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Go Global 奨学基金(東京大学在学学生留学支援・海外派遣事業)

国際社会のフロントを切り拓く行動力を備えたタフな人材

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プロジェクト設置責任者

理事・副学長 国際本部長
羽田 正

東京大学へのご寄付には税法上の優遇措 置が適用されます。

Go Global 奨学基金とは(東京大学在学学生留学支援・海外派遣事業)

国際社会のフロントを切り拓く行動力を備えたタフな人材を育成するため、海外留学、海外インターンシップ・ボランティアなどにチャレンジする学生を経済的に支援する奨学事業です。東京大学は、グローバルに活躍する人材の輩出を目指しています。

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理事・副学長(国際本部長)からのメッセージ

多様な国際体験のために

昨今、学生の内向き志向がしばしば指摘されています。しかし、本学では、毎年延べ約5,000名の学生が、研究や学習(留学、体験活動、学会参加、フィールドワークなど)のために海外に出かけており、決して心配するような状況にはないと考えています。

とはいえ、交換留学での6か月以上の長期留学や、海外の著名大学で開催される短期プログラムへの参加を目指すなら、相応の経済的負担が必要となります。直近の調査では、学生の約25%が、学費の問題で留学を諦めたということが明らかになっています。

東京大学は、世界を舞台に各方面で活躍できる人材を育成すべく、世界各地の有力パートナー大学との交換留学・教育プログラムをはじめ、創造的で多様な国際経験の場を学生に提供しています。経済的な理由で、意欲ある学生がこれらの研究や学習の機会を失うことがあれば、それは、将来の地球社会にとって、大きな損失となるでしょう。

東京大学の「Go Global奨学基金」は、高い志を持った若い学生が見聞を広め人間として大きく成長することを、経済的に支援するために設けられました。優秀な学生の未来と将来の地球社会のために、皆様の力強いご支援を、どうかよろしくお願いいたします。

2016年4月
東京大学理事・副学長 羽田 正

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IARUサステイナブルキャンパスプログラムでのインターンシップ体験

2017年10月25日(水)

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K.K さん

農学部フィールド科学専修3年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

私は、サステイナブルキャンパス交換学生として、ケンブリッジ大学に2017年7月から8月にかけて5週間滞在しました。このプログラムは、IARUに加盟している大学間で学生を交換し、派遣先でサステイナブルキャンパス活動に重視するというものです。私は、TSCP学生委員会に所属していることもあり、このプログラムを通じて海外の大学におけるサステイナビリティへの取り組みを体験したいと思い、参加しました。

滞在中は、ケンブリッジ大学のサステイナビリティを向上させるための活動を行っているEnvironment and Energy Sectionという部署でインターンシップを行いました。インターンシップ内容は、ケンブリッジ大学におけるサステイナブル調達のガイドラインを改訂するというものでした。インターンシップなので、職場にデスクが与えられ、そこでサステイナブル調達に関する業務を行いました。インターンシップ制は私とケンブリッジの学生2人の合計3人でしたが、みなそれぞれ異なる業務を行っていました。私は、現在のケンブリッジ大学のガイドラインや他大学の調達ガイドラインを読みながら改善点を考え、職場における上司や調達を担っている部署と話し合いながら新しいガイドラインを作成しました。

私が自分で設定した今回のプログラムの目的は、環境問題に対して様々な先進的な取り組みを行うイギリスにおけるサステイナブルの考え方や環境問題への意識を学ぶことでした。インターンシップ業務以外でも、職場の方々に、サステイナブルキャンパスの様々な取り組みやイギリス全体の環境への取り組みをお聞きすることができました。また、週末は自然保護地に行って自然保護の現場も見てきました。

今回のケンブリッジでの経験は、今後のTSCP学生委員会での活動、生物多様性保全に関わる学科での今後の研究にとってとても有意義なものになると思います。この経験は、奨学金無しでは得られなかったと思います。この機会をくださった方々に感謝しています。

人間の安全保障の実現に資する社会的企業研究

2016年09月02日(金)

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T.K さん

総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム(HSP)
博士課程3年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

