アラブ首長国連邦/ドバイ首長国Warsan廃棄物焼却発電プロジェクト(融資保険の引受)
株式会社日本貿易保険
株式会社日本貿易保険(NEXI:代表取締役社長 黒田篤郎)は、伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)、日立造船株式会社(以下、日立造船)、Dubai Holding Commercial Operations Group LLC、Dubal Holding、N.V. BESIX S.A.及びTech Group Dubaiが出資するDubai Waste Management Company P.S.C.(以下、事業会社)がアラブ首長国連邦ドバイ首長国において実施する廃棄物焼却発電プラント建設・運営プロジェクトに対する融資に対し、保険の引受を決定いたしました。
本プロジェクトは、ドバイ首長国における初の廃棄物焼却発電事業であり、また、NEXIとして同事業における初の融資保険の引受です。
本プロジェクトは、ドバイ首長国のWarsan地区において、年間の廃棄物処理量は約190万トンの廃棄物焼却発電プラントを建設・運営するもので、商業運転開始後35年間にわたりドバイ都市行政庁(Dubai Municipality)向けに売電を行います。
事業会社への出資のみならずプラントの運営・管理といったプロジェクトの川下に至る本邦企業の一貫した取組、再生可能エネルギーの海外展開支援、公的金融の積極活用、優れた廃棄物処理ノウハウ・技術の海外展開といった観点において、日本政府が2020年12月に第49回経協インフラ戦略会議で決定した「インフラシステム海外展開戦略2025」の方針に沿ったものです。
伊藤忠商事は、環境・再生可能エネルギー事業を注力分野の一つとして位置付け、都市環境整備、地球温暖化ガス削減を通じた循環型社会の実現に寄与するプロジェクトをグローバルに展開しております。特に、社会の持続的発展に貢献する環境保全型ビジネスの一つとして、廃棄物処理発電事業を早期より積極的に推進し、蓄積したビジネスノウハウを活かし、本プロジェクトにおいては、事業会社への出資に加え、事業会社への人員派遣等を通じて主導的な役割を担います。
日立造船は、廃棄物焼却発電施設建設を循環型社会実現に向けた「エネルギー問題」及び「環境問題」の重要な解決方法として同社コアビジネスに位置付け、グローバルに事業を展開し、これまで欧州・アジアを中心に全世界で約1,000件の廃棄物処理施設(その内、約半数が発電設備付き)が建設されており、国内では約40施設で運営事業を展開するなど、オペレーションアンドメンテナンスでも数多くの実績を有しています。本プロジェクトにおいては、事業会社への出資に加え、豊富な実績に裏付けされる知見を活用し、EPC及びO&Mも主導する予定です。
本融資は、株式会社国際協力銀行、株式会みずほ銀行、株式会社社三井住友銀行、スタンダードチャータード銀行、ソシエテ・ジェネラル銀行、クレディ・アグリコル銀行、KfW-IPEX銀行及びシーメンス銀行による協調融資であり、NEXIはこのうち民間金融機関の融資(約380百万米ドル)に対し保険を引き受けます。
本事業は日本の技術・ノウハウを結集したもので、日本政府の推進する「質の高いインフラパートナーシップ」に資する案件です。
ドバイ首長国の重要政策である「ドバイ・クリーンエネルギー戦略2050」に基づき、ドバイ都市行政庁は廃棄物の埋立処分量削減、持続可能な環境に配慮した廃棄物管理及び代替エネルギーの開発促進といった政策目標を設定しており、本事業の実現はそれらの目標達成に加え、国連の定める「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも資するものです。NEXIが本プロジェクトをファイナンス面から支援することにより、今後の本邦企業の中東地域における事業機会の拡大、本邦企業の優れた環境技術の同国への展開、ひいては同国の社会や経済の発展に寄与することが期待されます。
本プロジェクトは再生可能エネルギーとして位置づけられる廃棄物発電事業であることから、本件は世界の再エネ普及・脱炭素化を推進する案件として、昨年末に発表した「LEADイニシアティブ」1に基づく取組みの一環となります。また、本件は「環境イノベーション保険」2の対象となる環境保全・気候変動対策分野のプロジェクト向けファイナンス案件となります。NEXIは、「LEADイニシアティブ」を通じて、世界の長期的なカーボンニュートラルの実現に向けた我が国の積極的貢献を推進すべく、今後も本邦企業の事業支援を行ってまいります。
(ご参考)
融資保険概要
お問い合わせ先 営業第ニ部 電力グループ Tel: 03-3512-7340
1 LEADイニシアティブについては、2020年12月10日付けトピックスをご参照下さい。
2 環境イノベーション保険については、2019年7月17日付けトピックスをご参照下さい。