大学、近畿大学、滋賀医科大学、徳島大学、九州大学で構成。成果は専門誌「米心臓協会誌」に6月14日に掲載され、京都府立医科大学などが25日に発表した。

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トランプ前米大統領に投与された抗体医薬品を国内承認申請 中外製薬 https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210701_n02/ 2021年7月02日 01:08:52 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=31939

中外製薬は2種類のモノクローナル抗体医薬品を組み合わせた新型コロナウイルス感染症の治療法「抗体カクテル療法」を厚生労働省に承認申請した。米国での臨床試験(治験)では入院、死亡リスクを70%減らしたことが確認され、昨年秋には当時のトランプ米大統領に投与されて効果を発揮したとされる。申請は6月29日付で同社は国内審査を簡略化する特例承認の適用を要望している。

中外製薬社屋の同社看板(中外製薬提供)

承認申請が行われたのは「カシリビマブ」と「イムデビマブ」と呼ばれる2製品。米製薬企業リジェネロンが創薬し、昨年8月に同社とスイス製薬大手ロシュが開発、製造、販売を共同で実施すると発表。その後両社は昨年11月、米食品医薬品局(FDA)から治療薬として緊急使用許可を取得した。中外製薬は昨年12月に日本国内での開発と販売権を取得している。同社は米国での治験(第III相)や日本での初期段階治験(第I相)データなどを厚労省に提出した。

中外製薬によると、カシリビマブとイムデビマブを組み合わせて投与することで、高い治療効果が期待される。ロシュ社が3月に公表したデータによると、4000人以上を対象にした治験では、1200ミリグラム、2400ミリグラムの静脈内投与ともに、偽薬投与群と比べて入院または死亡リスクをそれぞれ70%、71%低下させた。投与から169日までのデータでは安全性に問題はなかったという。また、約800人を対象にした別の治験では偽薬と比べて有意にウイルス量が減少していたという。

中外製薬の奥田修社長は厚労省への承認申請に際して「変異株の感染拡大など流行は長期化しており、新たな治療選択肢が必要とされている。抗体カクテル療法を新たな治療薬として一日も早く届けられるよう規制当局と緊密に協働していく」とコメントした。

カシリビマブとイムデビマブはいずれもモノクローナル抗体を製品化した医薬品。昨年10月にトランプ米前大統領に投与されて効果を発揮して早期退院の一因になった、などと当時米国メディアが伝えていた。

モノクローナル抗体は免疫細胞のB細胞がウイルスなど病原体やがん細胞などの異物に付いている目印の抗原に対して1種類の抗体を作るという特徴を利用した抗体。ロシュ社は「カシリビマブとイムデビマブはウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位に非競合的に結合することでウイルスに対して中和活性を示し、変異株にも効果を示すことが期待される」としている。

日本国内でこれまでに、抗ウイルス薬の「レムデシビル」、重度の肺炎やリウマチなどの治療に使われてきた炎症やアレルギーを抑える作用のあるステロイド剤「デキサメタゾン」、関節リウマチなどの薬で炎症を抑える効果がある薬「バリシチニブ」の、3つの薬が新型コロナウイルスの治療薬として承認されている。

中外製薬は国産初の抗体医薬品を創薬し、その分野で国内一のシェアを持つ。同社のホームページに掲載されている「よくわかる抗体医薬品」から、(上)は「モノクローナル抗体とは?」(下)は「抗体医薬品とは?」の概念図(中外製薬提供)
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中性子星とブラックホールの合体を初観測 米欧の重力波グループ https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210701_n01/ 2021年7月01日 06:20:21 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=31900

宇宙の中性子星とブラックホールの合体を初めて観測した、と米欧の重力波観測グループがそれぞれ発表した。観測は昨年1月に2回。両者が互いに回り合いながら合体する現象は数十年前から予言され、「ミッシングバイナリー」(まだ見ぬペア)として探索されてきた。

ブラックホールと中性子星が合体して重力波が発生する現象の概念図(オーストラリア・スウィンバーン工科大学カール・ノックス氏提供)
ブラックホールと中性子星が合体して重力波が発生する現象の概念図(オーストラリア・スウィンバーン工科大学カール・ノックス氏提供)