発展途上国の人々が恐怖や欠乏から自由になり、一人一人が自分の可能性を最大限に生かせる社会作り(人間の安全保障の実現)を目指し、市場原理を活用した持続可能な貧困削減の研究をしています。日本でもマザーハウスやユーグレナ等社会起業家が活躍しており、味の素社等の大企業も最貧困層向けビジネスに注力していますが、米国では経済的利益及び社会的便益の双方を同時に創出する社会的企業「ベネフィット・コーポレーション」という法人格が州法で認められていることもあり、数えきれない程の社会的企業が生まれています。事例の多さに加え、(社会的企業のように複数の目的を両立する)ハイブリッド組織の研究が盛んに行われているため、米国への留学を決断しました。

スタンフォード、ハーバード及びバークレーでも活発に社会的起業の研究が行われていますが、イェール大学の経営大学院の社会的企業プログラムは、企業の社会的責任(CSR)のケーススタディから途上国における貧困削減ビジネスを行動経済学の観点から学ぶ授業まで幅広い授業が用意されている上、ハイブリッド組織に就職する卒業生に対して学生ローンの免除プログラムを提供する等、経済だけでなく社会的リーダーを育成することに熱心です。東大イェールイニシアティブを通じて留学させていただいたため、イェール大学の総合文化研究科だけでなく、いずれの大学院も選択できたため、所属先として経営大学院を選択しました。

イェール大学大学院は、秋学期(前半・後半)及び春学期(前半・後半)に授業が提供されています。客員研究員として所属するため、単位を取得することはできませんが、教員の許可が得られる限り、学年や学科を越えてイェール大学全ての授業を聴講することができる上、ライティングセンター(英文の添削や構成指導)、電子書籍等の資料(購入依頼も可)や統計ソフト等あらゆる研究資源へのアクセスが許可されています。教員も非常に協力的で、面会依頼をすれば、博士論文に対するフィードバックや参考にすべき資料について指導をしていただけるだけでなく、「あなたの関心に近い研究をしている人を知っている」といって、ハーバード経営大学院等他校の教員まで紹介していただきました。結果的に、その教員との面会を通じて、社会的起業家及び社内起業家の心理と組織の意思決定に着目し、組織行動学の観点から分析を行うという博士論文の骨子を決めることができました。骨子が決まってからは研究の方向性がはっきりし、ライティングセンターや米国人のルームメイト、社会的企業を起業した経験のある同級生等に助言を得つつ三本の英語論文を執筆、いずれもジャーナルの査読に通り、うち一本は国際学会発表時に最優秀論文賞を頂くことができました。現在四本目の論文を執筆中です。

イェール大学では、授業の他に学べる機会が多くありました。毎日昼食時や放課後には、生徒が企画するセミナーが複数開催され、Citiグループ等大企業のCEOから社会的企業の成功例であるHonest Tea(米コカ・コーラが買収した貧困削減を目的とした飲料会社)のCEOまで幅広い実務家のお話を聞くことができました。熱心な学生が次々に質問をする中、自らの質問をすることは容易ではありませんが、米国では必ずといっていいほど、スピーカーが講演後に会場にとどまり、一人一人と名刺交換をして質問に答えてくれるため、毎回必ず質問をしにいくことを自らに課していました。個人的な体験や心理を伺い、キーワードを集めることで、研究の素地ができました。経営大学院にとどまらず、全学科の生徒を対象にした国連改革に関するセッション等も開催され、私が国連インターンをした際に考えたことについて、法学部・国際関係学部・森林学部等幅広い学生と意見交換できたことは大変興味深く、自身のキャリアを再考するよいきっかけとなりました。第二回目のセッションでは運営側に回れることになり、積極的に機会を探せば、立場にかかわらず機会を与えてもらえることも実感できました。

帰国子女ではないため、常に英語には苦労していますが、日本をテーマにしたイベントを積極的に開催することで、国際色豊かな学生と仲良くなることができました。日本に興味を持っている学生が驚く程多く、隔月程度、日本企業や文化人をイェールに招聘して、柔術、餅つき、着物体験、日本酒等のイベントを学校の公式行事として開催するとともに、これまで交流のない国から来た学生や、興味深い職歴を持っている同級生たちを自宅に呼び、月に1回から2回程度、手作りのお寿司を振る舞い、学びと親交を深めました。

米国の博士課程の学生とは異なり、日本の博士課程の学生は資金的に非常に厳しいため、東京大学からの支援なくしてイェールへの留学はかないませんでした。心からご支援に感謝し、この貴重な留学経験を生かして、内容の濃い博士論文を完成させ、一日も早く実務者の立場から、人間の安全保障の実現に貢献したいです。

Accomplishments beyond Expectation

2016年08月24日(水)

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H.J さん

工学系研究科博士課程2年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

The main reason that I applied to go to study in Delft University of Technology is because the lectures they give are what I long for. My research topic is about ship motions and control theory, which requires solid foundation of hydrodynamics and hydromechanics. However, with the background of mathematics and statistics, I felt that self-study of those theories could not support my research furthermore; therefore I needed to make a systematic study as soon as possible.

