沙川研究室 ‐東京大学大学院 工学系研究科

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沙川研究室
東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻

Zoomオンライン講義メモ


Zoom Proを使ったオンライン講義について、少し試行錯誤した結果のメモです。

  • 私は今回Zoomを学び始めたばかりで詳しくありませんし、以下の方式を一般にお勧めしているわけでもありません。基本的に自分用のメモに過ぎませんが、ご要望をいただいたため、もし何かのご参考になればと思い公開しました。

  • 板書形式の講義を如何にオンラインで再現するかが目標です。私の担当している「量子力学第二」を念頭に置いています(普段は数式をぶわーっと板書していくスタイルの講義です)。

  • 私はZoom以外を試していませんが、他のアプリでも同様の配信が可能かもしれません。Zoomの特徴の一つは軽いことで、1時間300MB程度のようです。ただし、それでも通信制限に問題がある受講者がいないかについて、(匿名性を保った形で)初回の講義で確認する必要があるかもしれません(私はZoom投票を使いました)。なおセキュリティ関係はここ(東大情報基盤センターのPDF)が参考になります。


以下では三つの方式についてメモします:

私が実際に講義に採用したのは一つ目だけですが、他も研究室内で配信したりして試してみました。



◇すべての方式に共通すること

  • 質問はZoomチャットで随時受け付け:
    私の場合はチャット画面を流し続けながら、すぐに答えられる質問はすぐに、そうでない質問は後からキリのいいタイミングで答えていくという方式にしました。また、トピックの切り替わり(たとえば15分くらい)ごとに、受講者が質問を入力する時間を意識して確保するのが良いように思います。このようなインタラクティブさが(一方的な配信とは違う)Zoomの魅力だと思っています。私の講義では、オンラインでチャットを用いる方が、対面講義よりはるかに多くの質問が出ました。ニコ生の配信はこういう感じなのかなという雰囲気を感じました。

  • 板書内容のファイルをPDFで配布 + 1-2週間に1回はレポート課題:
    板書をPDFで配布すると受講者が手を動かしてノートをとる機会がない(また、オンラインの筆記試験も困難)ため、こまめにレポートを出して手を動かしてもらうことが必要だと思います。

  • 説明を逐一言葉で板書するわけではないので、「板書のファイルを読む」だけでは独習としては不適切と思われます。配信される講義を聴いて補う必要があり、もし独習する場合は、必ず「定評のある教科書を読む」ことが重要だと思います。——と受講者に伝えました。


◇タブレット使用(板書事前作成)

私が「量子力学第二」の講義で実際に採用した方法ですが、そこそこ機能したと思います。

  • 使うもの: iPad Pro + Apple pencil + ノートPC(私はWindows)

  • 事前準備: Notabilityなどのアプリで、板書に相当するPDFを事前に作成、Dropbox等に入れておく。できれば受講者に配布しておく(東大の場合はITC-LMSを使う)。

  • 本番の手順:
    1. iPadをホストとしてミーティングを開始。
    2. iPadの画面共有でPDFを共有。Dropbox等からのファイル画面共有(ブロードキャストではなく)にすると解像度が良い。
    3. 注釈(コメント)機能(とくにペンとポインタ)を使ってPDFの上から書き込み、説明していく。とくに質問対応のときはペンが便利。
    4. PCを共同ホストとして参加。こちらでは常にチャットを表示しておくことで、質問対応をスムーズにする。
    5. もし「自分の姿」を映し続けておきたい場合は、PCのビデオをONにしておく(私はしていない)。

    以上の方式でスマホに配信した画面は以下のようになります。「これがポインタ→」という青字が注釈機能で書いたもの、横の赤い点がポインタです。



  • 注意点:
    • 事前に注釈(コメント)をONにしておく。ただし、これをすると参加者も全員注釈が出来てしまうので、決して書き込まないように受講者に注意しておく(込み入った質問のときに質問者にだけ書き込みを許可することはありうる)。「注釈者の名前を表示」をONにしておくとイタズラは発生しないと思われる。いずれも右上の「詳細>ミーティング設定」から出来る。
      (注記)もし「ホストだけ注釈をON」にする方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、教えていただけると幸いです。