質量が太陽の8倍以上の恒星は大爆発で一生を終える。その後、比較的大きい星は崩壊し、巨大な重力のために光さえ脱出できない天体、ブラックホールとなる。小さい星の場合、原子核を構成する粒子の一種である中性子を主成分とする高密度の天体、中性子星になる。

重力波は、質量を持つ物体による時空のゆがみが、物体の運動により周囲に光速で伝わっていくもの。米国の2カ所の観測施設「LIGO(ライゴ)」や欧州の施設「VIRGO(バーゴ)」のグループは2015年以降、ブラックホール同士や中性子星同士の合体で生じた重力波を捉えてきたが、ブラックホールと中性子星の合体は未発見だった。2019年に観測した可能性があるとされたが、はっきりしなかった。

両グループの資料によると、観測に初めて成功したのは昨年1月5日。地球から9億光年離れた場所で太陽の8.9倍の質量を持つブラックホールと1.9倍の中性子星が合体して生じた重力波を、LIGOの観測施設のうち1カ所で捉えた。わずか10日後の15日には、10億光年のかなたで太陽の5.7倍の質量のブラックホールと1.5倍の中性子星の合体による重力波を、両グループの計3カ所の施設全てで捉えた。

今回の成果は、こうした激しい現象を引き起こす宇宙環境や、地球では再現し得ない極限状態の物理の理解につながるという。2回の観測を受け、地球から10億光年の範囲で月1回程度、ブラックホールと中性子星の合体が起こっていると見積もられた。

成果は米天体物理学誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に6月29日に掲載された。

米欧に続き日本も岐阜県飛騨市に大型の重力波観測施設「KAGRA(かぐら)」を建設。今回の観測直後の昨年2月に本格観測を開始しており、今後は日米欧の連携による成果の拡大が期待される。

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スパコン「富岳」、計算速度など4部門で3連覇 https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210630_n01/ 2021年6月30日 05:25:09 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=31865

世界のスーパーコンピューターの計算速度ランキング「TOP500」がオンラインで開かれた国際会議で発表され、理化学研究所の「富岳(ふがく)」が昨年6、11月に続き1位を獲得した。他の3つのランキングでも3連覇となり、4冠を維持して卓越した能力を裏付けた。

富岳(理化学研究所提供)

TOP500は性能評価用プログラムの処理速度を競う年2回のランキングで、日本時間28日夜に発表された。富岳は毎秒44京2010兆回(京は1兆の1万倍)で、前回と同様、2位の米国「サミット」に約3倍の性能差をつけた。日本は先代「京(けい)」が2011年に連覇したものの翌年に陥落。中国と米国の2強体制が続いた後、昨年6月、8年半ぶりに首位を奪還した。

産業利用に適した計算の速度を競う「HPCG」、人工知能(AI)の深層学習に用いられる演算の指標「HPL-AI」、グラフ解析の性能を競う「Graph500」でも、昨年6、11月に続きそれぞれ大差で1位に。多分野での優位性を裏付けた。

結果を受け理研は「富岳の総合的な性能の高さを示した。(政府が提唱する)新たな価値を生む超スマート社会を目指す『Society(ソサエティー)5.0』で、シミュレーションによる社会的課題の解決やAI開発、情報の流通、処理に関する技術開発を加速するための情報基盤技術として、十分に対応できることを実証するもの」とした。

富岳は理研と富士通が共同開発し、理研計算科学研究センター(神戸市)の京の跡地に設置された。3月9日の本格稼働に先立ち、昨年4月からの試験利用では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で、飛沫拡散のシミュレーションや治療薬候補の探索などで成果を上げた。文部科学省「成果創出加速プログラム」のほか、一般公募で採択された課題、国の重要課題の利用などが始まっている。

松岡聡センター長は「連続で圧倒的に世界一になるだけでなく、コロナ対策に関し、政府や企業の感染ガイドライン策定に大いに貢献するなど、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル技術の浸透により人々の生活を豊かにすること)をもたらすともみなせる成果を上げてきた。今後も幅広くわが国のSociety5.0、SDGs(国連の持続可能な開発目標)に貢献できるよう高度化、発展させていく」とコメントした。