The Maritime Technology in TU Delft has a great academic reputation in worldwide. The courses provided by them are in a board ranges of subjects, such hydrodynamics of floating structures, ship maneuvering and motion control. Among them, I selected several lectures that connect to my research closely. For instance, Hydromechanics of Special Ship Types given by Prof.Keuning; Ship Movements and Ship Control 3 given by Prof Huijsmans; Offshore Hydrodynamics given by four professor with respect to different topics. Most of those courses also have tight band with each other, following step by step explanation and well organized structure, concepts and theories which are abstruse in the beginning turn out to be understandable.

It is until I came back Japan, I finally noticed the progress that I have made during the exchange period. It obviously enhanced my confidence and enthusiasm on my further research.

Hereby, I would like to express my sincere appreciation to the ‘Go-Global Scholarship Program’. Without the kind financial support it would be hard for me to pursue the study in the Netherlands. Thank you very much!

国際的な環境政治学を学ぶために

2015年10月07日(水)

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K.S さん

後期教養学部教養学科総合社会科学分科国際関係論コース3年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

ロンドンでは、2015年12月にパリで行われる気候変動枠組み条約第21回締約国会議を常に視野の先に据えて学習していました。この会議は、1997年の京都議定書以来初めて、気候変動に関する国際的な法的枠組みが大きく潮流を変えると思われる会議です。環境問題、とりわけ気候変動について、留学前から関心を持ってきましたが、問題に関して広く一貫した勉強ができないままでいました。今回の留学の狙いは、“環境先進国”ということになっているヨーロッパの地において、こうした問題について広範に学習することにありました。

国際関係論に関して世界をリードするUCLのDepartment of Political Scienceに在籍し、国際関係論を学び直しながら環境学と政治学についての知見を新たに深めていくことで、当初の目的を大いに達成できたと感じています。国際環境政治学、政治学理論、国際組織、国際安全保障の4つの授業を履修し、それぞれ講義とセミナーを受け、そして私にとってはかなりの負担となったいくつものエッセイに取り組みました。国際環境政治学で環境問題を扱ったのはもちろんですが、その他のどの授業においても「環境/Green」という切り口が用意されていたのが、この上ない好機でした。結果的に、国際政治での環境問題に関する交渉そのものだけでなく、政治哲学的に一貫したGreen Ideologyの在り方、環境問題に関する協力を可能にする国際制度論、安全保障学の枠組みにおける環境問題の脅威の位置づけなど、環境問題の解決に向けた行動の理念的な土台となる諸観念についても、大量の文献を読んで学習することができました。また、授業のほかにも、学内の様々な部署が開催しているイベントやシンポジウムに参加することで、現地で環境問題がどのように認知されているのかを目にすることもできました。

奨学金によって、このような非常に刺激的な体験を可能にしていただいたことに、心より感謝を申し上げます。ここで得た視座を具体的にどう活かしていくかは未だ決定し切れていませんが、必ず今後の勉学と進路に役立ててまいりたいと思います。

ローマでの研究生活の意義

2015年04月30日(木)

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N.H さん

人文社会系研究科博士課程2年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

人文社会系研究科基礎文化研究専攻でイタリア美術史の研究をしております。Go Global奨学基金を頂いて、ローマ大学サピエンツァの博士論文提出候補生として5ヶ月間の留学をさせて頂きました。基金への寄付者のみなさま、貴重な機会を頂けましたこと心からお礼申し上げます。

留学の目的は、ルネサンス期の画家ピントリッキオの描いた聖母子像についての博士論文の執筆を進めることです。これまでに調査研究してきた資料を用いて、博士論文としてまとめ上げる段階にあります。留学期間中には、ローマ大学サピエンツァのカヴァッラーロ教授、マンザーリ教授から直接指導を受けることで、研究・執筆作業を効率的に進めることができました。

