音の空間化とリアルタイム性に基づくライブエレクトロニクスの実践
ライブエレクトロニクスは、コンピュータによって生成された音声と生楽器の演奏音をリアルタイムに組み合わせる音楽形態です。様々なライブエレクトロニクスの実演に携わってきた今井慎太郎によるこの授業は36.8chの全方位スピーカーシステムを備えた音響空間施設「Artware hub」において4回の集中講義として開講されました。授業前半ではブーレーズ作曲の《レポン》を中心とした鑑賞、ライブエレクトロニクス探究のために設立されたIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)の歴史と思想について講義形式で学びました。授業後半では、プログラミング言語MaxとPure Data導入後に、それらを用いた作品制作、発表そして最後に講評を行いました。コンピュータの登場によってクラシック音楽の文脈にもたらされた革新的な変化と、そこから現代へと続く音楽と技術の関係の変遷を扱ったこの授業は、幅広い関心をもつ学生たちにとって大きな刺激になりました。
学術フロンティア講義
(ライブエレクトロニクスの検討と実装——ブーレーズ作曲《レポン》を題材に) 教養学部前期課程
担当教員: 今井 慎太郎
2019年度
(掲載日:2020年6月5日)