TOP500のランキング上位は次の通り(名称、設置組織、国、毎秒の計算速度)。
1位 富岳 理研計算科学研究センター(日本)44京2010兆回
2位 サミット オークリッジ国立研究所(米国)14京8600兆回
3位 シエラ ローレンスリバモア国立研究所(米国)9京4640兆回
4位 神威太湖之光 無錫スパコンセンター(中国)9京3014兆回
5位 パールマッター 国立エネルギー研究科学計算センター(米国)6京4590兆回
(注記)以下、日本勢上位
12位 ABCI2.0 産業技術総合研究所 2京2208兆回
13位 ウィステリア・ビーデック01(オデッセイ) 東京大学 2京2121兆回
25位 トキ・ソラ 宇宙航空研究開発機構 1京6592兆回

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血液数滴でアルツハイマー型認知症を診断、島津がノーベル賞技術を応用した世界初の装置 https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210629_n01/ 2021年6月29日 07:05:46 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=31831

島津製作所(京都市)は血液数滴でアルツハイマー型認知症の進行度を判定する世界初の装置の販売を始めた、と発表した。2002年にノーベル化学賞を受賞した同社の田中耕一エグゼクティブ・リサーチフェローが開発した技術を応用した。血液採取で済むため、これまでの方法より患者の負担が小さく、コストも安く済むという。

田中耕一 氏(島津製作所提供)
田中耕一 氏(島津製作所提供)
数滴の血液でアルツハイマー型認知症の進行度を判定する装置(島津製作所提供)
数滴の血液でアルツハイマー型認知症の進行度を判定する装置(島津製作所提供)

国内の認知症患者は2020年に約600万人と推計されているが、その6割以上をアルツハイマー型が占める。発症する20年も前から脳内に「アミロイドβ(Aβ)」と呼ばれるタンパク質が蓄積することが知られている。その蓄積具合を調べて重症度などを診断する検査法として、放射線を用いる「陽電子放射断層撮影(PET)」や腰から針を刺す「脳脊髄(せきずい)液検査」があったが、患者の負担が大きかった。

田中氏も参加した島津製作所と国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の共同研究グループは、同時に多くの種類の物質を測れる質量分析手法を応用。血液中にわずかに存在し、Aβ量と相関する成分を検出する方法を2018年に考案した。検体は血液数滴、約0.5ミリリットルでも判定可能という。

研究グループはその後も実用化研究を続けて検査装置「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」(アミロイドMS CL)を完成させ、昨年12月に医療機器の製造販売承認を受けて今回、販売開始にこぎつけた。

アルツハイマー病変の検出法の概念図。下が今回開発した方法の流れ(島津製作所提供)
アルツハイマー病変の検出法の概念図。下が今回開発した方法の流れ(島津製作所提供)

質量分析は長い間、小さな分子しか適用できなかった。田中氏は試料のタンパク質にコバルトとグリセリンの混合物を混ぜ、そこにレーザーを当ててイオン化させると高分子のタンパク質も質量分析できることを発見。ノーベル化学賞の受賞対象になった。「アミロイドMS CL」にはこの技術が使われている。

アルツハイマー型認知症については、日本の製薬大手エーザイと米製薬大手バイオジェンが共同開発した「アデュカヌマブ」が6月初めに米食品医薬品局(FDA)の承認を受け、Aβを減らす効果に期待が高まっている。しかし日本国内で承認、販売されるかどうかは未定だ。

このため現状では進行を遅らせたり、症状進行に伴う不安などを抑えたりする投薬の治療が中心で、早期発見が何より重要とされる。22日記者会見した田中氏によると、症状の進行度を血液に含まれるバイオマーカーで測る機器は世界初という。同氏は「今後も改良を重ね、世界的な課題となっている認知症治療の分野で貢献していきたい」などと述べた。

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ハリガネムシは宿主カマキリを操り、水平偏光を目印に水に飛び込ませる https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210628_n01/ 2021年6月28日 07:07:02 +0000 https://scienceportal.jst.go.jp/?post_type=newsflash&p=31796