イタリアルネサンス美術史研究では、作品や写真資料などを日本で参照することが難しく、現地において直接資料を精査しながら研究作業を進めることが非常に重要です。また、研究の中心地であるイタリアにいることで各国の研究者と出会う機会も多くなり、重要な意見交換を行うことができるようになりました。国際的な学会で発表する機会もあり、そこで研究書を読んだことのある研究者から意見をもらう機会にも恵まれました。研究者との交流は自身の研究にとって有益なだけではありません。欧米系研究者が大多数を占めるイタリア美術史の分野において、日本人学生を好意的に受け入れてもらうことにも貢献できたと思います。

受給期間中には、研究の視野を広げる機会も持つことができました。ローマ大学サピエンツァの美術史学科で行われた、第一線の研究者を招いたセミナーに通ったほか、大学外の講演会を聴講しました。博士課程の学生達とは、美術館や展覧会などの見学を自主的に企画しました。日本では得難いこれらの機会は、今後の研究の展開のためにも重要な経験となりました。

パリ滞在記

2015年04月28日(火)

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O.A さん

農学部農業資源経済学科4年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

私は、東京大学と交流協定校であるAgroParisTechに4か月間留学しました。2014年の6月に同大学のサマースクールに2週間ほど参加し衝撃を受け、本格的に腰を据えて留学したいと思い今回の留学に応募しました。

AgroParisTechの授業は、講義のみならずフィールドワークが多く組み込まれていたため、フランスの農業の現場を視察することができ、成功点や問題を目で見て実感することができました。また、成績評価はセミナー、グループワーク、プレゼンテーションに基づいているため、ただ一人黙々と机に向かう勉強では不十分で、優秀な学生との密な学術的な交流と協力が必要であり、専門的な知識を備えた異なる背景の学生と議論をすることができました。今回の留学では東京大学で培った知識を元に自分とは異なる環境で学んできた学生たちとの議論の場で、自分の意見を主張や説明し、相手の考えを理解するのは一筋縄ではいかないと気づかされました。今後、前提や常識など通用しないほど広大な場所で戦ってゆけるように、自分の考えを深め裏付ける専門的な知と議論の場で感じよく根気強く相手に接し続ける胆力を磨くことが課題だと感じました。

日常生活では、パリに浸透しているカフェ文化のおかげで、エスプレッソ越しに友人とあらゆる話をして過ごす午後が多くありました。多くの国籍の人々を抱える国柄のためか、会話は自分の考えや性格をストレートに表現するスタイルの人が多く、短い留学期間ながらも濃い友人付き合いができました。携帯を契約せずに世間から離れ、ひねもす美術館におり街をぶらぶら歩きまわる時間もよい自省の機会となりました。人と付き合う時間と一人の時間をバランスよく取れたことは、思い返せば私の留学の醍醐味でした。

私の人生のマイルストーンとなるような留学は、奨学金受給なしでは成しえなかったことと思います。ご援助を通じて貴重な機会をくださったすべての方に心から感謝しています。

ハーバードでの臨床実習を終えて

2015年04月22日(水)

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M.A さん

医学部医学科5年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

Harvard Medical School Exchange Clerkship Programに参加し、Harvard Medical Schoolの教育病院の一つであるBeth Israel Deaconess Medical Centerの神経内科で一カ月間実習した。ハーバードの医学生の4人班に混ざって、彼らが臨床実習で求められることを全く同様に行った。患者の診察やサマリーの作成・カルテの記載、毎朝の教授回診での担当患者についてのプレゼン、コンサルト症例の診察と症例についての上級医へのプレゼン、カンファやディスカッションへの参加、といったことである。ハーバードの医学生は医療チームの一員として日本の医学生より大きな役割を担っており、全ての患者のカルテを自由に閲覧して記入する権限を持ち、外来や初診でも学生だけで患者を診察することができる。彼らが知識や思考力で東大生より勝っているわけではないが、プレゼン能力を重視する教育からは学ぶことが多かった。

