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日本海側初の国立美術館が誕生!!
左:旧第九師団司令部庁舎、右:旧金沢偕行社(国登録有形文化財)
国の地方創生施策の一環である政府関係機関の地方移転として、東京国立近代美術館工芸館が石川県金沢市に移転します。国立工芸館は、日本で唯一の国立で工芸を専門とする美術館であり、石川県への移転により日本海側初の国立美術館が誕生します。
工芸振興のナショナルセンターとして、重要無形文化財保持者(人間国宝)や日本芸術院会員の作品約1,400点をはじめ、現工芸館が所蔵する日本の工芸の歴史を語るうえで欠かせない美術工芸作品約1,900点以上が東京から移転します。
国立工芸館の移転先となる、金沢市の「兼六園周辺文化の森」は、兼六園を中心とする半径1kmの範囲の中に、藩政期から近代に至るまでの各時代の歴史的建物や文化施設が集積した文化ゾーンです。
重要文化財であるいしかわ赤レンガミュージアムや、円形のデザインが有名な金沢21世紀美術館などが建ち並び、アーキテクチャーツーリズム(建築観光)としても魅力的なエリアです。
国立工芸館の移転により、藩政期からの石川県ゆかりの美術工芸品を扱う石川県立美術館をはじめとする周辺文化施設とあわせて、日本の工芸の全ぼうを一堂に鑑賞できるエリアが誕生します。
両建物は、明治期に建てられた旧陸軍の施設であり、ともに国登録有形文化財です。
建物の解体にあたっては、移築・活用する部材を一つ一つ丁寧に取り外し、使用可能な部材については再利用しました。解体作業の中で、外壁や窓枠の色が建設当時と異なっていることがわかりました。移築に合わせて当時の色に戻し再現することで、文化財としての価値がさらに高まると期待されます。
師団司令部の執務室として使われていました
解体前の第九師団司令部庁舎
1909(明治42)年の姿
(左)ケヤキの重厚な階段(右)天井装飾
移築後も建設当時の雰囲気を壊さないように整備しました。
陸軍将校の社交場として使われていました
東京から、重要無形文化財保持者(人間国宝)や日本芸術院会員が制作した作品(約1,400点)をはじめ、現工芸館が所蔵する美術工芸作品約1,900点以上が移転します。
日本の工芸の歴史を語るうえで欠かせない作品が移転し、常設展や企画展が開催されます。
掲載作品は全て東京国立近代美術館所蔵
飯塚琅玕斎《花籃 宝殿》1948年頃
富本憲吉《色絵金銀彩四弁花文八角飾筥》1955年
佐々木象堂《蠟型鋳銅置物 瑞鳥》1958年
日本で最初の国立美術館である東京国立近代美術館の分館として、金沢市出身の建築家・谷口吉郎が改修を手がけ、1977(昭和52)年に開館しました。近現代の工芸およびデザイン作品を全般にわたって幅広く収集を行っています。工芸館の赤レンガの建物は、1910(明治43)年に建てられた旧近衛師団司令部庁舎を保存活用したもので、重要文化財に指定されています。
東京都千代田区北の丸公園にある現在の工芸館外観
(国指定重要文化財 旧近衛師団司令部庁舎)