  • 長所と短所:
    • 長:事前にPDFを作成してあるため、板書をする時間が省けて、その時間を質問対応にとれる。
    • 短:「式変形をリアルタイムで書いて見せる」が出来ない(物理ではわりと大事)。



◇タブレット使用(リアルタイム板書)

上記(板書事前作成)の亜種です。

  • 使うもの: iPad Pro + Apple pencil + ノートPC

  • 事前準備: とくになし。普通の講義準備。

  • 本番の手順:
    1. iPadをホストとしてミーティングを開始。iPadはミュートにする(こちらのマイクをONにするとカツカツと書き込む音がうるさく不快なレベルになる可能性)。
    2. PCを共同ホストとして参加。こちらのマイクをONにする。また、常にチャットを表示しておくことで、質問対応をスムーズにする。
    3. iPadでZoomホワイトボードを立ち上げて板書講義開始。Notabilityのブロードキャストでも良いと思われるが、解像度が落ちる気がする。
    4. もし「自分の姿」を映し続けておきたい場合は、PCのビデオをONにしておく。
    5. 板書を保存してPDFに変換し、あとで受講者に配布。

  • 注意点:
    • 注釈(コメント)をOFFにしておけば、Zoomホワイトボードへの書き込みはホストだけが出来る(はず)。

  • 長所と短所:
    • 長:「式変形をリアルタイムで書いて見せる」ことが出来る。
    • 短:事前PDF作成に比べて、質問対応の時間が減る。
    • 短:PCのマイクを使ってもカツカツ書く音がうるさい可能性あり(試していません)。



◇電子ホワイトボード使用

もし電子ホワイトボードがある場合に、それを使って板書をしてビデオ配信する形式です。私は当初これを採用する予定でしたが、東大の入構制限のため諦めました。

  • 使うもの: 電子ホワイトボード(以下、MAXHUBを念頭に) + ノートPC

  • 事前準備: とくになし。普通の講義準備。

  • 本番の手順:
    1. PCをMAXHUBから1メートル程度の位置に置き、PCカメラにMAXHUB画面と自分の両方がうつるように調整する。ヨビノリのイメージ。この画面調整に意外に時間がかかるので注意。
    2. PCをホスト、MAXHUBを共同ホストとしてミーティングを開始。
    3. MAXHUBホワイトボードを立ち上げ、板書講義を開始する。
    4. 講義をPCカメラで配信すると同時に、MAXHUBの側で「ホワイトボード」を選択して画面共有する。受講者は見やすい方を自分で選択することができる。
    5. PCでは常にチャットを表示しておくことで、質問対応をスムーズにする。
    6. MAXHUBの板書をPDFとして保存し、あとで受講者に配布。

    PCカメラからスマホへ配信した画面は以下のようになります。やや見にくいのは事実ですが、文字の可読性はあります。左に少し映っている白いものは私のノートです。



    また、MAXHUBホワイトボードの画面共有は以下になります。解像度が良く可読性が高いことが分かります。



  • 注意点:
    • 自分とPCの距離を1メートル程度に配置することで、チャットによる質問対応をスムーズにできる。
    • 試していないが、普通のホワイトボードでも(画面共有以外は)出来ると思われる。ただし輝度の関係で文字の可読性が落ちるかも。

  • 長所と短所:
    • 長:通常の講義と同様に、身振り手振りを交えた板書を配信できる。
    • 短:電子ホワイトボードが必要。ただし上記のように通常のホワイトボードでもある程度可能と思われる。
    • 短:キャンパスに入構規制がかかると出来なくなる。
    • 短:ヨビノリより上手くやるのは難しいと思われる(私は出来ません)。

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