アメリカの医療現場で実感した日本との大きな違いは、患者の入院期間が極めて短い点。その分、一カ月の実習でも東大で経験するよりはるかに多くの症例を経験することができた。最初の二週間は脳卒中チームで、絶え間なく救急部に到着する脳卒中患者を担当し、残りの二週は変性疾患や感染症、てんかん、脳腫瘍など脳卒中以外の神経内科的疾患の患者を担当したため、脳卒中から非常にまれな感染症まで診ることができた。また、無保険の人や違法入国している人が救急車で運ばれてくることもしばしばあり、日本の医療制度との違いを目の当たりにした。国民皆保険により、全ての患者にほぼ同じレベルの医療を提供することのできる日本の医療に対し、アメリカの無保険患者への待遇は全く異なるものであり、医者とソーシャル・ワーカーとの間で繰り広げられる議論は驚きの連続だった。

今回のハーバードの実習では、英語での診察やカルテの記載などを習得することができた他、アメリカの医学教育や医療制度の現場を体験し、日米のそれぞれの特長を認識できた。寄附者の皆さまをはじめ、このような貴重な経験ができるようサポートしてくださった方々に感謝したい。

短期アメリカ臨床医学留学

2015年04月22日(水)

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M.K さん

医学部医学科5年(派遣時)
Go Global奨学基金奨学生

2015年1月5日から3月6日まで、米国ジョンズホプキンス大学にて医学実習をさせて頂きました。前半はリウマチ科、後半は皮膚科のプログラムに参加しました。

リウマチ科では他科からのコンサルトを担当するチームに配属されました。3‐4名から成る小さなチームの中で曲りなりにもチームの一員として責任を与えられ、かつ専門研修医や医学部教員の先生方からフィードバックを頂けたので、とても充実した実習でした。

加えて、臨床研究が盛んに行われている様子を見ることもできました。疾患ごとに設けられた専門外来で世界有数の規模を誇るコホート(患者集団)の追跡調査が行われており、世界の基準となるような研究成果が生み出されていました。さらに、その研究の成果が診療に活かされ、患者さんに還元されている様子も目の当たりにしました。

皮膚科では一般外来、小児外来、美容外来、光線治療外来などを順番に回り、幅広い皮膚科診療を見ることができました。さらに患者さんを招待しての症例検討会にも参加させて頂き、希少な疾患の患者さんを実際に診察する機会に恵まれました。

病棟での臨床実習に加え、研究にも参加させて頂きました。既報の論文をレビューするという内容で、米国滞在中に論文執筆まで至ることができました。

実習期間を通じて、現地の医学生や留学生と交流する機会が数多くありました。各国の医学教育に関して意見を交換したり、問診や身体診察を一緒に練習したりしました。時には将来目指す医師像について熱く語り合ったり、週末に連れ立って旅行に出かけたりもしました。

二ヶ月間の実習を通じて、それまで遠いと感じていた米国の医学界を少し身近に感じることができたように思います。

最後になりましたが、Go Global奨学基金に寄付をして下さった皆さまのお陰で大変貴重な経験をすることができました。この場を借りて深く御礼申し上げます。今回の経験を活かすべく、今後も勉学に精進したいと思います。

プリンストン大学留学体験記

2014年09月30日(火)

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O.K さん

理学系研究科物理学専攻修士課程1年(派遣時)
プリンストン大学との戦略的提携基金奨学生

2013年9月から11月までの二ヶ月間プリンストン大学天体物理学科(Department of Astrophysical Sciences, Princeton University)に交換留学生として滞在した。プリンストン大学は筆者が専攻とする宇宙物理学を始め、特に物理学、数学の分野において世界のトップに位置する教育機関でもあったので、留学する以前から興味を寄せていた。その上、筆者にとって「留学生」として海外の大学を訪れるのは初めてであったので、多くの有意義な経験をさせていただいた。

現地における大学生活は、宇宙物理学を学ぶ者としては非常に刺激的な毎日であった。天体物理学科においては、宇宙物理学における第一線の研究者たちが大学に訪れ、自身の研究を発表するセミナーがほぼ毎日開催される。最新の研究内容を基に議論が行われるセミナーは、日本にいたときには体験出来なかったもので、とても新鮮であった。そしてこの二ヶ月間、Eve C. Ostriker教授と富田賢吾博士研究員の指導の下、星形成領域における磁気流体シミュレーションに関する研究を行った。先生方は未熟な筆者に一から丁寧に指導してくださり、彼らと交わした議論から得た知識はこれからの自分の研究生活において礎になると確信している。

