一般講演会 レーザーの斬鉄剣
概要
東大物性研が、年に一度お届けする一般講演会。
今年は、モノづくりの場面で活躍しているレーザー加工のお話です。
「なぜ、ものは切れるのか?」という基礎的な部分から、
斬鉄剣の切れ味のような綺麗な切断を目指した、レーザー開発と応用研究の今を紹介します。
斬鉄剣の切れ味に、レーザーがどこまで迫れるのか。結果は当日、皆さんの目で確かめてください。
講演者
小林 洋平(東京大学 物性研究所 教授)
もし、斬鉄剣を手にしたら、何を切ってみたいですか?
クルマでも何でもスパッと切ってしまう、究極の切れ味をもつ斬鉄剣。きっとその切断面も綺麗に違いありません。
実はそのように綺麗に切ることは非常に難しく、ものづくりの現場では、切断面を滑らかするなど、二次加工の手間とコスト が掛かっています。もし、斬鉄剣のようにどんなものでも一度でスパッと切ることができたら、ものづくりに大きな革命が起きるに違いありません。
私たちは、レーザーを使って、斬鉄剣のように金属やガラスを日々切っていますが、斬鉄剣の切れ味には、まだまだ及ばない ところがあります。どのようにして光を「研ぎ」、どのようにして切断の「技」を磨くのか。目指す究極の切れ味にむけたレーザー技術開発と、ものづくり革命への道筋を紹介します。
谷 峻太郎(東京大学 物性研究所 助教)
長年の経験と勘に裏打ちされた、匠の技術。これが今、高齢化や後継者不足のために途絶えてしまう可能性があります。
実際の職人のように、たくさんのパターンを学習させて、切るための最適な条件を"機械学習" から導き出そうとしています。
光の斬鉄剣なるレーザーは、光の波長や強度、照射時間などを変えることで切れ味が変わります。これらの制御はIoT との相性が良く、機械学習から導き出した条件で切ることができれば、いつでも、どこからでも、誰もが斬鉄剣の切れ味を手にすることができるようになるのです。
匠の技をサイバー空間へ。IoT ものづくりの加工技術革命が始まります。
- 2017年11月27日 プレスリリース「TACMIコンソーシアム」を設立 -産官学連携で光ものづくり協創を目指す-
アクセス
〒277-0871
千葉県柏市若柴178番地4
柏の葉キャンパス148街区4-4
お問合せ
東京大学 物性研究所 総務係
04-7136-3207-
[フレーム]