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熱海の大規模土石流の被災状況明らかに 国土地理院が動画や分析図を公開
2021年07月08日
国土地理院が静岡県熱海市伊豆山で今月3日に発生した土石流の跡をドローンで撮影した動画や、写真などを基に被災範囲を分析した図などをホームページで公開している。動画などからは家屋が泥流にのみ込まれた状況が生々しく伝わり、長さが約2キロにも及んだ大規模土石流の全貌が明らかになった。
公開された動画は、土石流が発生から3日経過した6日に国土地理院がドローンを使って上空から撮影した2種類。一つは土石流起点の近くから下る動画で、もう一つはそのさらに海側に下る部分を撮影している。逢初(あいぞめ)川に沿って土石流が激しく流れた跡や、泥流になぎ倒された木やのみ込まれた家屋が映っている(画像1)。
国土地理院はまた、6日に撮影した航空写真資料などを基に土石流の被災範囲を推定した図も公開した(画像2の赤い部分)。同院や静岡県や熱海市によると、土砂が流出して山肌が露出したり、土砂に覆われたりした範囲は、長さ約2キロ、幅は最大160メートルにも及んだとみられる。
静岡県や熱海市によると、被災範囲は火山灰などが積もった火山性の地盤で、土石流の起点周囲は標高約400メートルにあり、岩戸山の中腹。静岡県は、起点あたりの盛り土が豪雨による大量の雨水で流れ出たとの見方を示し、盛り土と土石流との因果関係を詳しく調べている。
国土地理院は、今回被災現場となった熱海市伊豆山周辺を1962年と2017年にそれぞれ撮影した2つの航空写真も公開した。比較すると、1962年時点では逢初川中流部は畑作や果樹園などの土地利用が多く、2017年時点では住宅が増えていることが分かる(画像3)。
このほか、土石流の起点になったとされる地点の地形断面を比較した図も公開した。2019年と、盛り土ができる前と見られる2009年にそれぞれ行われた航空機によるレーザー測量データを分析した結果で、標高差から盛り土前後の変化量が判別できる。最大で十数メートルかさ上げされ、埋め立てられた土砂量は推定5万6000立方メートルにも及ぶことが分かるという(画像4)。
関連リンク
- 国土地理院「令和3年(2021年)7月1日からの大雨に関する情報」