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卵アレルギーは固ゆで卵を少しずつ与えて予防可能か
2016年12月13日
離乳期初期の生後6カ月から乳児に固ゆで卵を少しずつ与えることで卵アレルギーの8割を予防できた、と国立成育医療研究センターなどの研究グループがこのほど、英医学誌ランセットに発表した。食物アレルギー原因食品の早期摂取が発症予防につながる可能性を示す研究成果だが、研究グループは「親が自分で(卵を)調整することは危険で必ず専門医に相談してほしい」としている。
国立成育医療研究センターの大矢幸弘(おおや ゆきひろ)医長らの研究グループは、アトピー性皮膚炎があって食物アレルギーを発症しやすいと生後4〜5カ月の時点で診断された乳児60人を対象に固ゆで卵を与えた。生後6カ月になって以降固ゆで卵の粉末0.05グラムを、生後9カ月からは0.25グラムを、それぞれ毎日与えた。
その結果、1歳になった時点で卵アレルギーになった乳児は5人で、対象乳児の約8%だった。これに対して卵の粉末を与えなかった乳児は約38%がアレルギーになった。この結果を比較するとアレルギー発症率は卵粉末を与えた方が約8割下がっていた。
卵アレルギーは食物アレルギーの中でも最も多く、牛乳アレルギーを含めると食物アレルギーの約半分を占めるとされ、多くの親を悩ませている。今回の研究成果はこれまでの「アレルギー原因食品は与えてはいけない」とする従来の考え方を覆す注目に値する内容。研究グループは「鶏卵の離乳期の早期摂取は鶏卵アレルギーの発症を予防するという結論になった」としつつも「(鶏卵を早期摂取させる)安全性に問題も残る。卵の加熱が不十分だとアレルギーの抗原性が高くなり危険」などとして、(早期摂取などについては)必ず専門医に相談するよう強調している。
関連リンク
- 国立生育医療センタープレスリリース「離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見」