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周囲の理解を得られず孤立...そのモヤモヤは「自分の価値観」が見つかるサイン

9/4(木) 12:00

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周囲の理解を得られず孤立...そのモヤモヤは「自分の価値観」が見つかるサイン
コーリングとは内なる衝動のこと。時に自分の価値観が見つかるヒントになる"モヤモヤ"とした感情の受け止め方を、コーチングを専門とする垂水隆幸氏が教えてくれる。

履歴書やキャリアシートを前にして、「自分の価値観って何だろう?」と思い悩んでしまうことは誰にでもあるのではないでしょうか。コーチングを専門とする垂水隆幸氏は、「日常で感じる違和感や自分の過去を深掘りすると、自分が何に喜びややりがいを感じるのか見えてくる」と言います。垂水氏が「内なる衝動」と呼ぶ「自分が本当に実現したいこと」の探し方を、氏が執筆した『Calling』よりご紹介します。

(注記)本稿は『Calling』(かんき出版)より一部を抜粋編集したものです。


日常の「モヤモヤ」を深掘りすると、自分の価値観が見えてくる

自分のコーリング(=内なる衝動)のヒントは、日常で抱く違和感から探求することができます。違和感は単なる不快感ではなく、私たちのコーリングが発する重要なシグナルを含んでいることがあります。それは時として身体感覚として現れ、時として漠然とした心理的なモヤモヤとして現れます。

たとえば、会議での意思決定の瞬間。ある判断に胸が締め付けられる感覚や、議論にモヤモヤする感覚。あるいは、人の話を十分に聞かないまま結論を出すことへの居心地の悪さ。これらの違和感は、私たちの内側にある価値観との「ズレ」を示唆しているかもしれません。

人との関係性の中でも重要な違和感が生じることがあります。たとえば、表面的なつき合いへの空虚感、本音で語り合えない関係性への違和感。これらもまた、その人固有の価値観やコーリングが発するシグナルかもしれません。

こうした違和感を単なるネガティブな感情として捨て去るのではなく、それが何を守ろうとしているのかを丁寧に探ることが大事です。その違和感の背後にある自分の価値観は何か。そして、その価値観をより建設的な形で表現する方法はないか。このような問いを通じて、私たちは自身のコーリングの重要な側面に気づくことができるのです。


違和感は否定対象ではなく、観察対象

参考までに日常的な違和感の例をいくつか挙げておきましょう。たとえば、自分が熱意を持って取り組んでいることに周囲の理解を得られず孤立感を覚えたり、慣例に従うだけの作業に対して虚しさを感じたり、意思決定のプロセスが自分の価値観や直感に反して進んでいく場面で違和感が生じてきます。

あるいは、自分が心からよいと思っている方法や意見を表明できず、モヤモヤが残ったり、誰かの行動や発言に強い反感を抱いてしまったりすることもあるでしょう。このような違和感を抱いた時は、実は観察のチャンスなのです。

大切なことは、こうした違和感を無視したり否定したりするのではなく、その背後にある理由を掘り下げることです。なぜ自分はその状況を受け入れがたいと感じるのか。その抵抗感は何を守ろうとしているのか。自分が理想とする状態と、目の前の現実とのギャップはどこにあるのか。このように丁寧に問いかけを重ねることで、違和感を自分のコーリングにつながるヒントへと転換することができるのです。

具体的なケースを紹介しましょう。ある企業に勤めるEさんは、会議でプロジェクトの方針が数値目標のみで決定されることになぜか抵抗を感じていました。当初、その理由は判然としませんでした。その違和感を掘り下げると、「数字だけでは現場の社員の創造性や、やる気が置き去りにされてしまうのではないか」という懸念があることに気づいたのです。

さらに深掘りを進めると、その懸念の奥底には、Eさん自身の「個人の意欲や内発的動機を尊重する組織文化を創りたい」という強い思いが息づいていることに気づいたのです。こうしてEさんは、組織内での数値至上主義に抱いていた違和感をきっかけに、自分が本当に実現したいことの一部に気づくことができました。


子ども時代の充実体験が「価値観」のヒントになる

私たちの多くは、幼少期や少年少女時代など、比較的早い段階で自分のコーリングの「原型」となる経験をしています。その原体験を大人になったいまの状況や仕事の文脈で改めて解釈し直すことで、重要な示唆を得られることがあります。

たとえば、子ども時代の自然な志向性。絵本を読むことへの没頭や、バラバラなものを整理することへの喜び。誰も見たことのないものを想像したり、新しい遊びや工夫を生み出したりした時の心躍るような感覚。これらは、その人固有の志向性を示唆しているのです。

また、学生時代の充実体験が重要な手がかりになることがあります。部活動でのリーダーシップの萌芽、クラスの調整役としての手応え、課外活動・サークル活動での創造的な貢献の喜び。そして社会人として駆け出しの頃の新鮮な発見。仕事の中で初めて「これは自分に合っている」と実感した経験や、意外にも適性を感じた業務との出会い。これらの経験は、現在においても重要な意味を持っているかもしれません。

これらの原体験の本質的な要素を見出し、現在の文脈でどのように発見しうるかを探ることで、コーリングと、仕事の文脈での表現方法が見えてくるでしょう。


過去から価値観を深掘りする方法

以下のような場面を思い起こすことが有効です。子ども時代に自然に夢中になっていたこと、たとえば友人や家族と一緒に過ごす中で自然に担っていた役割、特に好きだった遊びや得意だった活動は何でしょうか。そこには、あなたが本来持っている志向性が潜んでいる可能性があります。

学生時代の経験もヒントになります。部活動やサークル活動の中で、無意識のうちにどんなことに喜びを感じていたかを振り返ってみてください。仲間をまとめる役割に充実感を覚えたこともあれば、一人でコツコツと何かを深めていくことに満足感を覚えたこともあるでしょう。こうした経験に含まれる志向性が、現在のあなたの仕事や人生においても鍵を握っていることがあります。

さらに、初期のキャリアの中で体験した印象深い場面も掘り起こしてみましょう。たとえば、仕事の中で周囲から特に感謝された場面や、誰かからの評価ではなく自分自身が純粋に「やりがい」を感じた仕事。また、自分の役割や肩書に関係なく、本能的に動いて成果を出したような経験もあるかもしれません。

これらの瞬間には、自分でも意識していなかった価値観や能力、さらには将来的なキャリアの方向性を示唆する手がかりが隠されていることが多いのです。原体験を丁寧に振り返ることで、自分の核となる志向性や価値観が見えてきます。その志向性は、現在の仕事や生活の中でどのような形で発揮され、さらには今後どのような方向へと展開できるのかを探ってみることが、あなたのコーリングを明確にするための重要な手がかりになるでしょう。




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