この留学において最も印象に残ったのは、やはり学科における先生方と学生たちである。天体物理学科のあるPeyton Hallでは、毎朝9時になると一斉に教室中の人々が一階のホールに集合する。毎日インターネット上で最新の論文が発表されるため、その中でも興味深い論文を取り上げて議論するためだ。もちろんその際にはコーヒーを欠かさない。驚いたのは、宇宙物理学の分野において権威ある先生方と学生が活発に議論を交わしている姿であった。研究に取り組む真摯な姿勢を感じ、研究者を目指す自分にとって良い刺激となった。

天体物理学科に留まらず、プリンストン大学の環境にも非常に感銘を受けた。プリンストン大学は1746年に設立され、一時は国会が設置されたこともある歴史的な場所でもある。歴史を感じさせる建物の中、近代的な図書館もありつつ、調和のとれた風景が広がっていた。自然も多く、落ち着いて研究に取り組むことの出来る環境であった。プリンストンという街そのものの中心がプリンストン大学であり、市街地も大学周辺に位置している。大学から数分も歩けば住宅街と森が広がっている。折しも筆者が訪れた頃は秋から冬への変わり目であったので、紅葉が美しく、時には鹿が道路を歩いているのにも出くわした。また、大学の近隣には、かのアインシュタインが過去に在籍していた高等研究所(Institute for Advanced Study)もあり、筆者もセミナーを聴講するため何度か足を運んだ。まさにプリンストンにある研究機関が街と一体化しており、一つの巨大な学術都市をなしていた。

初めての海外での生活ということで、最初は英語でコミュニケーションできるかなど不安も多くあったのも事実である。しかしながら、様々な人々の助けもあり、アメリカに到着してすぐにそのような不安もなくなり、研究活動に集中することが出来た。二ヶ月という短い期間ながら、この留学を通じて学んだことは数え切れない。いつの日か再びプリンストンを訪れたいと心から思える、とても貴重な留学経験であった。

文化の懸け橋を目指して

2014年09月19日(金)

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S.M さん

法学政治学研究科博士課程4年(派遣時)
長島雅則奨学基金奨学生

法学政治学研究科博士課程に在籍しております。奨学金の支給を心より感謝申し上げます。

私の研究は、ブラジル連邦共和国サンパウロの警察官が、何を「良いこと」、「悪いこと」と意味付けているのかを、警察の日常活動の観察を通して探るものです。ブラジルの治安問題については、ブラジルが国際的な注目を集めるようになる中で、日本でも報道される機会が増えたように思います。学部時代に初めてブラジルに渡航した私は、日本と比較した治安の悪さに驚き、日本との格差に怒りを覚えたものでした。それが私の研究の原点です。
現在、いただいております奨学金を使って、米国・イェール大学の社会学部に滞在中です。滞在の最終目標は、博士論文の完成です。昨年までサンパウロで2年半程のフィールドワークを行い、現地で得た資料を論文にまとめ上げる段階にきています。イェール大学滞在の大きな理由は、このまとめ作業の指針となる理論的立場である「文化社会学」(Cultural Sociology)について学べることです。受入教員のJeffrey C. Alexander先生は、「文化社会学」を提唱する中心的人物で、本日もそのセミナーに参加し、同僚の研究について議論をしてきたところです。

留学から帰った後は、博士論文を提出して学位を取得し、大学教員として働くことを希望しています。これからの研究でも、様々な文化の中で生活する人々の営みを生き生きと描き出しながら伝えていくつもりです。

寄付目的・支援先を指定できます
お名前 日付 金額 コメント
佐々木 清隆 2015年01月10日 50,000円 東大のグローバル化、東大生の世界での貢献を期待して、支援させていただきます。
<Go Global 奨学基金>
赤林 富二 2014年12月21日 100,000円 多くの方が在学中に海外での経験を積み、卒業後も海外関係の研究・業務でも臆することなくチャレンジできるようになってもらいたいです。
<Go Global 奨学基金>
寺澤 直樹 2013年11月09日 300,000円 グローバル化時代に、色々な面で世界と対等に渡り合える人材を一人でも多く送り出すことが、誰にも代われない東大の現在の最重要な役割だと思います。卒業生として少しでもお役に立てれば幸いです。
<Go Global 奨学基金>
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プロジェクト設置責任者

理事・副学長
国際本部長
羽田 正

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ご寄付の特典

「東京大学基金」の特典が適用されます。

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