寄生虫のハリガネムシは宿主のカマキリを操り、川や池に飛び込ませる。その際、水面の反射光に含まれ、電磁波の振動が水平方向に偏った「水平偏光」が目印になっていることを発見した、と神戸大学などの国際研究グループが発表した。寄生生物が、宿主の光を感じる仕組みを巧みに操作して、宿主に行動を起こさせていることを示したのは世界初という。

水面で、カマキリの体から出てくるハリガネムシ(佐藤拓哉・神戸大学准教授提供)

寄生生物の中には、宿主の形態や行動を変えてしまう種も多く、ハリガネムシは代表例とされる。水中で孵化(ふか)し、最初に寄生する水生昆虫が羽化して陸に移るとカマキリなどに食べられ、今度はその体内で成長。成虫になると宿主のカマキリを操って水に飛び込ませる。そして水中に戻り繁殖して一生を終える。一方、泳げないカマキリはどうにか陸に戻るものの、寄生により内臓が弱っておりほどなく死んでしまうという。

100年あまり前にハリガネムシが宿主を水に入れることが分かったが、その仕組みは謎だった。水面の明るい反射光に引き寄せられるとも考えられてきた。ただ河原の礫帯(れきたい)や葉など、光をよく反射する他のものには飛び込まないことから、研究グループは明るさ以外の原因があると考えた。近年、昆虫など節足動物が水平偏光を手がかりに行動することが明らかになっている。そこで、寄生されたカマキリも川や池の水平偏光に誘われているとの仮説を立て、国内で広くみられるハラビロカマキリで実験した。

まず室内で、ハリガネムシに寄生されたカマキリと寄生のない普通のカマキリが、水平偏光と偏光していない光のどちらに誘われるかを、明るさを変えて調べた。その結果、寄生されたカマキリは特に2000ルクス以上で、水平偏光を選ぶ傾向が明らかに強かった。垂直偏光では明るさや寄生の有無を問わず、偏光を選ぶ傾向はみられなかった。これにより寄生されたカマキリは、水平偏光に引かれることが分かった。

寄生されたカマキリが実際、水平偏光を強く反射する池に入るのかを調べた。野外のビニールハウス内に、底が深くて黒いが水平偏光の反射が強い池と、浅くて明るく水平偏光をほとんど反射しない池を設け、両者の間の木にカマキリを放った。すると、池に飛び込んだ16匹のうち14匹が前者に入った。ハリガネムシが巧みな戦略を獲得し、すぐに干上がってしまう水たまりなどを避けて繁殖を成功させていることがうかがえる。なお2つの池で、光の波長はよく似ているという。

実験結果。(左)ハリガネムシに寄生されたカマキリは、水平偏光を選ぶ傾向が強かった。(右)寄生されたカマキリ16匹のうち14匹が水平偏光の反射が強い池に入った(いずれも神戸大学提供、一部改変)

寄生されたカマキリが正午ごろに特に水に飛び込むことも発見。寄生されたカマキリがよく歩く時間帯でもあり、カマキリやハリガネムシの一日の生活リズムとの関連の可能性もみえてきた。

研究グループは引き続き、カマキリが水平偏光を見る仕組みや、ハリガネムシがそれを操作する仕組みの解明を目指す。研究グループの神戸大学大学院理学研究科の佐藤拓哉准教授(生態学)は「今後は偏光に特化してメカニズムの研究を進められる。多くの動物は、人間には分からない偏光を見る仕組みを進化させてきた。それをゲノム改変せずに上手に少しいじって、狙い通りの行動をさせる寄生虫がいることは、実に面白い。さらに、こうして虫が多く川に飛び込むことで、森から川へとエネルギーが移り、魚に与えられていることもうかがえる」と述べている。

研究グループは神戸大学、弘前大学、奈良女子大学、台湾・国立彰化師範大学で構成。成果は米生物学誌「カレントバイオロジー」に21日に掲載された。

ハリガネムシの生涯。「シスト」はいわば休眠状態(神戸大学提供)
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